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吟剣詩舞だより
学校教育に吟剣詩舞を活かして 岐阜県総連が県教委に要望
 岐阜県吟剣詩舞道総連盟(久保田信風理事長)は去る十月一日、岐阜県庁に日比治男県教育長を訪ね、「吟詠剣詩舞を学校教育の場に積極的に取り入れて欲しい」と「要望書」を提出しました。
 
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写真は〔左から〕日比治男・県教育長、中島勝彦・県文化振興課長と、要望内容を説明する久保田信風・県総連理事長、栗本照閣・同事務局長、春日井龍凰・同前青少年指導部長
 
 要望書の趣旨は「最近、わが国青少年の志の低さや社会への参加姿勢、帰属意識のなさ、道徳心の欠如などは、基礎学力以前の問題と考えます。吟剣詩舞は古今の人生観や風物等の詩歌に親しみ、人間としての情操を高め、自己陶冶を目指す優れた伝統文化といえます。幸い岐阜県総連は県に登録している吟詠の師匠など多数を擁した団体です。青少年健全育成のため、学校教育の場で吟剣詩舞の心に触れる機会を、より多く設けて戴くよう要望します」というものです。
 日比教育長は、同席した中島勝彦県文化振興課長ともども趣旨に理解を示され、今後の教育に生かしたいと話されました。
 久保田信風・県総連理事長の話=学校教育改革論議にからんで、琴、三味線、尺八など邦楽を普及させる必要性が話題に上っても、中国二千年以上の歴史を伝える漢詩を伝達し、合わせて日本人の心をも伝える吟剣詩舞については理解が得られていない。まず学校の先生方にそのことを理解して戴くために、教師の研修会などで、吟剣詩舞を見聞してもらうなど、協力したいと思います。
千葉県吟剣詩舞道総連盟第五十回記念吟剣詩舞道大会
 昭和二十七年秋、修道流初代会長太田修道先生を初めとする五名の先生方のお力によって誕生した千葉県の連盟は、長い歴史を重ねて今年で五十周年を迎え、十月七日千葉県吟剣詩舞道総連盟創立五十回記念吟剣詩舞道大会が四街道文化センターにおいて盛大に開催されました。
 独吟、合吟、構成吟の発表と十三年度吟剣詩舞成績優秀者の吟と舞いの披露の後、五十周年の記念番組として千葉県総連の礎を築かれた先人の遺徳を偲ぶ「礎」と千葉県の生んだ偉人、伊能忠敬の足跡を描いた「星をもとめて」の二つの構成吟を上演し大会を盛り上げました。
 
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構成吟「星をもとめて」のフィナーレ
 
 「礎」では千葉県総連の歴史と先人の苦労が語られ、県総連の伝統の深さと内容について、より一層のご理解をいただけたものと思います。「星をもとめて」は二百五十五年前千葉県に生まれ、五十歳にして天文を学び、日本を初めて測量した伊能忠敬の足跡をたどりながら、吟と舞いで綴りました。伊能忠敬と伊能秀蔵に扮した会員の役者も熱演で構成吟を盛り上げました。二つの構成吟の上演は会員及び記念大会を見学に見えらたお客様に好評をいただき吟剣詩舞の素晴らしさを認識して頂けたものと思います。
 午後一時からの式典では、礎を築かれ故人となられた多くの先生方に対しての黙祷、太田修道理事長の五十周年を迎えての感動の挨拶の後、永年県総連にご苦労頂いた、白幡清香・丸本朝岑・石毛静風・安西湖征・板橋天真・杉浦光耀大久保?堂・太田愛子、以上八名の先生方に功労者感謝状が贈呈されました。千葉県教育委員会米田耕司様、千葉県文化振興財団遠山速水様のご祝辞を賜り、また神奈川県吟剣詩舞振興会副理事長矢沢凰慶先生のご臨席をいただきました。千葉県知事、財団法人日本吟剣詩舞振興会会長笹川鎮江先生の祝電が披露され盛会裡に終了しました。
 今年五十年の節目を越え、また来年度から一歩一歩地歩を固めてまいります。(千葉県吟剣詩舞道総連盟事務局・甕経風)
第四十三回記念大和流香隆吟詠発表大会開催
 時折り秋雨の降る十月八日(体育の日)、横浜市西区紅葉が丘の神奈川県立青少年センターに於て、第四十三回記念大和流香隆吟詠発表大会を開催しました。
 大会は午前九時三十分、横山香風大会副会長の開会の辞により開始され、国歌君が代斉唱、大和流香隆吟詠会会詩合吟があって、八組の合吟、本部員吟詠、会員の剣舞、詩舞、本年春季コンクール優勝者、秀範、宗範の吟詠が披露されました。
 昼食休憩後、立体構成華道吟「四君子を愛でる詩」が華やかに舞台を飾りました。
 午後一時からの式典は、宮崎香雪大会委員長の挨拶に始まり、次いで筒井香隆宗家が、九月十一日発生したニューヨーク、ワシントンでの米中枢同時テロ、さらにこの日早朝よりの米軍によるアフガニスタン爆撃により、世界が異常な事態になってしまったが、こういう時こそ、心を引締めて吟道に励まなければならない旨の挨拶をいたしました。
 
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式典で挨拶する筒井香隆宗家
 
 来賓祝辞に移り、冒頭、財団会長笹川鎮江先生より頂いたお祝い文をご披露いたしてから、財団顧問横山岳精先生の有益なご祝辞に続き、朝翠流宗家佐々木朝鵬先生、西形興信神奈川県総連理事長、衆議院議員、県市議会議員他の諸先生より、お心のこもったご祝辞を頂きました。次いで祝電をご披露し、式典を終了いたしました。
 続いて来賓の先生、神奈川県総連会長先生方のご範吟と、美事な剣詩舞のご演舞があって、会場を一層魅了いたしまして、最後に筒井宗家の富士山の吟に合わせて、全員で大合吟して終了いたしました。
 菅根香祥大会副委員長の閉会の辞、横浜市連理事長橘興貴先生の万歳三唱をもって、盛会裡に閉幕しました。(大会事務局)
言志堂節風会創立四十周年記念吟剣詩舞道大会「詩は志である」
 平成十三年十月十四日(日)標記の大会を、(財)日本吟剣詩舞振興会・公認福岡吟剣詩舞道総連盟・西日本新聞社などの後援により、石橋文化センター共同ホールで開催致しました。
 財団会長笹川鎮江先生よりお祝辞と祝電、舞台を飾るひときわ華やかな生花をいただき、かつ地元国会議員、県議会議員、久留米市長、財団顧問竹末岳陽先生、財団元老野田紫水先生、財団理事河野鶴洲先生、福岡県総連盟理事長豊島栄陽先生を初め百五十名余りの先生方のご臨席を賜りました。
 午前九時三十分開会宣言、会員吟詠、来賓吟詠と続き午前9の部の終わりは伴奏者に世界的尺八演奏家土井啓輔先生をお迎えして、記念構成吟「詩は志である」言志堂節風会の歩みです。河野天籟作「言志堂詩」で幕を開けました。
 言志堂は昭和十一年五月、肥後吟詠道場として発会。安達漢城先生より「言志堂」と命名した揮毫と創始者に「亮斎」の名前をいただき、精神修養・礼節・志気の高揚を信条とした由緒深い吟詠道場です。野口節風は昭和三十七年に佐々亮斎先生夫人きく先生より「言志堂」を、松口月城先生より「節風会」の名を戴きまして以来四十年、斯道の高揚と普及に専念努力してきました。
 言志堂ゆかりの佐々友房の「吉次峠の戦い」を終え、永淵楠風宗範と野口節風会長の平山流和歌朗詠、「なにとなく」(与謝野晶子作)「色にして」(北原白秋作)の秀歌です。そこに漂う淡い思慕の情と水郷柳川の閑寂な風情が情緒に満ちた流麗な調べで朗詠されました。
 
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式典で謝辞を述べる野口節風会長
 
 最後は会員一同の合吟により松口月城作「言志堂節風会会詩」で明日への躍進を高らかに謳い上げました。
 午後に記念式典を執り行い、古賀正浩大会名誉顧問、竹末岳陽財団顧問など多数のご来賓の方々のご挨拶と祝電が披露され、そして故佐々弘之堂主夫人佳衣子様より節風会長に「言志堂」の看板の授受がありました。
 節風会長は謝辞の中で、来年より第一線を退き、永淵楠風にバトンを渡しこれからは楽しい詩吟をやりたいと思っております、と述べられました。
 式典の後は土井啓輔先生の尺八演奏で始まりました。曲ごとに拍手が鳴りやまず、尺八の本物の音色に鳥肌が立つ思いでした。
 午後の部は来賓吟詠剣詩舞です。構成吟「四季」。そして独吟十八題です。各界派の宗家、会長師範、少壮吟士の先生方の詩吟です。記念大会を飾るのにふさわしい圧巻でした。会場は卓越した詩心、格調の高雅さと相俟って朗々と洗練された吟詠に陶然となり伝統的な吟剣詩舞の魅力に浸りました。
 午後三時二十五分、山口滄風師範が「感動と感涙にむせんだ意義ある大会でした」と謝辞を述べ閉会宣言。
 福永瀧霊財団理事の万歳三唱で、大会は盛況裡に無事幕を閉じました。(別府如風報)
全国朗吟文化協会第四十一回「吟と舞」秋の大会開催
 十月十四日(日)秋晴れの好日、東京九段会館ホールにて、財団法人日本吟剣詩舞振興会のご後援のもと、表題の大会が盛大に開催された。
 開始三十分前の朝礼は、先ず小倉契秀大会会長の挨拶。諸注意の後、アメリカの同時多発テロの犠牲者に対し、心より黙祷を捧げることより一日がスタートした。
 定刻の九時十五分開幕、大石晨煌大会副会長の開会宣言。続く国歌斉唱は渡辺北辰大会副会長、朗吟道合吟は小林瀞玉大会副委員長の先導で開始。
 早速、第一部合吟十六組、第二部は独吟、連吟あり、第三部は剣詩舞が華麗に披露され午前の部七十八番が終わる。
 十三時より、松岡萠洲大会副委員長の司会で式典開始。
 先立ち、去る六月二十八日ご逝去なされた当会に永年の功労者、浅間苔洲先生のご冥福を祈り黙祷が行なわれた。開式の辞は伊丹嘉雪大会副委員長、次いで矢作積峰大会委員長の挨拶。祝辞は当会最高顧問榊原静山先生より戦前の九段会館とまた当会との係わり等のお話、同じく当会最高顧問松永康路先生は専門的立場で健康に関する事など、両先生より大変に有意義なお話を伺った。
 次ぐ祝電披露では、岡村晨潮大会会長が、財団会長笹川鎮江先生の祝文を謹んで代読するや、場内は感激の大拍手。また、小幡神叡大会常任相談役の祝文も声高らかに読み上げられた。小倉契秀大会会長の謝辞は、財団のご後援、並びに財団会長笹川鎮江先生より賜ったご祝辞、祝電のお礼の言葉、併せ両最高顧問に対し深甚なる謝意を表明。また関係役員の労をねぎらい、多数会員の出席に感謝し、親和友愛をもとに吟剣詩舞のもたらす使命の為、皆で力を合わせ頑張っていこうとの挨拶であった。閉会の辞は前田國敞大会副会長により式典は終わる。
 
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式典で謝辞を述べる小倉契秀大会会長
 
 午後は、第四部七十九番より会長代行、副会長、顧問の吟詠、第五部は八十四番から第七部迄の八十五題は、独吟や剣詩舞等、熱吟熱演舞の舞台となった。以上出吟番号百六十八番をもってプログラムの総てを滞りなく時間内に終了した。
 閉会のことばに三浦瑞宝大会副会長が、来年の大会を約し閉じた。そして、八文字剛洲大会副委員長の気合いの入った万歳三唱で本大会が締めくくられた。
 
(事務局・三浦瑞宝)








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