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海上安全指導員の活躍に期侍
第六管区海上保安本部航行安全課
 
 海上安全指導員は、平成14年2月末現在、279名(安全パトロール艇219艇)が第六管区海上保安本部長の指定を受け、マリンレジャー活動の健全な発展のため、プレジャーボート関係者を対象に、安全運航に関して訪船指導、安全パトロール、安全講習会の実施等の活動が行われ、当管内プレジャーボートの安全確保に大きく貢献されています。
 因みに、平成13年におけるプレジャーボートの海難は219隻と平成12年に比べ47隻増加し、過去最多となっています。
 これは、夏場に晴天が続いたことにより、マリンレジャー活動が活発化したことや、モーターボートの保有隻数及び小型船舶操縦士免許の取得者数が増加傾向にあり、モーターボートで海に出る人が増加したことが大きな要因と考えられます。
 ヒヤリハットの法則では、「1件の重大事故が発生する背景に29件の軽傷事故と300件のヒヤリハットがある。」といわれています。平成13年の海難中、死亡事故は1隻1名のみですが、海難原因は人為的要因によるものが多く、重大海難は発生していないものの、死亡・行方不明を伴う重大海難発生の蓋然性が非常に高い状態であるといえます。このような環境下、海上安全指導員による各種活動は以前にも増して必要となっています。
 これからも、海上安全指導員を中心に、「ストップ・ザ・プレジャーボート海難」を目指してより一層の活動が大いに期待されるところです。
平成13年の船舶海難の発生状況(速報)
瀬戸内海・宇和海におけるプレジャーボート等の海難
過去最多の219隻
○ 船舶海難の概要【第1図、第2図参願】
 平成13年の海難船舶の隻数は499隻で前年に比べ63隻と大幅に増加した。
 船舶海難が大幅に増加した主たる原因は、プレジャーボート等(※)の海難が前年の172隻から219隻と47隻増加したことである。
※プレジャーボート等:モーターボート、ヨット、手漕ぎボート、水上オートバイ、遊漁船、和船型ボートをいう。
○ プレジャーボート等の海難の状況
(1) 用途別の状況【第3図参照】
 モーターボートが185隻(全体比約84%)と最も多く、前年と比較するとモーターボートが41隻増加し年々増加の傾向にある。
(2) 海難種類・原因別の状況
【第4図、第5図参照】
 衝突が52隻(全体比約24%)と最も多く、機関故障50隻(全体比約23%)バッテリーの過放電や燃料欠乏等による運航阻害等(その他)が44隻(全体比約20%)の順になっている。過去10年間の平均値との比較では、機関故障、バッテリーの過放電や燃料欠乏等による運航阻書等(その他)の増加が目立っており、日頃の点検・整備や出港前の点検がおろそかになっているものと考えられる。
 海難の原因としては、見張り不十分、操船不適切等の運航者の不注意といった人為的ミスによるものが全体の約7割を占めている。
(3) 月別の状況
 8月が52隻(全体比約24%)と最も多く、7月が34隻(全体比約16%)となっており、7、8月で全体の4割が発生している。
第2図 船舶海難の用途別隻数の推移
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第2図 船舶海難の用途別隻数の推移
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第3図 プレジャーボート等の用途別隻数の推移
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第4図 プレジャーボート等の海難種類別隻数の推移
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第5図 原因別の状況
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※ 人為的要因は、運航の過誤・機関取扱不良・積載不良・火気可燃物取扱不良をいう。








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