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第4章 環境物品の現状と課題
 環境物品とは、その製品の製造、使用、廃棄等による環境への負荷が、他の類似商品に比較し相対的に少ない商品をいう。自動車部品についてもエコタイヤ、エコオイルのように、環境性能に優れた商品として販売されているものもあり、また、エコ車検等の取組が行われている。こうした環境保全型の商品について現状を把握し、その効果や技術的根拠について調査を行い、課題についてまとめた。
1.環境物品の現状
 インターネットで部品・用品のメーカーや販売店のホームページを中心に検索し、点検・整備にとらわれず環境保全等との関連が考えられる部品・用品に関する情報を「表9 環境物品の例」として整理した。
表9 環境物品の例
分類 部品・用品 備考
1. 消耗品関連等 ・エコタイヤ 転がり抵抗を低減して燃費を向上させる。
・エコオイル 使用状況を考慮した低粘度のエンジンオイル。
・オイルフィルタ 分別収集や交換部品の焼却を可能にしたもの。
・エアクリーナ 消音性能、リサイクル性、廃棄性を考慮したもの。
・洗車用洗剤 環境にやさしいノンガス・天然植物原料・無リンタイプの商品。
2. リサイクル素材や天然素材を利用したもの ・エコタイヤ 原料の合成ゴムに20%の比率で天然ゴムを使用し、石油省資源に貢献するもの。
・再生タイヤ(更生タイヤ) トレッド部分だけを貼り直すリトレッドと溝の少なくなったタイヤに改めてグルーブを彫り直すリグルーブがある(トラック用タイヤのリトレッドに必要なゴムの量は、新品タイヤのわずか20〜30%程度で、省資源に大きな役割を果たす)。
・積み荷用パレット 再生可能な原料を使用し、資源の有効活用をねらったもの。
・環境配慮型バッテリー バッテリーの主要部材である“鉛”や“樹脂(ポリプロピレン)”に使用済電池から再生した部材を使用し、環境負荷を減らしたもの。
3. 自動車本体部品そのものに対するメーカー側の工夫 ・天然素材を利用したシートのクッション材や内装カーぺット  
・鉛フリー品の使用
4. エコドライブ関連 ・キー抜き腰紐
・蓄熱マット
・クールマット
・デジタルタコグラフ
その使い方や機能によって環境負荷を低減するもの
5. リサイクル工場で扱っている部品 ・自動車汎用部品
・外装部品
・足回り部品
・機能部品
・エンジン類
(カーステレオ、タイヤ、アルミホイール)
(バンパー、フェンダー、ドア、ランプ等)
(ストラット、ブレーキアッセンブリ等)
(ワイパーモーター、オルタネーター等)

 点検・整備に関連する視点からみると、「低転がり抵抗タイヤ」や「使用状況を考慮した低粘度エンジンオイル」は、低燃費化やエコドライブに寄与するものと考えられるが、現状では、効果や品質に関する客観的な情報が充分ではない。
2.環境物品の利用に関する課題
 上記のように、現状では効果や品質に関する客観的な情報が充分ではない背景としては、環境物品として定義するための性能基準が確立されていないことがあげられる。今後は、環境物品に関する性能基準の確立とともに、公的機関による認定の仕組みが必要である。
 これについては、国土交通省では、2003年度から始める「自動車ライフサイクル・アセスメント(LCA)制度」の検討において、自動車部品・用品の環境評価も加える意向であり、環境物品の公的な認証制度が確立された暁には、グリーン経営推進マニュアルに取り込むことが望ましい(関連資料(13)参照)。








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