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保健婦・行政との連携
 保健婦さんは母子保健推進員のパートナーともいえ、健診や予防接種などの事業と家庭訪問を行っています。日頃から連携につとめ、心やすく相談をしましょう。関わっている親子、心配な親子の状況はいつからどのような状態なのかなど逐一伝えて相談に乗ってもらいましょう。児童相談所に通告する場合も、保健婦さんに協力してもらった方がよいでしょう。
 虐待は一機関やひとりで抱え込んでの対応には限界があり、地域で多くの機関がネットワークを組んで各機関がそれぞれの専門領域での援助を足し算で行うことによって、より有効な援助が可能となります。ネットワークの中で母子保健推進員は何ができるのか、また何ができないのかを伝えて、役割を明らかにしておきましょう。
 機関の役割をつぎに掲げます。
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児童相談所の役割
 
●虐待の通告受理
●調査と診断(家族像や社会心理の面から)
●処遇決定
●施設入所か在宅か
●施設入退所に伴う援助・入所中の援助
●在宅援助の統括
●関係機関へのスーパーバイズ
●地域システムの構築
 
保健所・保健センターの役割
 
●早期発見(特にネグレクト、乳児)
●在宅援助;家庭訪問による親の相談所
親子教室・健診・相談による育児指導・援助
●医療、児童相談所への確実な紹介
●ハイリスク児の発見と予防的援助(周産期から)
 
医療機関の役割
 
●発見と診断(受診時・健診時に主に症状から)
●治療(外傷・発育障害・行動情緒問題)
●入院による子どもの保護
●関係機関への紹介
(保健機関・児童相談所等)
●長期フォロー(成長、発達、情緒、健康状態)
●ハイリスク児の発見と予防
 
福祉事務所・福祉担当課の役割
 
●発見(虐待の通告、受理、福祉相談等)
●経済的援助
●ホームヘルパーの派遣
●育児負担軽減(保育所への入所)
●家庭児童相談室での育児相談など
 
保育所・幼稚園・(学校)の役割
 
●健康状態の観察と虐待の早期発見、通告
●代理育児による発育・発達の保障
●安心感・基礎的信頼感・自尊心の育成
●子どもの社会性の獲得
●親の育児負担軽減
●親への育児指導・ハイリスク児への予防的援助
 
乳児院・児童養護施設などの役割
 
●入所による子どもの保護(基本的生活・成長発達の保障)
●情緒的行動問題の修復
●親子関係の修復、退所準備
●退所後の援助機関への引継
●退所後の子どもへの継続相談
 
児童委員・母子保健推進員などの役割
 
●発見
●家族と子どもの状況把握
●親の相談者になるなど








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