参考資料4. 自治体、事業者アンケート結果
4-1 自治体の長期計画の概要
(1) 長期計画の名称等
表 長期計画の名称等
自治体 |
名称 |
策定年次 |
計画期間 |
滋賀県 |
新・湖国2010 |
H9 |
H9〜22 |
京都府 |
新京都府総合計画 |
H12 |
H13〜22 |
大阪府 |
大阪再生・元気倍増プラン |
H12 |
H12〜22 |
兵庫県 |
21世紀兵庫長期ビジョン |
H13 |
H22〜27 |
奈良県 |
奈良県新総合計画 |
H8 |
H8〜17 |
京都市 |
京都市基本計画 |
H13 |
H13〜22 |
大阪市 |
大阪市総合計画21 |
H2 |
H2〜17 |
神戸市 |
第4次神戸市基本計画 |
H7 |
H7〜22 |
(2) 地域構造の現状認識
現在、策定されている長期計画の目標年次は、概ねH17、22年である。各自治体の長期計画において認識されている、各地域のおかれている現状は、次のとおりである。(自治体アンケートのほか、長期計画冊子から抜粋)
○滋賀県
・ 人が輝き、人の活力が発揮される地域づくりが求められる
・ 豊かで多様な自然が直面している危機への対応が必要
・ 少子高齢化社会への対応
・ 内外環境の急速な変容による産業構造の変革への対応
・ 県土基盤の一層の整備・充実が必要
○京都府
・ 少子・高齢化、人口減少への対応が必要
・ 地球時代、交流と連携の時代
・ 自然との共生、地球環境問題に対する意識の高まり
・ IT革命による暮らしや産業の変化
・ 価値観の多様化が進んでいる
・ 個人の尊厳と人権が尊重される社会の実現
・ 地方分権が進み、個人や地域の自立と自己責任の重視
・ 行財政改革や社会の構造改革に向けた取組の推進
・ 住民参加や行政の透明性の確保
○大阪府
・ 大阪経済の長期的な低迷
・ 少子高齢化の中、長期的には人口減少が見込まれる
・ 環境問題の深刻化、ITの発達による情報社会の到来など社会潮流の変化
・ 厳しい財政状況の中での既存ストックの有効活用、効率的な取り組みが必要
○兵庫県
・ 新しい研究開発拠点、先導的産業など多様な産業活動の形成が図られている
・ 全国有数の広域交流基盤を生かして全国や世界との交流拡大の条件の整備
・ 個性ある地域づくりと人間サイズのまちづくり
・ 安心して暮らせる生活環境(高齢社会、福祉、環境)
・ 県民の自立的な生活創造活動の実践(県民運動、ボランティア)
・ 震災からの貴重な教訓と創造的復興
・ 国際交流のセンターとしての機能を担っている
○奈良県
・ 奈良盆地とその周辺地域への人口や諸機能の集中
・ 人口減少、高齢化が進む山間地域の活力維持
・ 交通基盤、水資源、下水道など生活基盤整備の充実
・ 商業、業務機能の京阪神大都市圏への依存
・ 歴史的・文化的資源や豊かな自然環境の積極的な活用
・ 関西圏、全国主要都市とのモビリティの向上
・ 県内における関西圏の新たな中枢拠点の形成
・ 農林業、中小企業をはじめとした産業の高度化と産業の展開
○京都市
・ 自己決定・自己責任を原則とする地方分権型行政システムヘの変革が求められる
・ 財政の硬直化の改善
・ 市民の日常的な生活圏や経済活動等の広がりから、近隣自治体との連携
・ 大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会システムから循環型社会システムヘの脱却
○大阪市
・ 多極分散型国土構造の一翼を担う西の拠点、大阪都市圏の中枢都市
・ 交通の要衝としての機能を生かした都市
・ 都心業務地区(CBD)に居住機能と業務・商業機能とが複合する区域、さらにその外側には住宅地という3つの区域がほぼ同心円で広がっている。
・ 市域西側に重化学工業を中心とする在来臨海地域を有し、その沖合に整備が進む埋立地を有する
○神戸市
・ 新市街地、既成市街地沖の海上都市といった複数の都市拠点が島状に展開する都市構造
・ 人口動態の変化(少子高齢化)
・ 国際化、情報化、技術革新など社会構造の変化
・ 環境・資源エネルギー制約の増大
・ 価値観の変化、多様化
以上をまとめると、近畿圏のおかれた現状はおおむね次のようになる。
→ 人口構造の変化(少子化・高齢化による人口構成の変化、将来的な人口減少)への対応が予想される
→ 社会・経済情勢の変化(低迷する経済、情報技術の進展、先進的産業・研究の振興、交流の国際化・広域化)への対応
→ 環境・エネルギー問題のクローズアップ、自然との共生
→ 市民のニーズの多様化、価値観の変化(生活の質の向上)
→ 厳しい財政事情を踏まえ、効率的な行政の推進が求められる
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表 各府県及び指定市の長期計画概要
自治体 |
名称 |
策定 年次 |
計画 期間 |
地域構造の現状認識 |
滋賀県 |
新・湖国2010 |
H9 |
H9〜22 |
【人が輝き、人の活力が発揮される地域づくり】
・草の根まちづくり施策や新しい淡海文化の創造に向けた取り組みにより、地域でのまちづくりや、文化・芸術、福祉、環境などをテーマにした活動が根づいてきており、今後も、県民や事業者の活力が主体的・創造的に発揮される自由な風土を培うとともに、多様な人材の活力や輝きを地域や県勢の活性化につなげていくことが求められる。
【豊かで多様な自然への危機】
・琵琶湖の水質は悪い状況にあり、また、琵琶湖の水源かん様に重要な役割を果たしている森林は、適正管理が困難になってきている。今後は、人ロ増加と活発な経済活動が続く中、これまでの技術や経験を生かし、環境熱心県として環境問題解決に向け、様々な知恵を出していくことが求められる。
【少子高齢化への対応】
・高齢化社会の到来は、不可避なため、高齢者の尊厳が保たれ、住み慣れた地域で、家族や近隣の人々と健康で生き生きと安心して生活ができる社会の仕組みを確立するとともに、社会経験豊富な高齢者の社会参加は、豊かな社会の実現に欠かすことのできない要因であり、福祉サービスの充実にとどまらず、広い視点からの積極的な対応をする必要がある。
【産業構造の変革への対応】
・恵まれた立地特性を生かし内陸工業県として発展してきたが、県外本社企業への依存度が高く、企業の中枢管理機能の集積も低い。また、サービス業の集積が不十分で都市の魅力を弱めている。今後は、立地の優位性の相対的低下、経済や産業活動の国際化と技術革新の進展など内外環境の急速な変容による産業構造の変革への対応が求められる。
【県土基盤の一層の整備・充実】
・国土構造の多重化・多元化が図られる中では、立地の優位性が相対的に低下していくと考えられる。今後は、適正な土地利用を誘導し、質の高い県民生活や旺盛な産業活動を支え、国内外との活発な交流を促す社会資本の整備を計画的かつ着実に進める必要がある。
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京都府 |
新京都府総合計画 |
H12 |
H13〜22 |
【南部地域(京都市・乙訓)】 ・広域幹線道路や幹線鉄道が京都市の都心部に集中 ・乙訓地域は都市近郊の住宅都市として急激な開発 ・日本の文化・芸術活動の中心地であり、大学・学術研究機関が集積 ・産業は工場の流出、繊維産業の低迷等により伸び悩み 【南部地域(山城中部)】・人口急増による慢性的な交通渋滞 ・広域幹線道路網整備の進展 ・ものづくり産業等の集積 ・都市近郊農業の定着 【南部地域(相楽)】・自然条件の厳しさから交通基盤の整備の遅れ ・関西学術研究都市における文化学術研究施設の集積 ・豊かな自然に恵まれた地域 |
【中部地域】 ・道路交通網等の整備に伴って、住宅地の開発や企業誘致の進展 ・基幹産業である農林業の担い手不足 ・グリーンツーリズムなどの観光施策の展開 【北部地域(丹後)】・交通網等の整備の進展、京阪神地域との時間距離の短縮 ・織物業、機械・金属業等の地域産業の集積 ・府内で最も高齢化が進展 ・豊かな自然や歴史的・文化的遺産、地域文化に恵まれた地域 【北部地域(中丹)】・交通網等の整備の進展、京阪神地域との時間距離の短縮 ・環日本海時代における交流拠点としての舞鶴港の重要性が増大 ・モータリゼーションの進行等により中心市街地の衰退 |
大阪府 |
大阪再生・元気倍増プラン |
H12 |
H12〜22 |
・大阪の経済は、長期的に低迷しており、過去最悪の水準である。 ・人口は、少子高齢化が進む中、中長期的には減少するものと考える。 ・環境問題の深刻化、情報通信手段の発達に伴う情報ネットワークの到来など、社会潮流は大きく変化している。 ・厳しい財政状況の中で、新たな課題に対応するためには、既存施設や人材をはじめ、これまでの蓄積をより有効利用するとともに、より重点的かつ効果的な取り組みが必要である。 |
兵庫県 |
21世紀兵庫長期ビジョン |
H13 |
H22〜27 |
【地理的・歴史的な特性】 ・広大で多彩な県土を擁し、多様な風土と豊かな歴史文化のもと、大都市と農山漁村が併在している。 【多様な産業活動】・近代日本の発展を支えてきた基幹産集を中心とする産業集積、ユニークな技術を有する優良企業や多くの外資系企業の立地、新しい研究開発拠点や産業団地等の先導的産業拠点の形成が図られてきた。 【多彩な交流基盤】・大交流時代を迎えて、兵庫県は全国有数の広域交通基盤を生かし、全国や世界との交流を拡大する条件が整いつつある。 ・また、大学等の高等教育機関、博物館、美術館等の教育文化・生涯学習施設などの集積を生かし、県民の生涯を通じての高い学習意欲に応える環境が形成されている。 【個性ある地域づくりと人間サイズのまちづくり】・全県土公園化構想をはじめとする先導的な取り組みを進めるとともに、県下各地の個性ある地域づくりや、テーマを持った公園都市づくりなどを展開しており、多彩な個性が息づく、緑豊かで美しい県土づくりが進められている。 ・また、阪神大震災から得た教訓を生かし、経済効率優先のまちづくりから生活者優先のまちづくりへの転換を進めている。 |
【安心して暮らせる生活環境】 ・県民が安心して暮らせる環境を創出するため、生活環境の整備をはじめ、高齢社会への対応、だれもが住み慣れた地域で安心して生活できる福祉のまちづくり、環境保全への先導的な取り組みなどを総合的に推進してきた。 【県民の自立的な生活創造活動の実践】・本格的な成熟社会を迎え、社会を構成する多様な主体の参画と協働が不可欠になっていく中で、兵庫県では、心豊かな兵庫を目指す県民運動や、ボランティア活動が広がっている。 【震災からの貴重な教訓と創造的復興】・震災からの貴重な教訓を安全で安心な社会づくりに生かすため、命の尊厳を基本として、人と人の絆、そして地域と地域の連携などを深める取り組みが展開されている。 【国際交流のセンターとしての機能】・これまで集積された関西の優れた学術・文化・経済の蓄積や、整備されつつある国際交流拠点、密度の高い高速道路や空港、港湾など陸海空の広域交通基盤等を生かすことにより、兵庫県が、世界、とりわけアジア太平洋地域との交流のセンターとして、関西・瀬戸内世界都市圏の形成のための先導的役割を担っている。 |
奈良県 |
奈良県新総合計画 |
H8 |
H8〜17 |
【人口・都市機能】 ・県外からの転入は減少しており、全体としては微増。 ・県南部での過疎化、高齢化の深刻化。 ・バブル崩壊以降の都市開発の停滞による都市機能更新の遅れ。 【自然、歴史、文化】・遺跡などの数多くの埋蔵文化財の保存と活用。 ・景観整備やまちづくりが進むが、一方では進んでいない地区の残存。 |
【広域交通体系】 ・広域的な幹線道路の整備は、概ね進んでいるが、県内の渋滞実感は増大。 【産業】・景気低迷により、新規産業への投資、集積は厳しい状況。イベントの開催等による観光産業振興の兆し。 |
京都市 |
京都市基本計画 |
H13 |
H13〜22 |
・世界的な文化遺産を有し、日本の顔となる我が国の文化を代表する都市である。 ・長い歴史の中で先駆的なことを試みてきた都市である。 ・優れたものづくりの技術、気質、システムを持つ都市である。
・自由で進取の気風に富む大学都市・学術都市である。 ・芸術文化が生活や産業の中に息づく都市である。 ・人々に心に癒(いや)しを提供できる都市である。 ・国際文化交流の資源(シーズ)ともてなしの心を持つ都市である。 |
大阪市 |
大阪市総合計画21 |
H2 |
H2〜17 |
・多極分散型国土構造の一翼を担う西の拠点、大阪都市圏の中枢都市である。 ・交通の要衝としての機能を最大限に活かし、経済、文化、情報の交流の中枢としての役割を果たす。 ・先導的なまちづくりにより、都市づくりのパイオニア的役割を果たす。 ・御堂筋に沿って南北に長く形成された都心業務地区(CBD)を居住機能と業務・商業機能とが複合する区域、さらにその外側には住宅地という3つの区域がほぼ同心円で広がっている。 ・西側には、重化学工業を中心とする在来臨海地域、その沖合には、咲洲、舞洲、夢洲の新しい埋立地が拡がっている。 |
神戸市 |
第4次神戸市基本計画 |
H7 |
H7〜22 |
・六甲山系の南側を中心に発展してきた。 ・近年の都市開発により、六甲山背後の丘陵部に新市街地、既成市街地の沖に海上都市が誕生した結果、複数の都市拠点が島状に展開する都市構造である。 |