(2) 整備路線からみた未整備の要因
整備、未整備路線における要因・背景を分類すると、それぞれ固有的なもの、共通的なものに大きく分類できる。
そこで、本項では、未整備路線における未整備の要因・背景について、既に整備された路線と未整備路線の共通性の高いと思われる要因・背景を抽出し、未整備路線における要因・背景を明確化するものである。
図 2−6−1 要因、背景の分類
a) 新設路線
■Aランク (目標年次までに整備)
図 2-6-2 整備要因及び背景
○主要な整備要因、背景
整備された路線について、その要因、背景の主なものは、次の通りに集約される。
[1] 事業中若しくは既設線延伸であり、当初より事業主体等が決定していた。(21%)
[2] 沿線における大規模開発プロジェクト等が進展した。(18%)
[3] 開発プロジェクト等に伴う規模の大きな新規需要が発生若しくは期待された。(18%)
[4] 路線整備に伴うネットワーク機能の強化が期待された。(14%)
○未整備路線における要因、背景
未整備路線における主な要因、背景は、以下のように要約される。
・ 関連する大規模開発プロジェクトが進展していない。←[2]
・ ターミナルの混雑緩和が進展した。(地下鉄梅田駅)→なにわ筋線
・ 事業主体が不明であった。←[1]
・ 新規需要の規模が小さく、収支採算性確保が困難と思われる。←[3]
・ 代替路線が整備された。(地下鉄西神・山手線)→地下鉄海岸線
・ 関連する線区の輸送力が増強された。(大阪環状線、地下鉄御堂筋線)→なにわ筋線
表 2-6-2未整備路線
線名 |
区間 |
計画距離 |
なにわ筋線 |
新大阪〜JR難波、汐見橋 |
10.0km |
京阪奈新線 |
登美ヶ丘〜高の原 |
3.4km |
地下鉄海岸線 |
三宮〜新神戸 |
2.1km |
■Bランク (目標年次までに着手)
図 2-6-3整備要因及び背景
○主要な整備要因、背景
整備された路線について、その要因、背景の主なものは、次の3点に集約される。
[1] 沿線における大規模開発プロジェクト等が進展した。(24%)
[2] 事業主体、運営主体が決定していた。(24%)
[3] 開発プロジェクト等に伴う規模の大きな新規需要が発生若しくは期待された。(16%)
○未整備路線における要因、背景
未整備路線における主な要因、背景は、次のように要約される。
・ 関連する大規模開発プロジェクトが進展していない。←[1]
・ ターミナルの混雑緩和が進展した。(地下鉄梅田駅)→なにわ筋連絡線
・ 代替路線の整備・計画が進められている。
・ 新規需要の規模が小さく、収支採算性確保が困難と思われる。←[3]
・ 関連線区の線路増設事業が進展していない。→片奈連絡線
・ 土地区画整理事業等が進展していない。→地下鉄東西線
・ 事業主体が不明であった。←[2]
表 2-6-3 未整備路線
線名 |
区間 |
計画 距離 |
線名 |
区間 |
計画 距離 |
なにわ筋連絡線 |
十三〜梅田北 |
2.5km |
片奈連絡線 |
京田辺〜長池 |
5.2km |
新大阪連絡線 |
十三〜淡路 |
4.4km |
地下鉄東西線 |
天神川〜洛西 |
8.6km |
鶴町・茨田線 |
大正〜鶴町
茨田→交野方面 |
5.7km |
西明石・西神線 |
西明石〜西神中央 |
9.3km |
北大阪急行線延伸 |
千里中央〜箕面中部 |
2.4km |
水間鉄道新線 |
清児〜土丸 |
6.2km |
■Cランク (今後、必要性の検討)
図 2-6-4 整備要因及び背景
○主要な整備要因、背景
整備された路線について、その要因、背景の主なものは、以下の3点に集約される。
[1] 沿線における大規模開発プロジェクト等が進展した。(29%)
[2] 事業・運営主体が決定していた。(29%)
[3] 開発等の進展に伴う新規需要が期待された。(14%)
○未整備の要因、背景
未整備の主な要因、背景は、次の3点に要約される。
・ 新規需要の規模が小さく、収支採算性確保が困難と思われる。←[3]
・ 関連する大規模開発プロジェクトが進展していない。←[1]
・ 事業主体が不明であった。←[2]