4.3.2 柱状泥におけるダイオキシン類
1)分析結果
柱状泥のダイオキシン類分析結果を図−4.6に示す。ダイオキシン類は、全試料で0.97〜12.0pg−TEQ/g-dryの範囲であった。St.1、St.3、St.4、St.5については1層(0〜2cm)から3層(18〜20cm)または4層(28〜30cm)にかけて深くなるほどダイオキシン類が増加し、4層から6層(48〜50cm)にかけて減少する傾向がみられた。St.2では、1層で最大値をとり、深くなるほどダイオキシン類が減少する傾向がみられた。
堆積年代と鉛直分布についてみると、ダイオキシン類が比較的高濃度となるのは、St.2を除く調査地点で1970年代から1980年代、St.2では1990年代であった。
柱状泥のダイオキシン類の同族体比較を図−4.7に示す。比較の対象は、各調査地点の表層(0−2cm)、1970年代から1980年代の層及び1890年代から1930年代の層とした。
その結果、播磨灘の表層(0−2cm)のダイオキシン類では、地点によって同族体の組成に変化は見られなかった。コプラナPCBsの全体に占める割合は、約5%〜10%であった。
また、1970年代から1980年代の層のダイオキシン類では、St.4においてH7CDDs、H8CDDsが高くなっており、コプラナPCBsでは、St.1及びSt.2において構成比率が高くなっていた。コプラナPCBsの全体に占める割合は、約5%〜10%であった。
さらに1890年代から1930年代の層では、表層(0−2cm)、1970年代から1980年代の層に比べてPsCDDs、H6CDDsの構成比が高くなり、H7CDDsの構成比が低くなっていた。コプラナPCBsの全体に占める割合は、約5%以下であった。
注)毒性等量[1]は検出下限値未満のものについては、試料における検出下限値の1/2の値を用いて算出した。
図−4.6(1)柱状ダイオキシン類分析結果(毒性等量[1])
注)毒性等量[1]は検出下限値未満のものについては、試料における検出下限値の1/2の値を用いて算出した。
図−4.6(2) 柱状ダイオキシン類分析結果(毒性等量[1])
注)毒性等量[1]は検出下限値未満のものについては、試料における検出下限値の1/2の値を用いて算出した。
図−4.6(3) 柱状ダイオキシン類分析結果(毒性等量[1])