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○交通部門におけるエネルギー消費
 地球温暖化の主因は、石油などの化石燃料消費の急激な増加によるものとされており、地球温暖化問題とエネルギー消費との間には密接不可分の関係がある。交通部門の中では、自動車のエネルギー消費量が最も多く、国内輸送機関全体のエネルギー消費量の約87%にも達しており、しかもそのほとんどは乗用車とトラックである。油種別に見ると大部分がガソリンと軽油であり、地球温暖化ガスの排出増加の一因となっている。 (図 4-4-5)
 
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注: 海運外航、航空国際線は除く
(合計 原油換算107百万kl)
図 4-4-5 輸送機関別エネルギー消費割合と油種消費量
資料: 交通関係エネルギー要覧
 
 自家用乗用車のエネルギー消費量は増加が著しく、最近10年間で約70%増加している。自家用乗用車の輸送量は旅客部門全体の約50%を占めるのに対し、エネルギー消費量は旅客部門全体の約70%を占めており、エネルギー消費効率が悪い。(図 4-4-6、図 4-4-7)
 
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図 4-4-6 旅客部門における輸送機関別エネルギー消費量の推移
 
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図 4-4-7 旅客部門におけるエネルギー消費量分担率、輸送分担率 (1998年度)
 このように、国内のCO2排出量に対する自動車のCO2排出量の割合や、自動車のエネルギー消費量の高さに鑑みると、京都議定書における温室効果ガス6%削減の目標の達成や、今後の地球温暖化問題への対応において、自動車交通から、二酸化炭素排出が少なく、エネルギー消費効率のよい、鉄道を中心とした公共交通機関への転換を促進していくことが、非常に重要である。
 今後の公共交通機関の整備の方向性においても、自動車から鉄道をはじめとした公共交通機関への転換を強力に推進するという観点は、鉄道のネットワーク整備や利便性向上といった目標と並んで、これまで以上に重要な位置付けをする必要がある。








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