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(5) 交通計画
表 基本的考え方等
  ■地域発展の方向から見た交通施設整備のあり方について ■交通手段分担の考え方 ■その他、交通計画の留意事項(環境保全等)
滋賀県
・県内主要地域間の移動が約1時間以内で可能となる滋賀県総合交通ネットワーク構想の推進を基本に、21世紀の滋賀の飛躍をめざすため、高速交通時代にふさわしい交通基盤を整備するとともに、県内外の地域間の連携・交流を図り、国際化に対応できる新たな交通ネットワークの形成を図る。
・安全で快適な暮らしを望む人々の要求にこたえられるよう、交通の側面からも地域づくりに貢献できる基盤づくりを進める。
【広域交通の強化】
・災害時の代替機能の確保や隣接府県との交流に配慮した広域交通の整備を推進する。
【県土幹線交通の円滑化】
・安全性や通勤・通学の快適性・利便性、目的に合わせた多様な交通手段の選択可能性等の向上に配慮した総合交通体系の整備を推進し、県土1時間交通網の確立を目指す。
【地域内交通の利便性強化】
・鉄道は、増発、車両の増結、接続の改善等を促進するとともに、複々線化等による輸送力増強を図り、同時に農産漁村における各交通機関との連携を強化する。
・生活に密着した路線バスについては、多様な需要に応じた運行の確保を促進する。
・交通機関の特性や交通利用者の地域性を活かし、空港、新幹線、高速道路などの広域交通、鉄道、道路などの県土交通及び地域交通のそれぞれの機能に応じた有機的な交通施設の整備を図り、交通機関の機能分担を高める。
・地域の活性化と県土の均衛ある発展を実現するために、鉄道整備による利便性、輸送力の一層の増強を図るとともに、バスとの円滑な組み合わせによる利便性の高い地域交通網の構築により、高齢化と過疎化の進む生活路線の確保に努める必要がある。
・モータリゼーションの進展は、交通渋滞、排気ガスによる地球温暖化等、社会問題を引き起こしている。そのため、環境に優しく、エネルギー効率と大量輸送・定時制に優れた公共交通機関へのシフトを図る必要がある。
・鉄道、路線バスなど他の公共交通機関とのネットワーク構築により、利便性の高い公共交通として充実強化を図り、車から公共交通機関への転換を促す。
・上記は、本格的な高齢社会の到来を控え、誰もが自由に行動が可能なバリアフリー社会を実現し、まちの活力を維持するために重要である。
京都府
・人、もの、情報が府内の各地域を容易に行き来でき、住みやすく、魅力あるまちづくりを進めるため、都市構造・土地利用及び環境面から交通を考え、交通基盤整備とそれらを有効活用する施策との有機的連携による総合的な交通計画の検討を進めるなど、総合的な交通体系の確立をめざす。
【人や環境に配慮した交通体系の整備】
・交通需要管理政策(TDM)、高度道路交通システム(ITS)の推進
・ユニバーサルデザインを基調とした移動環境の整備
・鉄道等の乗継利便性の向上、交通結節点の整備
・鉄道立体交差化及び踏切改良の推進
【京都縦貫自動車道の整備など高速交通体系の整備】
・府域を南北に貫く南北縦貫道路、京都縦貫幹線鉄道の整備
→京都縦貫自動車道、鳥取豊岡宮津自動車道の整備、JR山陰本線、奈良線の複線化
・広域交通ネットワーク(道路、鉄道を含む)の整備
→京都高速道路・第二京阪道路等の整備、JR片町線の複線化、JR小浜線の電化、JR関西本線の近代化、片奈連絡線、京阪奈新線構想の検討
【個性をいかした活力ある地域づくりを支援する交通網整備】
・地域の特色をいかした交通網整備
・北近畿タンゴ鉄道、地方バス路線等の維持・確保
・貿易振興と地域の物流を支える港湾・空港整備
・舞鶴港、関西国際空港等の整備
・すべての人が快適で利用しやすい交通環境を実現するため、公共交通機関の利用促進策など交通需要管理政策の推進により、交通渋滞を減らし、環境への負荷の軽減を図るとともに、公共交通機関の利便性向上と体系的な道路整備による交通容量の拡大、ボトルネックの解消を図ることにより、円滑な交通を確保する。
○交通需要管理政策(TDM)の推進
○ユニバーサルデザインを基調とした移動環境の整備
○鉄道等の乗継利便性の向上、交通結節点の整備
○新交通管理システム(UTMS)の推進
 
大阪府
・道路と鉄道等の役割分担と連携による効率的な交通の処理。
・既存ストックを活かした実質的な交通容量の拡大(TDM施策の展開)。
・自動車交通に過度に依存しない自立性を持ったコンパクトな都市・まちづくり。
・安全で魅力的な都市・まちづくりを先導する空間としての道路の機能強化。
・大阪の都市構造を形成する「7つの放射軸」や「環状軸」毎に道路と鉄軌道の役割分担に応じた、効率的な整備と相互連携をする。
・自動車交通に過度に依存しないように連携型地域構造への転換を目指す。
・駅周辺では、歩いて暮らせるまちづくりを目指す。
・都市の再生や産業の活性化、都市・まちづくりとの連携、環境・エネルギー問題への対応、投資余力低下への対応、少子高齢化への対応
兵庫県
・交通は、交流の拡大や自由時間の増大などを背景に、今後も需要が伸びるとともに、時間価値の増大や価値観の多様化などに伴って、高度化への要請が高まるものと考えられる。その一方で、環境やエネルギー問題への意識の高まりなど、交通をめぐる条件が厳しくなる中で、新たな車社会の構築が求められている。
・これらに対応していくために、エネルギー効率の高い交通手段への転換(モーダルシフト)を図るとともに、各交通機関の有する特性を有効に活用した総合的な交通体系を形成(モーダルミックス)することが重要と考える。
・社会経済情勢の変化に伴う交通ニーズに適切に呼応していくため、地域特性や需要特性に応じて、クリーンでエネルギー効率の高い鉄道の有効利用を図る。
・県内外の広域幹線交通については、利用者が目的や状況に応じて多様な選択ができるとともに、災害、事故など異常時においても移動を確保するため、複数の交通機関による信頼性の高い交通ネットワークの形成を図る。
・短時間に集中する都市部での通勤・通学の移動については、高速性、定時性に優れた鉄道や路線バスなど輸送効率の高い公共交通機関への誘導を図る。
・都市部での業務交通は、機動性や随時性に富んだ自動車交通への依存度が高いが、生活環境に配慮し、円滑な自動車交通の実現を図るとともに、適正な利用について県民の協力を求め、近距離の移動については、徒歩交通の定着と適正な自転車利用を図る。
・広い地域に交通需要が分散して発生する農山漁村部では、道路を中心とする交通体系の充実を図り、自動車を運転できない高齢者、年少者などの移動を確保するため、地域特性に応じた公共輸送サービスの維持・充実を図る。
 
奈良県
・多様な交流を活発化するため、国土交通幹線軸の整備が必要と考え、全国各地との時間距離を短縮するリニア中央新幹線の早期実現を目指す。
・関西文化学術研究都市の整備に伴う輸送需要に対応するため、京阪奈新線の整備を促進する。
・高齢社会に向けて誰もが安全で快適に利用できる駅前広場などの交通結節点の整備や駅施設、周辺歩道などのバリアフリー化、乗り継ぎの円滑化を図る。
・京奈和自動車道をはじめとする幹線道路網の重点的整備の推進。
・交差点改良やTDM施策の実施、ITS導入による総合的渋滞対策の推進。
 
・幅の広い段差の無い歩行空間の整備などによる高齢者に配慮した安全で快適な道路空間を確保する。
・歴史街道構想を活かした奈良県らしい道づくりのため、電線類の地中化や歴史文化資源を巡る自転車道などを推進する。
京都市
・まちづくりの方向を「保存・再生・創造」の3つの大きな概念で捉え、特に21世紀の新たな活力を創造する南部地域においては、京都高速道路油小路線・新十条通や油小路通等の整備を促進する。
・地下鉄烏丸線の南進を含む公共交通機関の整備について検討する。
・公共交通の優先を基本とした、誰もが歩きたくなる「歩くまち・京都」の考え方を踏まえ、TDM施策をはじめとして、社会経済動向の変化に応じた新たな交通政策の検討などに取り組みながら、地下鉄や道路等の整備を進める。
・安全・快適で環境に負荷の少ない総合的な交通体系の構築
・安全・快適な観光ができるような、市バス・地下鉄を中心とした公共交通 ネットワークの充実など交通機能の充実に努める。
大阪市
・都市環境との調和を図りつつ、生活の利便性、都市活動を支える都市交通基盤の確立を目指す総合交通体系の基本的な考え方を継承し、また、多様な交通二一ズヘの対応を目標に、最新技術を活用しつつ、新たな時代に向けた交通体系の確立を図る。
・交通結節点としての機能を強化するため、主要都市との広域的な交通ネットワークの形成を促進する。またこれら広域交通ネットワークと市内各地域を結ぶ交通網の整備を促進する。
・鉄道は、基幹交通の整備という視点に加え、まちづくりを誘導するという視点も加え、整備に主体的に関わる。
・道路は、望ましい都市空間の形成を誘導するという視点に立ち整備を促進する。
・都市内交通では、安全で確実な市民の足を確保するとともに、都市活動が円滑に行えるよう、公共交通・自動車交通の適切な役割分担の下に、交通基盤を整備する。
・公共交通は、鉄道を中心としたネットワークを強化し、補完交通手段としてバスサービスの充実を図る。
・自動車交通は、車社会の成熟に向け、また都市環境との調和を考慮し、無秩序な増加の抑制に努めるとともに、流れの円滑化を図る。
・生活圏においては、人と車の調和を図るため、自動車の通過交通の排除や歩行者の安全性と快適性を重視した道路整備に努める。
・移動発生源である自動車は、発生源規制の強化を基本とし、汚染物質総量の削減を図る。
・公共交通機関のネットワークの充実、サーピスの向上、物流交通の集約化等の推進により、自動車交通総量の無秩序な増加の抑制を図る。
・自動車交通を円滑化することによる汚染物質排出量の抑制のため、自動車交通の地域的集中の抑制や通過交通の排除等に役立つ道路ネットワークの整備、道路交通情報システムの整備などに努めるとともに、道路構造の改善に努める。
・道路・鉄道の沿道・沿線の環境対策として緩衝建築物や緑地の整備を行い、航空機騒音に対する民家の防音対策等を推進する。
神戸市
・都市に必要不可欠な基盤として、公共性と経済性を図りながら、誰もが利用できる公共交通機関の整備を進める。
・鉄道を基幹として、バスで補完するほか、需要に応じた多様な交通システムを導入し、公共交通機関の体系的整備を図る。
・広域交通網と連携した公共交通網の整備を図る。
・公共交通の質的向上をめざす。
・鉄道については、放射方向の整備・増強に努めるとともに、環状方向、広域生活圏に対応する鉄道網の検討を行う。
・バスについては、鉄道駅に近接したターミナルを中心にサービス圏を設定し、路線の再編成と需要に応じた路線設定を行う。
・個別輸送機関として自由度の高いタクシーの有効利用を図るとともに、中間領域の需要に対応するため、短距離交通システムなどの多様な交通システムの導入の検討を図る。
・通勤時の都心への交通の過度の集中を避け、局部的な交通マヒを未然に防ぐため、交通政策と土地利用政策の整合を図り、拠点分散型・職住近接型の都市づくりを進める。
・パークアンドライドなどの交通結節点における乗り換え促進、公共交通優先の交通環境づくり、乗車券の多様化など公共交通利用者へのサービス向上を一体的に進め、私的交通から公共交通への転換を図る。
・時差出勤の導入促進、勤務時間等の多様化、料金体系による利用の分散化など、通勤時間における交通混雑の解消を目指し、ピークの平準化を目指す。
・通信技術を活用した路車間通信などによる情報提供の充実や交通の分散化を図り、効率的に人・物が移動できる環境作りを進める。
・相乗りなど自動車利用の見直しの啓発や、有料道路・駐車場の時間帯別料金の設定などの経済面・法規制面での誘導を進め、自動車利用の適正化を図る。








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