番外 小鉢貴信家住宅
札の元町487-1
札の元町は調査地区外であるが、調査する機会があったので、記録しておく。
概要 敷地は国道57号線から東へ向かう道路に入りこの北側に位置し、東方には天満宮神社がある。主屋は敷地のほぼ中央に東面して建ち、南を上手とする。敷地西側は細い小路に面しており、ここに門ノ蔵が開き当家敷地へと導かれる。敷地北側は土蔵が2棟並ぶ。主屋主体部分は桁行8間、梁間5間、寄棟造桟瓦葺き平入で、本二階建である。下屋は四方にまわし、背面は大屋根を葺きおろす。外壁は真壁造漆喰塗りである。
主屋主体部分の間取りは、床上部分と通り土間部分に分かれ、床上は上手表に2室の座敷を桁行に並べ、その下手に表裏2室を1列配する。上手裏側は独立した1室をナンドとする。当家はかつて酒造業をおこなっていた。
特徴 当家はもともと深江町小林地区の小林家住宅として建てられて町家で、建築後120〜130年経つと言い伝えられている。現在の主屋は当主小鉢貴信氏の祖父が買い取り移築したものである。なお島原市弁天町1丁目にあるマルイチ斎場・造花店もかつて小林家の蔵だったものを移築したという。
小鉢家主屋は規模が大きく、造作がていねいな仕事で仕上げられており、格式の高さがうかがえる。
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一階平面図1/200