1.セミナー概要
1.1 セミナータイトル
ハロン湾における海上安全管理に関するセミナーの開催
(Title:Seminar on the Maritime Safety Management in Halong)
1.2 日時
平成13年12月7日(金)9:00-16:00
1.3 場所
デウーホテル(ハノイ)
1.4 セミナー実施の背景と目的
カイラン港はユネスコ世界遺産に指定されているハロン湾の湾奥のバイチャイ湾に位置している。カイラン港はヴェトナム最初の大水深港湾として拡張整備され、2010年にはヴェトナム北部圏の海上輸送の約半分7百万−8百万トンの貨物量を担う計画である。
現在、カイラン港には1,000DWT対象の160mの岸壁が供用されており、週5-6隻の船舶が入出港している。将来は、年間1,000-1,500隻の船舶が入出港し、この海上交通量増大の負荷が、ハロン湾の環境および海上交通安全に与える影響は多大と考えられる。
ハロン湾とバイチャイ湾は地理的にバイチャイ−ホンガイ・フェリーが運航しているクアルック海峡でそれぞれの区域が分かれており、さらに、カイラン港への進入航路はハロン湾世界遺産指定区域内を経由し、クアルック海峡よりバイチャイ湾内の航路に繋がっている。このため、カイラン港拡張整備が完了した際には、ハロン湾へ何らかのインパクトが心配される。
バイチャイ湾には、カイラン港の後背地に工場団地が点在し今後増える傾向にある。ハロン湾は観光と漁民の漁業が盛んであり、これらの活動とカイラン港へ入出する船舶との輻輳による海上交通安全確保および海水汚染の問題が懸念される。さらに、ハロン湾全域(西側のカトバ島から北東側カンファー)には中小の石炭積出港、漁港や大規模なホーネットフローティングポートが稼動しており、これら航路は網目状にカイラン航路沖合で輻輳している。
このような背景から、ハロン湾の環境保全と海上安全対策の現状についての調査を行い、必要かつ適切な改善対策についての提言を行うことにより、日越両国の関係者が共通の認識を得るとともに、これらの改善対策が促進されるように(社)海外運輸協力協会(JTCA)とヴィエトナム海運総局(VINAMARINE)が共同でセミナーを開催することとした。
これにより、ハロン湾の海洋環境の保全を図りつつ、同国における海運及び観光の振興を図ることを目的とする。
1.5準備調査
セミナー開催に先立ち、平成13年9月にハノイ、ハイフォンおよびハロンへ調査団を派遣し、関係者との打ち合わせ及び情報収集を行った。
(1)期間: |
平成13年9月9日から18日までの10日間(第1班) |
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9月9日から22日までの14日間(第2班) |
(2)調査団員: |
男竹 昭 |
(社)海外運輸協力協会 理事 |
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小島 宗隆 |
(社)海外運輸協力協会 開発部長 |
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大貫 輝雄 |
日本工営(株)港湾空港部長 |
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水谷 聖 |
日本工営(株)港湾空港部 |
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三木 和大 |
(株)ゼニライトブイ技師 |
・在ヴィエトナム日本大使館二等書記官 |
魚谷 憲 |
・JBICハノイ駐在員事務所所長 |
鈴木 博 |
・VINAMARINE派遣JICA専門家 |
土谷 康男 |
・TDSI派遣JICA専門家 |
大津 光孝 |
・VINAMARINE副総裁 |
Vuong Dinh Lam |
・クアンニン港湾局海上安全部部長 |
Ta Quang viet |
・VMS(海上保安庁)長官 |
Le Van Doi |
・DOSTE(クアンニン省科学技術環境部)局長 |
Vu Van Thanh |
・VISHIPEL(海上通信局)局長 |
Nguyen Van Phuong |
・クアンニン省ハロン湾管理部部長 |
Nguyen Van Tuan |
・ハイフォン港湾局局長代行 |
Hoang Giang |
・カイラン港Thiemプロジェクトマネージャー |
Toshihiro Kato |
・カイラン港港湾施設視察 |
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・VMSワークショップ視察 |
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・B-12石油ターミナル視察 |
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・カイラン航路踏査 |
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・港湾管理、安全対策、環境保全対策に関する越側担当者へのヒアリング
・航路運営上、既存および計画航路標識整備の情報収集
・海難事故の過去の事例調査と越側サイドの事故防止対策の情報収集