3 M.1371-1の各節と各種AIS局との対応表
各種のAIS装置が次のように定義され得る。
・船舶に搭載される等級A移動局−IMOの搭載要求を承認しているもの
・船舶に搭載される等級B移動局−IMOの搭載要求の対象外であるもの
・SAR航空機移動局
・航路標識局−移動体上及び陸上に設置されているもの
・基地局
・単一回線中継局
・二重回線中継局
この表は、等級B局・SAR局・航路標識局・基地局・中継局については、まさに究極の結果を表わしているとはなっていないかも知れない。しかし、1371-1との適合性に対する必要条件を満たすために要求されるであろうと思われる事項を、指摘する試みが行われているものである。不確実な部分は、疑問符で判別されている。
将来は、別の新しい種別のAIS装置が出現するであろう−例えば、等級A装置が、地域的用途(欧州の内陸水路など)のための派生的に使用される、または、船舶に搭載されている移動体用AIS装置のみから受信する、などが考えられる。これらは、本書では、明確な表現では含まれていない。しかし、これらの今後現れる種別のAIS装置は、ここに書かれている記述で最も良く適合しているものに従って、設計されるべきである。例えば、
・船舶に搭載される等級A移動体用AIS装置の地域用途版は、船舶に搭載される等級A移動体用AIS装置についての機能上の所要条件を満たしているべきである。
・受信専用の船舶に搭載される移動体用AIS装置は、船舶に搭載される等級Aまたは等級B移動体用AIS装置のどちらかに適用される勧告ITU-R M.1371-1の、受信についての機能性を満足していなければならない。
以下の表は、上記に示してあるAIS装置の各種別に関する勧告ITU-R M1371-1にある、全ての節/項について対応表を与えているものになろう。この表は、ある特定の節/項が、強制的に、勧告により、または、単に選択肢として、適用されるのかどうかについて、或いは、当該節/項はこの特定のAIS装置によっては全然使用されるべきではないのかどうかについて、概要を示している。
表の読み方は以下の通りである。
3.1 通則
表には、多数の脚注・注記があり、それらについては「備考(Remarks)」欄に説明されている。
疑問符が幾つか含まれており、節を適用するについては検討されなければならないことを示している。
項目欄に「@」が示してある場合は、当該項の機能に副項目も含まれている。
3.2 節または項
装置の種別毎に、適用の可能性を示す4個の小欄が設けてある。ここでは、「x」は当該節/項が適用できることを表わし、「−」は当該節/項が適用できないことを表わす。
4個の適用可能欄が持っている意味は次の通り。
C どのような構成においても強制的に適用する。
N 許されない。実施または使用或いは出力されてはならない。
R 勧告される。しかし、最低必要条件の一部ではない。
O 純粋に選択肢である。
例
(拡大画面: 23 KB)
この節は、等級Aについては強制的であり、等級Bについては認められず、SARについては選択肢である。等級Bについては、通報は2スロットに限定される。
3.3 通報について説明している節/項
A2、3.3.8.2.1......18に説明されている各々の通報は、以下の機能を持つことができる。
G 通報を作成し送信する。
R 通報を、受信し処理して、内部で使用する。
P 呈示インターフェイスから出力する。
T 受信後、中継局により送信する(反復)。
例
(拡大画面: 23 KB)
この通報は、明らかにその他によってではなく、等級Aシステムのみによって作成されることになろう。全てのシステムが、これを受信して呈示インターフェイスへ送り出すことになろう(中継局については選択肢になる)。等級A及び等級Bは、これを反復しないが、中継局は反復することになる。
要約
X 適用できる。 |
C どのような構成においても強制的に適用する。 |
G 作成し送信する。 |
− 適用できない。 |
N 許されない。実施または使用または出力されてはならない。 |
R 受信し、処理して内部で使用する。 |
? 検討されるべきである。 |
R 勧告される。但し、最低必要条件の一部ではない。 |
P 呈示インターフェイスから出力する。 |
@ 副項目を含んでいる項の表示記号 |
O 純粋に選択肢である。 |
T 受信後、中継局により送信する(反復)。 |
記事:「移動体(mobile)」及び「固定体(fixed)」は、VDLに関連している機能性として呼称されている。VDL上で「移動」局のような動きをする局は、固定されている可能性があり、その逆もあり得る。