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「元気なお年寄りが増えれば町が幸せになる」役場も一体となって健康増進
 
 晴天の羽田空港を発ち一路沖縄へ。目指す佐敷町は沖縄本島の南部にあり、那覇市の東に位置する。総人口1万2000人、約3600世帯、高齢化率15%、海辺の静かな町である。12年前、町に総合病院が進出し、1994年には250余床が老人病床の認可を受けた。このため老人医療費が高くなり、医療費の額で連続県内2位となる。この危機的状況を打開するため、町をあげて健康づくりに取り組むことになった。保健事業が活発になれば老人医療費が下がるに違いない、という目論見である。見事に功を奏し、元気なお年寄りがたくさん住む「福寿のまち」としてNHKテレビなどでも放映され、全国に知られるようになった。
 「ひと言でいえば、病院がサロン化するのを防ぐには別にサロンをつくればいい、という発想です。笑い話で、あの人はこのごろ病院に来ないが具合でも悪いんじゃないか、なんて言いますよね。お年寄りの出かけていく場所があって、参加できる行事、催しがあれば、病院に行かなくてもいいかもしれない。高齢者も含めて、病人をつくらない、病気にならないようにして医療費を下げる、回り道のようでも、町民の健康な生活を推進すれば、いいことがあるはずだという単純な考えです」と町の取り組みを語ってくれたのは、佐敷町役場健康課の高江洲順達課長。








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