VIII.新潟岩船沖プラットフォーム混合潜水実施の伴う体験潜水
1.目的
システム潜水で行われるHeliox(ヘリオックス)混合ガスを用いた実用潜水の利用を体験するとともに、その可能性に関して検証した。
2.使用器材とガス
フルフェースマスク(図1)と船上からのガス送気システムによるHeliox(酸素:20%、残りヘリウム)混合ガスを用いていた。
図1 フルフェイスマスク
出典:O.V.S.カタログより3)
3.実施場所
新潟県村上市岩船沖の石油・ガス田プラットフォーム(ヘリコプターにより移動)で実施した(図2)。
図2 実施場所の新潟沖石油・ガス田
4.実施日及び対象者
期間は2001年8月2日午前9時〜午後6時(特救隊は8/1夕方P/Tに移動し待機)であり、羽田特殊救難基地特殊救難隊員の4人(FK30、AY33、OH28、AN26)であった。
5.測定者:
山見信夫(東京医科歯科大学助教授)
6.気象等
天候晴れ、微風、気温31℃、水温22.6℃、うねりなし、視程良好、水中視界10m
7.潜水のプロフィール
潜水は送気方式のフルフェイスマスクを装着し、水深36m(120ft)までの潜水を行い、その後の浮上は第一ステップの減圧を行い、以後の減圧は行わず、速やかに海面まで浮上し、船上に設置されている再圧チェンバーに入室し、酸素吸入による減圧を行うバンスダイブシステムの方式とした。対象者の実施内容は、本潜水システムの一部だけに参加した(図3)。
図3 36m(120ft)までの潜水後に船上減圧システムを利用
8.実施内容等
(1)他給気式潜水システムによる混合ガス(ヘリオックスガス)体験潜水1回の潜水:特救隊1名及びサポートダイバー1名
(2)セイコーパルスグラフによる心拍数の測定
(3)水深36mで写真撮影
(4)他給気式潜水のためダイブコンピュータによる測定は実施不可
特救隊員は、潜水実施後、航空機搭乗制限のため、プラットフォーム泊とした。