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C.調査結果の利用法に関する提案
 本調査研究は、閉鎖性水域の環境改善に取り組むために、まず環境調査を行って現状を把握し、さらに調査によって得られた情報を「わかりやすく」、「はやく」提供する方法の提案を目指している。
 環境調査はこれまでにも多くの機関で実施されており、その情報量は膨大なものである。またこれらの情報は、長期間にわたって徐々に進行してきた環境変化を知る上で重要なものである。しかし、それらの調査結果は専門家など一部の人間が理解して利用することができても、誰でもすぐに理解できる情報ではない。これは、公表された調査結果に理解し易さという点が欠けているからである。
 環境の改善方法を模索するためには、まず現場の状況をよく知ることが必要である。本調査研究では実際に環境調査を行い、環境情報を収集した。この経験から、現場の状況を理解するためには分析によって得られるデータも重要であるが、それだけではなく調査を行った人間の感覚的情報も重要であることを感じた。「百聞は一見に如かず」と言われるように視覚的な情報は、より正確に現場の状況を把握するために重要である。
 実際に環境改善に取り組む場合、調査者だけが得られる情報をより多くの第三者に提示することによって、環境改善のための智恵や多様な方法論を求めることが可能になるのではないかと考えた。そのためには、環境調査の結果の提示法は、従前のままでは不十分である。専門家だけではなく、他の大勢の人々に伝わる情報でなければならないと考えた。また、報告書などに見られるように、環境調査結果の公表は結果を全てまとめた後に行われるため、公表される最新情報は過去のものであり、現在の環境状態を反映するものではない。この点についても改善の余地がある。
 情報技術の進歩が著しい現代では、企業だけでなく各家庭や個人でコンピュータを所有し、ネットワークを通じて情報を発信・受信することが可能である。そこで、最新の環境情報を素早く提示するためにインターネットを利用することを考えた。インターネット上で環境情報を提示することにより、インターネットを利用する多数の人々に瞬時にそして同時に情報を伝えることができる。また、環境調査結果とともに、調査を行った人間の感覚的情報も、水中写真や映像という視覚的なものをデジタル化して発信することによって伝えることが可能である。さらに、調査を行うたびに情報を更新することで情報の即時性が向上すると考えられる。これらのことから、環境改善のための環境調査情報はインターネットを介して提示することを提案したいと考える。
 当研究所ではホームページを開設し、その中で今回の調査結果および理解し易い情報へ変換した過去の情報の提示を試行する予定であったが、年度内に情報発信を行うまでには至らなかった。本報告書は「情報の理解し易さ」と「情報伝達の速さ」の点で現行の域を出ないものである。インターネットを介して多くの人々に「容易に理解できる」情報を「素早く」提示することは今後の課題としたい。








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