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3.4 海の不思議?(マリンスノー、マリンスター、ブラックスモーカー)
3.4.1 マリンスノー(海の雪)
 暗い海中にライトを当てると、白っぽい雪のようなものが見えます。これがマリンスノー(海の雪)です。日本の研究者が、55年ほど前に名付けました。
 マリンスノーの形は、ボール、糸、しゃもじ、紙切れのように様々です。形の違う原因は、出来方が違うからです。マリンスノーは、生物の死骸を含んでいます。また、海水に溶けている物質が固まったり、小さな粒々がくっつき合ったりしてできます。
 マリンスノーは、普通、深くなるほど少なくなりますが、500mあたりに多数見られることもあります。マリンスノーの数は、1リットルの中に数百個から一個以下まで、場所によって変化します。マリンスノーは1日に数十mから数百mの速さで沈み、深海生物の餌となります。海の表層の物質は、マリンスノーとなって、海底に運ばれます。マリンスノーは、壊れやすくすぐ粉々になるので、特殊な照明装置を組み合せたカメラを使って、マリンスノーの大きさと密度が観測されています。
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マリンスノー
 
3.4.2 マリンスター(海の星)
 潜水調査船で潜ってゆくと、光はどんどん少なくなり暗くなります。水深4 00mあたりで真っ暗になります。沈んでいる潜水調査船の窓から海中を眺めると、キラキラ光るものが見えます。これがマリンスター(海の星)です。マリンスターは強い光によって輝きます。日本の潜水調査船を運航しているチームが名付けました。
 マリンスターの正体は、マリンスノー(海の雪)に付いている発光するバクテリアです。動いている潜水調査船が、まわりの水に浮かんでいるマリンスノーをかき乱したために、それに付いているバクテリアが驚いて発光したのです。
 発光するバクテリアは、海にはどこにでもいるバクテリアです。物理的あるいは化学的な刺激によって発光します。
 潜水調査船は強い光を出すストロボを持っています。これを前方に発光すると、ふだんは、窓のすぐ近くにあるほんの少しのマリンスターしか見られなかったのに、この時は遠くまで上下左右の一面が満天の星空のように見えます。
 
3.4.3 ブラックスモーカー
 アメリカの潜水調査船が、太平洋の海底に潜り、下から上に押し出されたような海底から熱水を噴き出している多くの煙突を見つけました。煙突は大きなもので直径数メートル、高さ20メートルにもなり、特に黒い煙を噴き出す煙突を“ブラックスモーカー”と呼んでいます。
海底にしみ込んだ海水は、海底下のマグマによって熱せられ高温の熱水となります。この時、熱水には多くの鉱物成分が溶け込みます。噴き出た熱水は、周囲の海水と化学反応をしたり、急激に冷やされることによって溶けていたものが海中に出てきます。海中に出てきたものは、海水よりも重いため落下しながら積み重なります。これが煙突(ブラックスモーカー)の正体です。
 日本でも、沖縄島の北側海底で、ブラックスモーカーが発見されています。
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ブラックスモーカー
 
3.5 海はきれい?(海洋汚染、海難事故、ビーチクリーン、バクテリア等)
 人間の手で海が汚されることが海洋汚染です。1994年に発効された国連海洋法条約で決められた海洋汚染の定義とは、「海の生物や人間の健康、漁業などの営みに官営なものを人間が、直接、または間接的に海に持ち込むこと」です。
 汚染には、ゴミや産業廃棄物の投棄、船の事故(海難事故)などによる石油の流出といった一過性のものと、工場や家庭からの排水、河川や大気からの農薬などの化学物質の流入といった慢性的なものとがあります。今、大きな問題となっているのは有機物による汚染です。その有機物は、私たち人間が出す生活排水に多量に含まれているのです。そのため、下水処理場はなくてはならない施設なのです。
 
4.きまり(国際ルールと国内ルール)
4.1 ふねのルールは?(航行一衝突予防、安全、設備)
 ふねのルールは世界共通で、右側通行が原則です。船が衝突しないように、いつでもどこの海でも、見張りが大切です。ブリッジと呼ばれる航海船橋やエンジンのある機関室、そして通信連絡のための無線室には、皆さんが寝ている間も、船を安全に進めるために、当番(当直)の人が働いています。夜になると、船首に向かって右側に緑色、左側に紅色、そしてマストと船尾には白色の航海灯という明かりをつけて、ほかの船とぶつからないようになっています。
 
4.2 ひとのルールは?(労働、安全、衛生)
 ふねで働く人々が、安全に仕事ができしかも衛生的に過ごせるように、いろいろなきまりがあります。例えば、床から2メートル以上の高いところで墜落の危険がある危険な作業をするときには、ヘルメット(安全帽)や安全ベルト(命綱)を身に付けなければなりません。また、飲み水(飲用水)については、タンクに飲み水以外を蓄えてはいけないことや、定期的に飲める水かどうかを検査するきまりがあります。
 
4.3 うみのルールは?(海洋汚染防止・海上災害防止)
 飲み残しのジュース(180ミリリットル=0.18リットル)を海に捨てると、魚が住めるようにするために300リットルの風呂おけ13杯分の水が必要になります。また、天ぷら油0.5リットルでは、実に330杯分が必要です。汚れた海に住んでいる魚を食べると、人間の健康をとても害することになるため、ゴミを海に捨ててはいけないという世界的なきまりがあります。いろいろな生命が宿る美しい地球を守るため、ひとりひとりの小さな努力の積み重ねが大切です。








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