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これからの看護記録・新しく変転するPOS
−診療情報開示とリスクマネジメントを視野にいれて−
 聖路加看護大学 岩井 郁子
 
 21世紀の医療は患者が主役であると強調されています。一方では、医療費高騰の中で医療費抑制政策がさらに強化される時代にあって、効果的・効率的なしかも医療水準を高めるために科学的根拠に基づいた医療の実行が求められています。
 これからの医療のキイワードは、マーケット(市場)、マネジメント(経営・管理)、モレキュラーバイオロジー(分子生物学・遺伝子治療)、マイクロチップ(半導体・最先端科学技術)、モラル(倫理)であると指摘されています。(黒川1999)
 このような時代の中で、看護に求められる課題も多様です。いかに患者主体の医療を推進するか、国民・患者が求める医療・看護を提供するか、さらに看護専門職者として「看護」を実証するかです。理念の時代から実証の時代を迎えていると言えるでしょう。
 時代が求める診療記録は「患者を中心」に医療従事者が共に記載できる記録が望ましいはずです。しかも、根底には、根拠に基づいた医療(evidence-based medicine,EBM、)看護の実行があり、その結果としての記録です。
図−1【オープンシステムとしての組織】
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診療情報の提供そして診療記録・看護記録の開示に際しては下記の3点を実行することが課題
1.看護業務基準(看護専門職者の責務 日本看護協会1995)
2.看護婦の倫理規定(日本看護協会1988)
3.看護記録の開示に関するガイドライン(日本看護協会2000)
 
協働・Collaborationの時代
 :患者・家族そして医療従事者との真のチーム医療・協働が求められている。








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