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介護を頼むなら、長年一緒に活動してきた仲間がいい
 介護保険事業に参入してから1年半。長年の懸案であった財政の健全化を果たした同会では、次なるステップとして、自分たちの城づくりに向けて走り出した。
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健康の森にて
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会員さんと青空の下で散歩…
写真中央が佐々木さん
 「今の事務所は狭くて汚い上に、交通事情も良くない。もっと安全で広い場所に事務所を移そうと考えています。そして、その1階には託児所とデイホームを併設し、さらに2階部分には老人アパートを造り、複合福祉施設にしたいなと。これからいろいろな企業や事業所が福祉分野に参入してくるでしょうから、それに負けないだけの力を付けていくためには、今、少し無理をしてでも手を打っておく必要があると思うんです」
 この老人アパートには、もちろん佐々木さんも入居する予定だという。
 「今は息子夫婦と同居していますが、共稼ぎなので老後の世話は頼めない。ならば、長年一緒に活動してきたふれ愛の連中に、ゆくゆくはおむつを替えてもらいたいと思いましてね(笑)。だからこの施設は、私自身が最後まで住み慣れた地域で暮らすための場所づくりでもあるんです」
 元気なうちは助けを必要としている人たちのために活動し、そして助けが必要になったときには気兼ねをせずに堂々と助けてもらう。まさに、地域で支え合うという市民活動の原点ともいうべき姿を実現させようというのだ。これは第二の人生を助け合い活動に捧げてきた、佐々木さんの最後の夢でもある。
 「できれば喫茶店の運営も手がけ、ここを地域の人たちの憩いの場にしたいとも考えています。また当会では、障害者団体からの依頼で、長年障害者の生活訓練のお手伝いもしてきましたので、そうした方々にも利用してもらうなど、とにかくいろんな人がいろんな形でかかわれる開かれた場にしたいですね」
 すでに計画は着々と進み、資金も十分ではないが集まった。年内には着工予定だという。
 そのバイタリティーに溢れた取り組みに注目するとともに、市民団体でも力をつければここまで活動の幅を広げられるという良き事例として、ぜひ全国の同胞を勇気づけてほしいものである。
 
 愛知県東海市加木屋町に本拠地を置く「東海市在宅介護・家事援助の会「ふれ愛」」は、地域に助け合いとふれあいの輪を広め、共に生きる福祉の街づくりに参加することを目的として設立された非営利の市民互助団体で、その後N PO法人格も取得。主な活動内容は家事援助、子育て支援、移送サービス、託老生きがい活動、障害者(児)生活宿泊、訓練援助など。会員になるには年会費3000円が必要。サービスの利用料は1時間800円で、交通費は別途。サービスを提供した会員は、現金で640円を謝礼として受け取るか時間預託を選択する。介護保険サービスでは訪問介護、居宅介護支援、通所デイサービスも行っている。(→連絡先は最終頁)
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大勢での楽しい食事に会話もはずむ
(デイサービス)
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デイサービスでふれあいのひととき








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