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相談員の1年間の感想
「被害者の・・・こころを受け止める」
 
 この一年をふりかえって、相談員の原点とは何かについて考えさせられる一本の電話があった。それはストーカー被害で裁判中の若い女性からの相談だった。「加害者の弁護士から示談の話があったがどうしたらいいか」というものだった。
 私はこの相談者には何らかの法的サポートが必要だろうと考え、弁護士会の犯罪被害者支援センターを紹介した。しかし、そのとき相談者が一瞬ではあるが躊躇したことが今でも気になっている。あのあと、相談者は弁護士会に相談しただろうか?
 最近の研究会で、「犯罪被害者が裁判のなかでどれほど傷つくものなのかということ。また、できることなら安易に裁判を勧めないほうがいい」という話を聞いた。
 今から考えると、あのときの相談者も同じような状況にあったのかもしれない。だとすれば、そのとき必要だったのは他の援助機関を紹介することではなく、どうしていいか判らず迷っている相談者の気持ちをしっかり受けとめることではなかったのか。
 われわれ電話相談員がすべきことは相談者の問題解決ではない。われわれができることは、思い悩む相談者の こころをそのまま受けとめ、相談者自身で解決していけるよう支えとなることではないだろうか。
(相談員M.Oさん)
研修を受けての感想
「電話相談できる犯罪被害者のサポート」
 
始めは、電話の音にかなり緊張しましたが、最近、少し落ちついて取り組めるようになってきました。余裕が出てくると、今度は自分の電話相談の内容が気になってきました。特に他の相談機関を紹介するだけで終わってしまう短い相談。電話をかけてこられた方は次の目標がはっきりするので、それなりに満足して感謝の意を示されますが 。「これでいいのかな?」「次の相談機関に相談して、本当に解決するのだろか?」「犯罪被害者のサポートって、こういうことだったの?」ちょうど混乱している時期だったので、M先生(講師)の実際のケースをもとにした研修では、自分の中であやふやだった電話相談員の役割が、はっきりしたので、とても気が楽になりました。電話相談においては、具体的にできることが限られてくるので、相談員は、困っている被害者に対して、無力感に陥ってしまう時があります。具体的に形にならなくても電話相談でできるサポートはいろいろあることを再確認でき、また相談に対する不安などもM先生や参加者と正直に共有できて「参加して良かった!」と思いました。
(相談員N.Kさん)


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 毎週月曜日 19時〜21時
 毎週土曜日 13時〜16時
 
 発行
 福岡犯罪被害者支援センター広報部
 2001.5








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