4.3 ダイオキシン類分析結果
4.3.1 表層泥におけるダイオキシン類
1) 分析結果
 表層泥のダイオキシン類分析結果を表−4.5及び図−4.2に示す。
毒性等量はPCDDs+PCDFsが2.6〜8.0pg−TEQ/g-dryであり、Co−PCBsが0.22〜0.92pg-TEQ/g-dryであり、ダイオキシン類では2.8〜9.0pg−TEQ/g-dryであった。ダイオキシン類濃度の値の低いSt.2(3.4pg-TEQ/g−dry)、St,7(2.8pg−TEQ/g-dry)、St.9(3.3pg−TEQ/g-dry)については、図−4.3に示す粒土組成から、粗砂+細砂がそれぞれ53%、45%、56%と砂分の高い地点であった。また、ダイオキシン類の濃度の値が高かったSt.1、St.3、St.6、St.8、St10は、シルト・粘土分の割合が97%以上を占めていた。
 播磨灘におけるダイオキシン類の水平分布は、沿岸域と灘中央部で高い傾向にあった。
 採泥方法の違いによる、底質中に含まれるダイオキシン類の分析結果について検討するために、St.3においてコアサンプラーによる採泥と併せて、エクマンバージ型採泥器による採泥を実施した。調査結果は、表−4.5に示すように、コアサンプラー(0-2cm層:8.0pg-TEQ/g-dry)と比較すると、エクマンバージ型採泥器(概0-10cm:9.2pg−TEQ/g−dry)で採泥した試料においてダイオキシン類が高くなっていたが、柱状泥の8-10cm層(9.1pg−TEQ/g−dry)とエクマンバージ型採泥器の採泥深度の関係から見ると妥当な値であった。
 表層泥のダイオキシン類の同族体比較を図−4.4に示す。それによると、ダイオキシン類の毒性等量に占める同族体の構成比は、地点によって組成に変化は見られなかった。
表−4.5(1) ダイオキシン類分析結果(表層泥 毒性等量[1])
単位:pg-TEQ/g-dry
| 地点名 | PCDDs+PCDFs | Co-PCBs | ダイオキシン類 | 
| St.1 | 7.9 | 0.89 | 8.8 | 
| St.2 | 3.1 | 0.29 | 3.4 | 
| St.3(コアサンプラー) | 7.5 | 0.47 | 8.0 | 
| St.3(エクマン・バージ) | 8.6 | 0.53 | 9.2 | 
| St.4 | 5.8 | 0.33 | 6.1 | 
| St.5 | 5.5 | 0.32 | 5.8 | 
| St.6 | 8.0 | 0.92 | 9.0 | 
| St.7 | 2.6 | 0.22 | 2.8 | 
| St.8 | 8.0 | 0.73 | 8.8 | 
| St.9 | 3.1 | 0.22 | 3.3 | 
| St.10 | 6.7 | 0.51 | 7.2 | 
 
注:1.毒性等量[1]は検出下限未満のものについては、試料における検出下限の1/2の値を用いて算出した。
 2.毒性等価係数はWHO−TEF(1998)を適用した。
 3.St3ではコアサンプラー及びエクマン・バージ型採泥器を用いて採泥を実施した。
表−4.5(2) ダイオキシン類分析結果(表層泥 毒性等量[2])
単位:pg-TEQ/g-dry
| 地点名 | PCDDs+PCDFs | Co-PCBs | ダイオキシン類 | 
| St.1 | 7.9 | 0.89 | 8.8 | 
| St.2 | 3.1 | 0.29 | 3.4 | 
| St.3(コアサンプラー) | 7.5 | 0.47 | 8.0 | 
| St.3(エクマン・バージ) | 8.6 | 0.53 | 9.2 | 
| St.4 | 5.8 | 0.33 | 6.1 | 
| St.5 | 5.5 | 0.32 | 5.8 | 
| St.6 | 8.0 | 0.92 | 9.0 | 
| St.7 | 2.6 | 0.22 | 2.8 | 
| St.8 | 8.0 | 0.73 | 8.8 | 
| St.9 | 3.1 | 0.22 | 3.3 | 
| St.10 | 6.7 | 0.51 | 7.2 | 
 
注:1.毒性等量[2]は定量下限未満のものについては、0(ゼロ)として算出した。
  2.毒性等価係数はWHO−TEF(1998)を適用した。
  3.St.3ではコアサンプラー及びエクマン・バージ型採泥器を用いて採泥を実施した。
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図−4.2 ダイオキシン類調査結果(表層泥)
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注)本調査結果は毒性等量[1](検出下限値未満のものについては、試料における検出下限の1/2の値を用いて算出)を示す。
図−4.3 ダイオキシン類と底質(粒度組成)の関係
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図−4.4 表層泥の同族体比較