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【編集雑記】
今回の取材で二度、飛弾野さん宅を訪れた。旧東川町の中心地であったお宅は、メインストリートに面していながらも、のどかな静かな環境の中に建っていた。飛弾野さんのお宅には、野良猫だったという二匹の兄弟が飼われている。一匹はキジトラで、もう一匹は毛の長い茶色の猫であった。取材中、何度も姿をあらわし、あたりの様子を伺う。やはり来客が気になるとみえる。二度目に訪れた時は、二匹の猫のほかに生後半年ほどの犬が家族に加わっていた。そんな平和な家で、一五時間に及ぶインタビューは、全く退屈させなかった。
インタビューの合間、勇?哲史さんの案内で開拓時代の湧水地を訪れた。小高い山の麓の谷間に、清らかな水が湧き出ていた。薮に囲まれていた。広大な北海道の地に、点のような場所を見ることができ私は少なからず感動した。
それから数ヵ月後、あの湧水地の近くには、戦争中、中国から強制連行されてきた労働者が居住していたと聞いた。飛弾野さんからは、ダム建設のために連れて来られた多くの中国人の話は聞いていたが、実際に訪れたあの地でということになると勝手が違ってくるのだ。私の頭の中には改めて東川町の像が映し出され、時間を追い始めたのだった。
(眞島)








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