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5.試作
 試作は、中間に浮力や航走試験を行ないながら改良を加え、第4次(最終)試作品まで実施した。この試作ネックガードの改良過程概要を次に示し、一覧表を次ページに示す。
1)1次試作品改良点
 サイド部分のヘルメットと気室(エアーチューブ)に空間が開いているため、その部分をカバーするためサイド部分の径を太くする。
2)2次試作品改良点(江ノ島テストにて)
 ネックガード膨脹後、左右に顔を振るとボンベ及び逆止弁にチンガード部分が接触したため、ボンベ及び逆止弁の位置を変更する。ボンベ取り付け位置が表側に設置してある場合は、中央位置であってもチンガードに接触する恐れがあることと、膨脹時の反動で顔面に当たる可能性があるため、裏側に設置する。裏側であってもサイドの位置では、膨脹時の勢いで腕に接触することと、膨脹後、腕の動きによっては接触する可能性があるため、裏側の中央部位置に設置する。
 3次試作品作製に当り、2次試作品の高さが低かったことから、2次試作品を上下に重ねたような形状の物を試作する。接続部分は熱溶着させて、接続部分で空気が流動するような形状にし試作するが、数箇所から空気漏れが出たのと同時に、溶着部分の剥がれが生じたため、結果的に前回サンプルの径を約1.5倍にした物を試作する。
3)3次試作品改良点(銚子テストにて)
 3次試作品は膨脹後の空気室によってヘルメットチンガードが持ち上がる事象が発生した。4次試作品ではファスナーとフロント空気室までのフロント部を長くすることで対応する。更に正面から他艇が向かってきた場合に本能的に横を向いて避けようとすることから、サイドの空気室は更に高くする。
4)4次試作品改良点
 今後、4次試作品で海上テストを行ない、性能確認を行う。ボンベの収納方法についても同時に確認し、ボンベ取り付け位置を検討する。








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