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溶接学会第7回国際溶接シンポジウム(7WS)の報告
牛尾 誠夫*
Report on the Seventh International Symposium of Japan Welding Society
by USHIO Masao*
 
 *)溶接学会第7回国際シンポジウム実行委員長(大阪大学接合科学研究所)
 Conference Chairman of the Seventh International Symposium of Japan Welding Society(Joining and Welding Research Institute,Osaka University)
 この報告は,池内 建二(大阪大学),池本 喜和(NIRO),印南 哲(松下溶接システム),上山 智之(ダイヘン),大貫 仁(秋田県立大学),大森 明(大阪大学),沓名 宗春(名古屋大学),小溝 裕一(住友金属),才田 一幸(大阪大学),菅 泰雄(慶応大学),杉谷 祐司(ジャパンテクノメイト),田中 学(大阪大学),豊原 力(三菱重工),中田 一博(大阪大学),西川 清吾(安川電機),平田 好則(大阪大学),廣瀬 明夫(大阪大学),藤井 英俊(大阪大学),前川 仁(埼玉大学),松井 仁志(トヨタ自動車),松村 裕之(川重テクノサービス),南 二三吉(大阪大学),村川 英一(大阪大学),森本 朋和(神戸製鋼),山田 猛(川崎重工)(50音順)の各氏の協力を得て纏めた.
はじめに
 溶接学会第7回国際シンポジウム(7WS)は、本会創立75周年記念事業の一環として企画され、「溶接・接合の科学と技術における新しい展望」をテーマに,平成13年11月20日〜22日の3日間にわたり,神戸国際会議場で開催された.
 上記テーマは、IT技術の飛躍的な進歩,生産拠点のグローバル化,環境問題など製造業を取り巻く状況が大きく変化しつつあるなかで、世界各国の溶接・接合にかかわる研究者・技術者が一堂に会し,その科学と技術の現状を見定め,今後の研究開発と方向性を考えることを目的として設定された.プログラムでは,溶接・接合および生産技術の各専門領域に対して,34のテクニカルセッションを設けるとともに,特別セッションとして,開催地神戸にかかわる「地震に対する溶接の課題」,溶接の黎明期からその技術開発の担い手となってきた造船所が今後を展望する「造船およびメガフロートの溶接」,関西地区の中小企業を対象に最新の溶接・接合技術をわかりやすく解説する「溶接・接合技術の最近の進歩」を企画した.
 開会式では,恩沢溶接学会副会長(東京工業大学)の司会で,実行委員長牛尾から開会の辞として,本国際シンポジウムの趣旨を述べた.次いで,須清溶接学会会長(川崎重工)による歓迎の挨拶と基調講演「構造物製造における溶接適用技術の役割」が行われた.続いて、豊田75周年記念事業運営副委員長(大阪大学)の司会で,まず,英国溶接研究所(TWI)のドルビー博士(Dr.R.E.Dolby)による特別講演「Management Processes for Innovation in Joining Technology」が行われ、引き続いて,野本75周年記念事業運営委員長(東京大学)から本会75周年記念事業報告が行われた.
 開会式の後は,4会場に分かれてそれぞれのセッションが開かれた.本シンポジウムヘの参加者は総勢433名で,これまで本会が主催した国際シンポジウムのなかで最大のものとなった.また,外国からの参力者は,9月に起きた米国でのテロ事件の影響を受け,当初予定よりも若干減少したが50名(同伴者は除く)であった.参加国の内訳は日本以外に,ドイツ(14名),韓国(5名),中国(4名),アメリカ(3名),フィンランド(3名),スウェーデン(3名),オーストリア(2名),シンガポール(2名),オランダ(2名),ベトナム(2名),カナダ(2名),フランス(2名),イラン(1名),エジプト(1名),オーストラリア(1名),アルゼンチン(1名),イギリス(1名),セイシェル(1名)であった.発表論文数は230件で,2巻のプロシーディングスに収められ,論文の質・量とも過去最高の出来映えといえる.この経済不況下において,実行委員会発足当時は300名も集まるかどうか不安であったが,結果的には,これまでで最多の参加者数となった.
 初日(20日)の夕刻には学会長招待のレセプションが開催された.藤盛溶接学会副会長(清水建設)の司会の下,まず溶接学会を代表して須清会長の挨拶があり,次いで来賓として,開催地を代表して井戸兵庫県知事及び前野神戸市助役から,また関西産業界を代表して関西電力の佐藤副社長からそれぞれご挨拶があった.その後,ピアノ,マリンバによる器楽演奏が行われわれ,和やかな雰囲気を醸成した.井戸知事,前野助役,佐藤副社長, Dolby TWI Director,藤田日本溶接協会会長,須清会長,恩沢副会長,野本運営委員長,豊田運営副委員長,牛尾実行委員長の各氏による鏡割りの後,藤田溶接協会会長の音頭により宴に入った.外国からの大勢の参加者もあり,宴は大いに盛り上がり,交歓の目的が達せられたものと思われる.最後に実行委員長(牛尾)より全参加者へのお礼と本記念会議を成功に導いた実行委員への謝意を述べるとともに,開催地兵庫県,神戸市のますますの発展を祈念して,宴が閉じられた.
 各セッションの内容については以下に順次述べるが,最後のセッションに至るまで会場は活気にあふれ,本シンポジウムを成功裏に終了させることができた.これもひとえに実行委員各位の熱意と努力の結果であり,ここに実行委員の氏名を掲載して,各位に厚く御礼を申し上げる次第であります.
 藍田 勲(神戸製鋼),池内 建二(論文副委員長,阪大),池本 喜和(NIRO),印南 哲(松下溶接システム),上山 智之(ダイヘン),黄地 尚義(論文委員長,阪大),大貫 仁(秋田県立大学),大森 明(大阪大学),沓名 宗春(名古屋大学),小溝 裕一(住友金属),才田 一幸(大阪大学),菅 泰雄(慶応大学),杉谷 祐司(ジャパンテクノメイト),鈴木 正文(溶接学会事務局),曽根 祥光(日本鋼管工事),高野 元太(財務副委員長,三菱重工),田中 学(大阪大学),豊原 力(三菱重工),中田 一博(大阪大学),西川 清吾(安川電機),西本 和俊(総務委員長,阪大),平田 好則(幹事,阪大),廣瀬 明夫(大阪大学),藤井 英俊(大阪大学),松井 仁志(トヨタ自動車),松村 裕之(総務副委員長,川重テクノサービス),南 二三吉(大阪大学),村川 英一(大阪大学),山田 猛(川崎重工),山本 英幸(財務委員長,ダイヘン).(50音順,敬称略)
 この他,準備及び実行段階で,大阪大学大学院生産科学専攻ならびに接合科学研究所の教職員と多くの学生諸君にご協力を頂きました.また,会期中に催されたテクニカルツアーについては,(財)近畿高エネルギー加工技術研究所,三菱重工業(株),川崎重工業(株),(財)高輝度光科学研究センターの関係者に絶大なるご支援を頂きました.ここに併せて厚く御礼申し上げます.
 最後になりましたが,本シンポジウム開催にあたっては,日本財団,ポートピア81記念財団,中内力コンベンション振興財団ならびに兵庫県から多大のご援助を賜り開催が可能となりました.ここに深甚の謝意を表します.








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