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(2)ギニアの主張
 ギニアがサイガ号の拿捕および船長の有罪の根拠として援用したのは、法94/007CTRNである。これによると、無許可での燃料の輸入、輸送、貯蔵、販売が禁じられ(第1条)、ギニアの免許を持つ漁船の所有者および免許の保持者が違法に輸入された燃料を補給した場合は、1ないし3年の禁固、および購入した燃料の価額の2倍の罰金を科するものとされていた(第4条)。また、ギニア領域内に違法に燃料を持ち込んだ者は、6ヶ月ないし2年の禁固および輸送手段等の没収、密輸品の価額と同額ないし2倍の罰金を科するものとされていた(第6条)。関税法第34条では、海岸から250kmにおよぶ水域を関税圏とされていた。
 サイガ号の違反は、ギニア関税圏に軽油を不法に持ち込んだことにより、法94/007CTRN第1条に違反したことであるとされた。ギニアは、関税法第34条の規定によって、関税圏内での漁船への軽油の販売を規制、防止を行う権利を有すると主張した。(6)








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