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資料3 AIS 10/5/2
IALA AIS委員会技術作業班
2001年9月18日
勧告ITU・R M.1371・1の技術的観点における明確化に関する勧告案
 当理事会は、

 航行の安全、海上交通の効率化、環境の保全に関する当理事会の役割に留意し、

 ITU・R M.1371が「「AISの設計においては、IALAにより維持され発表されている技術ガイドラインを考慮すべきである」という第4項を勧告している」ことに留意し、

 また、船舶に搭載される汎用自動船舶識別システム(AIS)の運用基準に関する国際海事機関の勧告(MSC.74(69))、海上移動体用VHF帯で時分割多重アクセスを使用する船舶に搭載される汎用自動船舶識別システム(AIS)に関する技術特性についてのITU(国際電気通信連合)の勧告(ITU・R M.1371・1)、IEC(国際電気標準会議)標準61993第2部「汎用自動船舶識別システム(AIS)の運用上及び動作上の必要条件・試験方法・必要な試験結果」に留意し、

 更に、
 .1 AIS委員会の作業計画、特に第2項「ITU・R M.1371についてのIALA勧告の作成」、
 .2 AISの船舶上での用法に関するIMOのガイドライン、
 .3 自動船舶識別システム(AIS)に関するIALAのガイドライン、
 
 に留意して、AIS委員会により行われた提案を考慮するに至ったものであり、

 本勧告の付属書にある勧告ITU・R M.1371・1の技術的観点における明確化を採択して、

 以下の事項を勧告する。

 .1 AIS業務を実施している、もしくは実施を意図している国家会員及びその他の該当機関並びに産業会員は、本付属書に述べてある手引きを使用すること。
 .2 本付属書に述べてある手引きが、IALA会員へ周知されること。


付属書
案 勧告ITU-R M.1371-1の技術的観点における明確化に関するIALA勧告
 (IALA勧告A 2001年12月○○日)
1 序

 1.1 AISの目的は、海上における航行の安全と効率、海上における生命の安全、海洋環境の保護、を向上させることにある。
 1.2 船舶に装備された自動報告装置は、航行の安全性を著しく増加させる可能性を持っており、海洋環境の管理と監視との能力を向上できるようにさせるであろうことは、これまで長い間実感されて来たことである。国際海事機関(IMO)は、国際電気通信連合(ITU)及び国際電気標準会議(IEC)と共に、この点に挑戦を行い、自動船舶識別システム(AIS)と呼ばれる新しい航行システムを開発した。
 1.3 勧告ITU-R M.1371は、海上移動体用VHF帯で時分割多重アクセスを使用する船舶に搭載される汎用自動船舶識別システムに関する技術特性について述べている文書である。どのような技術図書についても言えることであるが、概念については、解釈という行為を免れないものがある。本書は、それらの概念の幾つかについて、IALA AIS委員会が合意したところによる一連の明確化を呈示しているものである。
 1.4 図1(添付)は、IMO SOLAS第V章、船舶に搭載される汎用自動船舶識別システム(AIS)の運用基準に関するIMO勧告(MSC.74(69))、AISの船舶上での用法に関するIMOガイドライン、海上移動体用VHF帯で時分割多重アクセスを使用する船舶に搭載される汎用自動船舶識別システムに関する技術特性についてのITU勧告(ITU-R M.1371-1)、IEC標準61993第2部「汎用自動船舶識別システム(AIS)の運用上及び動作上の必要条件・試験方法・必要な試験結果」、自動船舶識別システム(AIS)に関するIALAガイドライン、に対する本書の関係を示しているものである。
 1.5 図1が示しているように、1.4項で言及されている各文書は、本書を含め、各々が、AIS全体との関連において、以下のように独特な焦点の当て方をしている。
 本書「ITU-1371-1の技術的観点における明確化に関する勧告」は、特に、AISの中のVHFデータ回線(VDL)を検討対象としている。本書は、ITU-R M.1371-1にある特定の技術項目の中には、その厳密に意図されている意味について解釈を必要としているものがあり得ると考えられる、という事実を認識している。この結果として、本書は、潜在的なメーカー及びシステムの整備者並びにシステムの利用者が、当該項目を基準化して適用するようになることが望まれる諸勧告を一まとめにして呈示している。これらの勧告を遵守することにより、VDLの生存能力及びいろんな供給元から入手される諸AIS装置間の相互運用能力が確保されることになるであろう。
 1.6 本書は、その独特な焦点は図1に概要が示されているが、各種の考えられるAIS局またはAIS装置の構成−これについては、ITU-R M.1371においては概括的な言い方でしか述べていない−におけるその他の特殊な技術上の詳細事項にも、幾つか触れている。これらの特殊な詳細事項は、本勧告の第2節に、「M.1371-1と各種AIS装置の機能上の必要条件との対応表」と題した表で示されている。この対応図解(mapping)処理において取り扱われているAIS装置/局は、次のものである。
 − 等級A船舶搭載移動局
 − 等級B船舶搭載移動局
 − SAR航空機移動局
 − 航路標識局、基地局
 − 基地局
 − 単一回線中継局
 − 二重回線中継局
 ITU-R M.1371全体が求めている必要条件をこれらの特別に識別されている各AIS装置へ対応させて図解したものは、メーカー・システムの整備者・システムの利用者に、分け隔てなく、それらの類似点及び重要な相違点と制約事項とについて、総合的に理解できるようにさせ、それによりこれらの最も効果的で適切な利用方法を確保させることになろう。
 1.7 1.4項で言及されているその他の文書の取り扱い範囲については、図1に示してある特定の境界線から読み取ることができる。
 1.8 ここに記載されている各文書は、全てが、独特な焦点の当て方をしており、特定の利用者の必要性に応えている。ではあるが、IALAは、更に、図1に示してある各サブシステムが持っている技術上及び運用上の諸事項全てを統合整理しているレベルの高い文書の必要性を認識していた。従って、IALAは、現時点においても、AISに関する総括的なIALAガイドラインの草稿を作成しつつある。このガイドラインは、図1にある各素子の全てを、文章で記述して、取り込むことになろう。
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