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3.海洋生物資源の保存及び管理に関する法律の改正
(1)はじめに
 資源管理法は、平成11年に、地方分権改革一括法と、中央省庁改革関違法によって、一定の改正を受けた。地方分権改革一括法では、資源管理法に基づく都道府県計画の策定等の事務が、都道府県の法定受託事務とされたことを踏まえた改正が中心であった。中央省庁改革関連法では、従前の中央漁業調整審議会の廃止に対応した法改正が中心であった。
 このように、平成11年の2度の法改正は、別の制度改革と連動したもっぱら立法技術的な改正といえるのであるが、平成13年の法改正は、水産基本法以下の水産関係法令の全般的見直しの一環として、資源管理法の仕組みにかなり大幅な修正をもたらすものとなった。その中心は、従来のTAC制度に加えて、新しくTAE制度が創設されたことにある。いずれにしても、このような資源管理法改正の背景としては、日本周辺水域の水産資源状況の悪化を受けて、現状の行き過ぎた漁獲をコントロールする必要性があったと説明されている。
 TAE制度創設を考察する前に、今回の資源管理法改正では、TACの期間設定の変更と、(新)地方自治法14条2項に対応した制度改正も併せて行われている。まず、これら2点を先に見ておきたい。








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