日本財団 図書館


■我が国のエネルギー消費の石油依存度
 我が国は、そのエネルギー供給源の6割弱を石油製品(ガソリン、灯油、軽油、重油、ジェット燃料等の燃料油、LPG等)に依存しており、そのほとんどを輸入に頼っています。原油の輸入を国別に見ると、第1位は14年連続でアラブ首長国連邦で、中東地域への依存度が87%にもなっています。
 1999年度のエネルギー消費の石油依存度は61%で、第1次石油危機時の68%と比較して減少しています。各部門毎に見ると、産業部門及び民生部門においては石油依存度が減少していますが、運輸部門(自動車、鉄道、船舶、航空機)においては、1973年度とほぼ同じ割合で推移しています。
 
●原油の国別輸入割合(1998年度)
z1010_02.jpg
資料:エネルギー生産・需給統計年報
●部門別エネルギー消費の石油依存度
z1010_03.jpg
資料:総合エネルギー統計
コラム
・・・未利用エネルギの活用・・・
 
 交通機関の二酸化炭素やNOx等の排出を抑制するとともに、交通システム全体として環境負荷を少なくするために、今までは利用されなかったエネルギーを活用するための技術開発が進められています。
 例えば、波力を電力に変換する防波堤の開発や、廃熱の利用等による地域冷暖房システムの導入、太陽電池発電の空港ターミナルや駅ビル、航路標識への利用、港湾や海域における風力発電施設の導入等があげられます。
(a)環境にやさしい灯台
 海上保安庁では、灯台や灯浮標等約5,600基の航路標識を設置・管理していますが、海上、離島、岬、岩礁、浅瀬等に設置される航路標識は、その立地条件の特殊性から商用電源の利用が困難な場合もあり、商用電源に代わるエネルギーの確保が必要不可欠です。
 これらの航路標識の電源確保に際しては、風力、太陽光、波力といった自然エネルギーの利用拡大が図られており、現在、全基数の約43%にあたる約2,400基の灯台、灯浮標等の電源に自然エネルギーが利用されています。
z1011_01.jpg
(b)太陽光発電システム
 太陽光発電は、火力発電と異なり、二酸化炭素等の排出ガスを全く排出しないクリーンな発電方法として、その普及が期待されています。
 新東京国際空港においては、空港内3ヶ所に合計約120kWの発電能力を有する太陽電池パネルが設置され、空港内の照明等に利用されています。これは、空港における太陽光発電システムとしては日本最大です。
z1011_02.jpg
(c)新幹線京都駅太陽発電システム
 新幹線京都駅上りホーム屋根上約800m2という広大な面積に、太陽発電システムが設置されています。発電した電力は、京都駅新幹線ホーム全ての照明がまかなえる量に相当します。
z1011_03.jpg








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION