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添付物 1  AIS委員会
 寄託事項
2001年9月から2002年9月までのIALA AIS TWGへの寄託事項案
序章
 
 AISについて早急に必要とする主な作業は5つである。
 IALA理事会並びに事務局長は、会員に対する勧告という形式で、AIS地上局に関する国際標準が必要であることを了承されており、これには次の2つがある。
 a. 所管当局及びVTSで使用される運用面
 b. AIS陸上局/航行援助局の技術的な解説
 
1. 本資料で第一の重要事項は上記b)項で、AIS陸上局の技術的な解説を作成することである。AIS陸上局は舶用移動局とは明らかに異なる。そのために、これらの陸上局の解説に必要とされる事項を特定する勧告が必要になる(「勧告ITU-R, M.1371-1の技術的解説についての勧告」と同様な)。
 
2. 本資料の第二の重要事項は航行援助局である。IALAエンジニアリング委員会は、その第15回委員会(ENG 15)で航行援助局に対する予備的必要条件を取りまとめて提示した。これに対しては、航行援助局についての解説及び必要条件を特定する勧告が必要になる(「勧告ITU-R, M.1371-1の技術的解説についての勧告」と同様な)。
 
3. 本資料第三の重要事項はクラスB舶用移動局(IMOのAIS設置の義務を強制されない船舶、例えばレジャーボーなどに搭載するもの)についての技術的解説である。舶用移動AIS局についての作業はその殆どが、適当なIECワーキンググループで行われることになっているが、その作業状況を見守ることはIALA会員、特にVTSにとって運用面及び技術面の両面から深い関心があるところである。
 
4. 本資料第四の重要事項はAISについての“暫定”IALA指針に対する今後の作業である。 2001年12月の(仮)指針は、この文書が初めて公表されたものである。上記作業の進捗状況によって、この文書は、特に技術的観点から、改訂する必要がある。この外に、この文書には未完成の箇所も何箇所かある。
 
5. 本資料第五の重要事項は、勧告ITU-R M.1371-1に対する技術面の解説についての資料を更に収集し、関心のあるそして何らかの影響を受ける製造業者及び監督官庁が入手できるようにすることで、ITU-R M.1371-1の要求として、或いはこの資料収集によって、又、AISの全世界的導入が始まった結果からも明確化されることになる。この勧告ITU-R M.1371-1の技術的解説のためのIALA勧告は、将来予想される勧告IRU-R M.1371-1の改訂のための資料を作成するために利用される。
 
 AIS委員会はIALA理事会に対し、上記重要事項について、現AIS委員会の活動期間の最終回委員会から新たに設定されるAIS(又は新名称の)委員会の最初の会期(2002年秋)までの間に、提案しているIALA AIS Ad-hoc TWGへ寄託する事項(Terms of Reference)をここに提出する。
 要望並びにIALA会員にとっての利点
 IALA会員にとっての利点は、
 (1) AIS陸上局用の国際的に確立された標準機器
 (2) AIS航行援助局用の国際的に確立された標準機器
 (3) 会員及びIALA理事会からの要望によるIMO、ITU及びIEC資料提出の継続
 (4) 会員に対するAISについての現行の指針
 (5) この作業に参加することにより、IALA会員は自国のAIS基盤を確立するために必要なAIS仕様及び物品購入手配書を作成するのが容易になる。
 (6) IALAの全会員は、IALA会員の参加者全ての中から国際的な技術専門家のグループと連絡をとることが出来る
 ことである。
 
 要望としては、
 (1) 他のIALA文書との一貫性及び整合性を持たせるため、委員会事務局はこの作業に出来るかぎり参加するように、
 (2) IALA本部は、計画通りのAIS委員会の外に、会議施設を時々利用できるようにして頂きたい。
提案しているAIS Ad-hoc TWGの寄託事項
 IALA AIS TWGは次の事項を取り扱うものとする。
 
1. AIS基地局並びに中継局に関する将来の勧告案の作成
 
 この作業を第一優先とする。
 この文書には次の事項を含めるものとする。
 − 勧告ITU-R M.1371-1から引用したAIS基地局及び中継局の機能的な定義。
地域的な改修が加えられる可能性も考慮に入れる。
 − AISの基地局及び中継局とAIS VHFデータリンクとの相互運用を保証するために最低限必要な機能試験要領の作成
 − AIS陸上局の機能の定義(AISの基地局及び中継局に特有の、但しAISの陸上局及び中継局の適切な運用に欠かせない、外部装置で構成する)
 − AIS陸上局とAIS陸上通信網とを“プラグ差し込み接続”が出来るようにするためのインターフェースの機能の定義、例えばAIS陸上機器を世界の市場で購入するための技術的な仕様の作成
 − AIS陸上局の設計についての技術的な指導書(アンテナの形状、同一の送信機/アンテナを使ってのAIS/DSCの同時運用、VHFフィルターの問題、など)
 − AIS陸上局の技術的な運用のパラメーターの管理体系についての技術的指導書
 − それぞれがAIS通信網を運用している隣接する所管当局間の境界にあるAIS陸上局の調整をとるための技術的な指導書
 − このIALA AIS Ad-hoc技術委員会は、以下の条件のもとで、上記の各項の作成を行うものとする。
  ・ 基地局と中継局の合併した運用
  ・ 周波数チャンネルの管理
  ・ 指定モード指令の使用
  ・ データリンクの管理
  ・ 問い掛け
  ・ 第2次同期
  ・ DGNSSなどの支援業務
  ・ AIS陸上局のその他の機能性
 
 − 沿岸AISの有効範囲を計画する際の技術的指導、特に隠匿する局の問題、混同及びその結果のVDL負荷について考慮する。
 − AISの基地局と中継局の業務と違いとVDLの負荷との整合条件に関するAISの陸上施設配置の管理
 − 複数の基地局/複数の中継局からの環境についてのAISデータの前処理に関する設計例、これがVDLに影響を及ぼすからである。
 − 遠距離AISの問題
2. 航行援助AIS局についての将来のIALA勧告案の作成
 
 この文書には以下の事項を含めなければならない。
 − 勧告ITU-R M.1371-1から引用した航行援助AIS局の機能の定義並びに現在のIALA AIS指針案に記載されている運用上の必要条件。地域的な改修が加えられる可能性も考慮に入れる。
 − AIS航行援助局とAIS VHFデータリンクとの相互運用を保証するために最低限必要な機能試験要領の作成
 − 固定及び浮き標識上のAIS航行援助局の設計についての技術的な指導書
 − AIS航行援助局の技術的な運用のパラメーターの管理体系についての技術的指導書
 
3. AIS局から派生するクラスA/クラスBの技術的な定義/標準化の進展状況の監視、並びにIEC AISワーキンググループが行っている舶用移動AIS局の取り付けに関しIALA会員の立場から見た技術的指導書の作成
 
 将来作成するIALA AIS指針の最終版に盛り込む技術面から見た資料の収集。この結果として、及びIALA AIS TWGに寄せられた質問に対する回答となるようにする。
 配付の最終期日及び2001年9月から2002年秋までの会合計画案
 全ての資料は2002年秋のAIS委員会の最初の会合に提出しなければならない。AIS陸上局についての勧告案は2002年6月のIALA理事会に提出して原則的な承認を求めることとする。
 AIS委員会は、この作業計画はただ1回の会合では完了しないと考えている。したがって、IALA AIS Ad-hoc TWGは会合予定(添付物参照)を作成する。この会合は、他のIALA会合、例えばIALA会議やIALAシンポジューム、或いはIEC AISクラスB標準化会議などに続けて開催するようにし、参加者の旅行時間や出費を抑えるようにする。
 
 添付物
 IALA AIS Ad-hoc TWG及びIEC AISクラスBワーキンググループの会合日程。








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