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社会参加システム推進グループ
お父さんも 地域で 明るい笑い声! 勤労者もボランティア参加を
 財団が、今、力を注いでいる事業の一つに勤労者マルチライフ支援事業があります。
 本事業については情報誌「さあ、言おう」他で触れているので詳細は省きますが、事業の成否は企業の経営者に「本事業が会社経営に深くかかわる問題である」との認識をどれだけ持っていただくかにかかっていると言っても過言ではありません。
 本事業の運営主体の厚生労働省は昨年11月下旬より、約1か月間をキャンペーン期間と定め、ポスター、チラシや小冊子を関係先に配っており、ご覧になった方もおられると思います。
 さてここでは、企業の経営者の皆様に「なぜ経営にかかわる問題」なのかをご理解いただくために、その取り組みの代表例であるボランティア活動に焦点を当て、5つの切り口からご説明したいと思います。
ボランティア活動は、生きがいと人間的成長をもたらす
 人はさまざまな能力をもって生まれ、またそれらが目覚めるが、経済活動に生かされる能力は限定される。しかし、これ以外の能力で、それを生かすことが心の躍動感をもたらすものが必ずある。この躍動感を感じる活動を見つけだし、その中で新たな能力を生かしたり、伸ばしたりする。それがそのまま自分の人間的成長をもたらす。そうして得た自信は、ボランティア活動だけでなく、仕事の面でも家庭の面でも充実をもたらすであろう。
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キャンペーンイメージポスターは全5種類。モデルになった本田博太郎さん、安達祐実さん、とよた真帆さんもボランティアで協力してくれている。上は活動の方法などをコンパクトにまとめた小冊子
 
ボランティア活動は経済活動と両立する
 「自分の生き方は今のままでよいのだろうか。仕事からリタイアした時、自分は何をして生きるのだろうか」……
 人は、自分を生かして充実した人生を送りたいという本能をもっている。その本能がその問いかけによって目覚めれば、心は必ず動くであろう。心が動けば、仕事が忙しくてもやりたいことをやる時間は生み出せる。
勤労者に適したボランティア活動はたくさんある
 一番簡単なのは、気持ちを動かされた活動に対する寄付である。自分の行動で参加するとなると、仕事の時間が制約となる。しかし、気持ちが動く活動をしている組織のリーダーらと話をしてみると、仕事の時間に食い込むことなくできる活動が見つかることが多い。やる気になれば情報が得られ、自分を生かす道が開ける。
勤労者のボランティア活動は、企業にとってもメリットが大きい
 従業員がボランティア活動によって人間的に成長することは、その企業活動の質を高める。仕事への意欲、ゆとりを持って社会的な観点から仕事を評価できる目、人間的包容力、折衝力、前向きな人間関係をつくる力など、いろいろな能力が高まる。効率のよい研修を時間外に、自己負担でやってくれるようなものである。そして、その活動は、企業の信用力を地域で高める。費用のかからない広報である。さらにその活動は、意欲と能力を持った若者たちをその企業に引きつける。
ボランティア活動は家庭を明るくする
 ボランティア活動をしている従業員は、経済社会の他に生きがいが持てる活動があることを知るから、収入が乏しくとも充実して生きることかできるという自信を獲得する。経済の先行き不透明な時代、この自信は日々の生活から不安を追い払う最高の力となる。
(蒲田 尚史)








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