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スーダン、アラブ首長国連邦、バハレーンで公演
〜財団設立以来、海外公演は今回で23ヵ国目に〜
 国際交流基金が各国の現地公館からの要望を受けて日本太鼓の公演を実施することになり、同基金の要請に基づき当財団として太鼓チームの派遣協力を行いました。
 2001年2月1日から25日までの約3週間にわたってスーダン、アラブ首長国連邦(アブダビ、ドバイ)、バハレーンに宮崎県の橘太鼓「響座」(代表・岩切邦光氏)を派遣いたしました。
 本公演は、スーダンで2回、アブダビで3回、ドバイで2回、バハレーンで2回の計9回行いました。いずれの会場でも多くの人が集まり、日本太鼓独特の音色、音の大きさ、演奏者の規律・スピードなどに驚き、大きな拍手と声援を受けるなど熱狂的な歓迎を受けました。日本大使館、日本総領事館並びに日本人学校の関係者は、観客の反響の大きさとその成果に大変喜んでおりました。
 一方、海外で生活している日本の子供達や現地の子供、大学生に日本の伝統文化である日本太鼓を紹介するため、アブダビ、ドバイの日本人学校とアブダビの現地公立小学校、バハレーン大学で太鼓教室を開き、それぞれのステージで生徒や先生に対し太鼓の指導を行いました。非常に好評で学校関係者も太鼓に大変興味をもったようでした。特に、ドバイ日本人学校では近くの養護施設から障害者の人たちも見学にこられ、日本人の生徒たちと一緒になって嬉しそうに太鼓を叩いていたのが印象的でした。
 なお、今回の一連の公演は、1997年11月の当財団設立以来10回目に当たり、公演した国はこれで23カ国になります。
 
<派遣メンバー>
■橘太鼓「響座」(宮崎県)
岩切邦光(代表)、松野力也、松野二久、西口 勝、小西舞美
■財団法人日本太鼓連盟
塩見和子(副会長)、小野 巽(常務理事)
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(スーダン・ハルツームでの太鼓公演)
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(障害者を交えての太鼓教室:ドバイ日本人学校)
初めての海外公演を終えて
橘太鼓「響座」西口 勝(18才) 小西 舞美(16才)
 
 初めての長期海外公演でしたが、各国において歴史、文化、風土、食物などを肌で感じながらの25日間のツアーを終え、多くの事を学び感動を新たにしました。
 スーダンの野外ステージでの演奏はとても暑く、日が沈むとともに何処からとなく人が集まり、観衆の熱気を肌で感じ、飛び交う声援に嬉しさと身の引き締まる思いがしました。また、地元民族楽器団との共演を行いましたが、民族の違いによるリズムの差に戸惑いを感じました。しかし、練習を重ねるうちにその戸惑いも次第に吹っ切れ、終わってみれば心地よいステージでした。生まれて初めて広大な砂漠でラクダに乗せてもらい、いい思い出をつくることもできました。
 アラブ首長国連邦のアブダビでは、公演終了後、情報文化大臣にミニチュアの太鼓を贈呈したときには、大変喜ばれ「素晴らしい、また来て下さいね」との言葉を頂き本当に感激しました。
 ドバイの日本人学校では障害を持つ現地の子供を招待しての公演でした。初めは心配しましたが、リズム感の素晴らしさには驚きました。持って生まれた天性のものと思いますが、それを観た日本人学校の生徒たちが感動していたことに感銘を受けました。
 最後の公演地であるバハレーンは、チームみんなの疲労がピークに達していましたが、悔いのない最後の舞台にしようとリハーサルにも力が入り、自分たちにとって最高にいい仕上げとなる演奏でした。
 今回の公演では、多くの人と知り合い、その国の生活や習慣など厳しさも学ぶことができました。やっぱり日本が一番いいなと実感しました。








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