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後書き
 3年間に渡って特殊救難隊のメンタルヘルスサポートを中心に、隊員の体力向上ならびに新潜水技法の応用について委員会活動を続けた。結果、隊員の現段階における資質の把握と安全に業務を遂行する上でのリラクゼーション法ならびに、より望ましい体力トレーニングの方法について一定の結論をみることができた。
 特救隊員は、保安庁へ入庁時点に抱いていた理想と希望が入隊によって、ほぼ叶えられ、全力で業務を遂行するタイプと少数ではあるが入隊したことによって自信を無くしてジレンマに陥るタイプに分かれるが、総体的には本人の能力の限界近くまで啓発されており、この使命感達成の為に精神面での葛藤を十分に処理できていない傾向が窺えられた。このような情勢分析から、緊張やストレスを解除する自己コントロールとしてのリラクゼーション・トレーニングを施行し、その効果はこのトレーニング終了後、約8ヶ月間はそれが持続することも判明した。
 本報告書はこの過程を記述することで、今後新たに入隊してくるであろう新人教育あるいは現隊員の1年1度のリフレッシュ・トレーニングを行うことが、特救隊の成果を高める上での有効な手段になり得るであろうと結論された。個々の問題点は各記述に譲るが、このような成果をマニュアル化することで、特救隊員のみならず全ての第一線で働く保安庁の各部隊の啓発に繋がるよう利用されることを期待する。
 また、新潜水技法としての混合ガス潜水やNitroxを利用して潜水に伴う疲労を減少させると共に大深度までの潜水業務を可能とするシステム潜水の基礎実験を行った。しかしまだ端緒についたばかりであり、本格的なシステム潜水の理解とその応用については次の機会を待ちたい。
事業協力団体覧
 社団法人日本船主協会
 社団法人大日本水産会
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 三井海上火災保険株式会社
 PADIジャパン
 株式会社NAUIエンタープライズ
 BSACアメニティータンク株式会社
 株式会社モビーディック
 神山産業株式会社
 東亜潜水機株式会社
 日本メディコ株式会社
 株式会社重松製作所
 日本海洋株式会社
 東京法令出版株式会社
 日本アクアラング株式会社
 山甚物産株式会社
 帝国繊維株式会社
 日本海洋石油資源開発株式会社新潟鉱業所
 アジア海洋株式会社
 株式会社救命
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