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開催日、場所、出席国、議事日程
1.開催日 2001.10.22〜26
2.場所 IALA本部(フランス サンジェルマン・アンレイ)
3.出席国
 オーストラリア  カナダ  中国
 デンマーク  英国  フィンランド
 フランス  ドイツ  イタリア
 日本  オランダ  ノルウェー
 スコットランド  南アフリカ  香港
 スペインス  スウェーデン  アメリカ
4.議事日程
午前 午後
22 - 全体会議
23 WG1・WG2
24 WG3・WG4
25 WG4 WG1・3のまとめ
26 WG2・4のまとめ 全体会議
*WG1:固定及び浮体標識
 WG2:品質保証、認証及び訓練
 WG3:遠隔監視及びIALA刊行物の改定
 WG4:エネルギー源
会議概要
 次の文書が、IALA理事会の承認を求めて作成された。
 
・在来の航路標識における有効性目的に関するIALA勧告草案(運用委員会及びエンジニアリング委員会の共同提出)
・導線設計に関するIALA指針草案
 
・合成係留索に関するIALA指針草案
 
・航路標識に関連したトレーニングに関するIALA指針草案
 
・航路標識太陽電池装置に関するIALA指針草案
 
・バッテリーの推奨保守指令及び運用基準に関するIALA指針草案
 
・航路標識機器の信頼性に関する情報収集方法についての報告書
 
 コブレンツでのワークショップは成功を収め、作成された2つの指針が承認を求めてIALA理事会に送られている。また、ワークショップ参加者は、ドイツ連邦水路光達距離研究所(theGermanFederalWaterwaysLightRangeLaboratory)及びDr.Fisherランプ製造会社を来訪できた。
 
 政府間海洋学委員会(10C)のAarup博士によって全地球海面水位監視活動(GLOSS)に関する発表が行なわれ、サポート情報が委員会に提示された。
1.0 一般事項
 
1.1 第16回エンジニアリング委員会会議は、フランスSaint Germain-en-LayeのIALA本部において、James Collocott氏(南アフリカ)を議長、ReidarKjennbakken氏(ノルウェー)を副議長とし、2001年10月22日から26日までの間、開催された。書記はBruce Kelloway氏。会合の議題はENG 16/1/1に記載されている。
 
参加者リストはENG16ax1に記載されている。
関連文書はENG16ax2に記載されている。
各WGの議長は下記のとおりである。
 
 WG1の議長   A.wilkins氏
 WG2の議長   Roger Beauchesne氏
 WG3の議長   O.F.Eriksson氏
 WG4の議長   R.Kjennbakken氏
 
1.2 歓迎の意
 
 事務局長のTorsten Kruuse氏は、委員会参加者を歓迎するとともに、ここ4年間の労をねぎらった。氏は、2001年12月にIALA理事会に提示する今後の委員会構造についての提案の概観について述べた。5つの委員会と歴史的灯台パネルを統合して4つの委員会にすることが提案されている。また、エンジニアリング委員会への要求事項として環境問題を盛り込むことが提案されていることがノートされた。氏は、委員会に対し、認証の進捗状況についても報告した。
1.3 IALABAT/IALALITESワークショップ
 
 ドイツのコブレンツで2001年5月に開催されたワークシップ報告書が委員会に提出された(ENG16/2/18)。海上航路標識信号光の測光法に関する勧告が2001年6月にIALA理事会で承認され、また、低コストで効率の良い新しい光源の利用に関する指針草案が、2001年12月の会合で、承認を求めて理事会に提示される。
 
 ワークショップの際、ドイツ水路光達測定(the German Federal Waterways Light measuring)・AIS試験研究所、及びDr.Fisherランプ製造会社を見学した。
 この2箇所の見学により、会員は、他の主官庁で使用されている設備や手続きについて直接見識を深める機会を得た。会員の多くは、これまで光達距離測定所の訪問も含め、特に遠隔監視される実際のAISを見たことがなかった。Dr.Fisher工場では、航路標識に必要とされる焦点精度の高いランプの複雑な製造ついて深く認識することができた。
1.4 航路標識のセキュリティに関する検討
 
 最近のセキュリティ問題に関し、総合的な検討を行い、航路標識に関してリスク評価を再考しなければならないということで一致した。
1.5 考慮事項
 
 今後のエンジニアリング委員会に対する提案された配慮すべき事案について総合的な検討を行なった。
1.6 IOCによるプレゼンテーション
 
 国際海洋学委員会(IOC)のTorkild Aarup博士が海況についてのデータ情報に関する当該委員会作業について説明した。当該委員会が特に関心を持ったのは、平均海面測定に関する作業だった。Aarup博士は、平均海面情報評価にあたり、IOCとしてはIALA会員に、より精確な測定基準を使用してほしい旨を述べた。
 これについては、装置の交換によって最小コストで達成することができ、IOCはより精確な判断ができる。委員会は、この件に関し、ナブガイドに注記を盛り込むことで、この発案を支援することに同意した。
2.0 提出文書
 
 第26回IALA理事会会議報告書について述べられ、本会議では、認証に関するいかなる業務も要請されていない点がノートされた。
 その他の全提出文書がENG16ax2に挙げられている。これらは、考慮するため、各WGに割り当てられた。
3.0 WG1固定標識及び浮体標識
3.1 現在の実施状況に関する報告書の更新を目的とした、航路標識システムの設計および管理の簡素化に有効なコンピュータの方法と適用について検討
 
 ENG15で作成した質問表に対し入手した回答はごくわずかであったが、質問表のコンピュータバージョンにウィルスが含まれていると付記した回答があった。
 これが、回答の少ない理由であるかもしれない。
 
 これは2002年-2006年の作業項目提案であるため、入手した回答が役立つかどうか、あるいは、当該質問表を再度配布しなければならないかどうかについて、IALA総会後の最初の委員会会合で決定しなければならない。
 
 事務局は次の会合で、これを委員会に提示するよう要請されている。
3.2 光波標識の最新の開発状況、潜在的能力の評価及び現状の標識と比較した費用対効果についての調査
 
3.2.1 表面色
 
 この項目はEng15で終了した。
 
 表面色についての指針は、ルーズリーフとしてIALA会報(2001/3)に盛り込まれていることがノートされた。
 Dow Corning氏からの書簡(ENG16/2/12)では、信号色に関する詳細な技術情報を要請している。USCG及びAMSA会員は、1997年に作成された質問表に回答をするよう要請されている。これによって、委員会は2002年-2006年の作業期間中に、勧告されるIALAの色範囲に入る航路標識で使用するRALまたはその他の基準色リストを作成できる。表面色に関するCIE基準392-1983も関連情報を提供するものと思われる。
 
 事務局は、この件について作成された回答をDow Corning氏に送付するよう要請されている。
 
3.2.2 光達距離調整図
 
 この項目はEng15で終了した。
 
3.2.3 青色灯
 
 文書ENG16/2/5及び16/2/6でこの件に言及している。
 青色灯の使用に関して、委員会は、短距離標示にのみ使用するよう勧告している。長距離では、白くみえることがあるため、灯光が見える最大距離は、名目的光達距離よりも大幅に短い距離でなければならない。
 
 事務局は、本報告書と合わせて、委員会ウェブサイトに当該文書を掲示するよう要請されている。
 
 青色LEDが利用できるようになるにつれ、生成される青色灯は、望まれる光達距離において、正確に配置された非常に細いスペクトルとなる。
 
 委員会は、新規CIE基準S004/E-2001が、ちょうど公表されたところであり、光色に関する現行の1997年のIALA勧告を見直す必要があると述べた。これは、2002年-2006年作業プログラム案に盛り込まれている。
3.3 光達距離設計(導灯)の主要パラメータを設計する一般的IALAプログラムの実行可能性を評価し、もし実用的であればそのプログラムを制作
 
 導線設計プログラム(ENG16/2/9)草案がUSCG代表者により提示された。この分野で作業経験のある委員会会員が、詳細な設計事項について意見を述べており、また、係るプログラムを利用している。この文書の序文には注記が盛り込まれており、灯光と昼標板の相対的位置の調整に関し、前部昼標板の灯光位置は、光達距離における障害物とみなさなければならないかもしれない、と説明している。
 
 導線設計に関するIALA指針草案(ENG16/8/6)が作成された。
 
 事務局長は、承認を求めて、導線設計に関するIALA指針草案を理事会に提出するよう要請されている。
 
 この項目は現在終了している。
3.4 最新浮標塗装システムについて浮標のこれまでの発展も考慮しつつ報告
 
 この項目はENG15で終了した。
 
 理事会が、航路標識浮標塗装に関する指針草案を承認したことがノートされた。
 
 使用されている汚損防止システム及びチェーン係留具の延長検査期間がWGで検討された。
3.5 測定に関するIALA標準の作成を目的とした光達距離測定の実施状況について報告
 
 この項目はENG15で終了した。
 
 文書ENG16/2/3及び16/2/6でこの件に言及している。
 ダイアグラム(ENG16/2/4)は、大型回転光学系の測光法で得た測定最大光度の平均化におけるTalbot plateau法の効果を示している。
 
 委員会は、この件に関するCIEが行なった作業について触れ、次の作業期間中に、「測光法に関する勧告」を更新するため、CIEの閃光に関する作業を監視するよう勧告している。
 
 Schmidt Clausen教授が、新規閃光時間計算方法を導き出したこと、また、当該方法を、新規CIE委員会の閃光に関する作業と合わせて、IALAの「測光法E122に関する勧告」に盛り込むことを考慮しなければならないことがノートされている。この件については次の作業期間中に考慮しなければならない。事務局は、これを次の委員会会合で、会員に提示するよう要請されている。
 
 事務局は、勧告E122をCIE部門2の議長に送るよう要請されている。
 
 文書ENG16/2/3及び16/2/6でこの件に言及している。
 委員会は、「光度決定に関する勧告」(1977年)及び「実行光度の計算に関する勧告」(1980年)を、新規の「測光法に関する勧告」をサポートする最初の科学的成果として維持しなければならないと考えている。
 
 委員会は、ENG16/2/14が、光源として1つ以上のLED環を使用している無指向性灯ろうに水平光度差が存在する可能性があることついて実証している中国の文書を確認した。係るビーコンの実行光度を測定し、計算する方法は、新規の「測光法に関する勧告」に適切に記載されているが、ユーザーは、少数のLEDで構成された光源を持つ灯ろうでは、水平光度の大幅な差は不可避である点を認識しなければならない。
 
 事務局長は、これを、IALA技術アドバイザーであるKent氏に提示するよう要請されている。
3.6 導灯その他に対するレーザー技術の可能な利用、運用上の長所および短所に関するガイドラインを検討し作成
 
 これについては、コブレンツでのワークショップで検討しており、IALA会議で文書が提示されている。
 
3.6.1 合成係留索
 
 ラバーコード係留に関するオランダの文書と、合成係留索とを結びつけている「合成係留」草案(ENG16/2/21)が検討され、「合成係留索に関する指針」草案となった。
 
 事務局長は、承認を求めて、これを理事会に送るよう要請されている。
 
 この項目はENG15で終了した.
3.7 その他の項目
 
3.7.1 種々の灯台問題に関するエンジニア委員会の見解を求めている歴史的灯台パネル(PHL)の要請(ENG16/2/10)が考慮された。国家当局の多数の代表者が、当該要請で提起された点を網羅する手続について記載している。PHLへの回答は、ENG16/8/7で準備された。
 事務局は、次の会合でこれを情報提供書類とするよう要請されている。この意図は、次の作業期間中に適切な指針を編集することを目的として、IALA会員に関連手続及び基準のコピーを要請することである。
 
 また、事務局は、PHLに書簡(ENG16/8/7)を送付するよう要請されている。
 
3.7.2 ディーゼルエンジン
 ENG15で、灯台当局により使用されている特定のディーゼルエンジンが、将来的に古いタイプとなり取扱いがなくなる可能性があることが懸念された。但し、ENG16では、当分の間については、ディーゼルエンジン及びスペア部品はまだ有効であることが報告された。
 
 常設搭載されている携帯用のディーゼルエンジンの現行使用についても検討された。
 
3.7.3 小型LED光
 フィンランド代表者は、2マイルの距離で視認可能な最小閃光距離を確定するにあたり、浮標灯を使用した視認実験について述べた。最初の実装試験では、閃光する色付きLEDが、閃光するフィラメントランプの場合よりも大幅に小さい閃光範囲で視認可能であることが示唆されている。
 
 フィンランド代表者は、LED分弧光システムの設計及び試験の第1段階についても述べた。当該会員は、次の6ヶ月でこのシステムが構築され、試験が行なわれるよう望んでいる。このプロジェクトには、交互に異なる色のLEDを閃光させて、分弧境界を識別するというユニークなコンセプトが盛り込まれている。
4.0 WG2-航路標識の価値、機器品質保証、実施、認定及びトレーニング
4.1 航路標識設備機器及びシステムの購入、保守、修理のための品質保証方法および検査手順の検討を継続
 
 ENG15の際、スウェーデン会員は、耐UVポリカーボネート浮標キュポラの衝撃テストについて述べた興味ある文書を提出し、コンポーネントの機械的性能テストの実践方法について説明した。ENG16で、スウェーデン会員はIALA事務局に本文書の電子コピーを提供した。
 
 事務局は、IALAウェブサイトの「有益情報」のヘッディングのもとにこれを掲示するよう要請されている。
 
 日本会員は、日本で採用された装置の主要な仕様及びテストデータを提供するインターネットサイトを開設する予定であることを委員会に報告した(ENG16inf6)。ウェブサイトアドレスはhttp://www.jana.or.jpである。
 
 事務局はこのサイトをIALAウェブサイトにリンクするよう要請されている。
 
 委員会会員は、仕様書を継続して提供し、入手可能とするよう要請されている。
4.2 先に合意を得た勧告事項を考慮して、航路標識設備機器の信頼性に関する情報収集方法に関する報告書を作成(ENG10/2/15)
 
 前回の会議では、複数の委員会会員が、会員当局において航路標識機器の信頼性に関する速やかな情報収集に有効なシステムを有していないと述べた。但し、トリニティハウス灯台部及びオーストラリア海上安全庁では、ここ数年、係るシステムを運用中であることもノートされている。
 
 ENG14で、カナダ沿岸警備隊会員は、入手している保守情報管理システムに関する設計情報は、委員会にとって価値のあるものでありうると述べた。
 
 トリニティハウスシステムに関する情報(ENG14/2/17r1)が入手されているが、オーストラリア主管庁と連絡を取ったところ、オーストラリアのシステムに関するいかなる文書もすぐには入手できないことが明らかになった。ENG15までに、カナダ沿岸警備隊の設計情報に関するいかなる詳細事項も入手されなかった。
 
 ENG16の会合に向けて、できるだけ多くの情報を収集するにあたり、WGは、全会員に配布する質問表(ENG15/WG2/WP2)の起草を決定した。この質問表には、航路標識機器の信頼性に関する情報収集に使用される方法についての情報要請が盛り込まれる。
 
 ENG16で、入手した質問表に対する回答が報告書にまとめられた。(ENG16/8/10).
 
 事務局長は、説明目的でこの報告書をIALA理事会に送るよう要請されている。
 
 この項目は現在終了したものとみなされる。








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