吟剣詩舞だより
新しい試みが成功、充実した一日
第十二回岡山県青少年大会
”県総連主催”と位置づけ
八月十八日(土)、岡山県総合文化センターで、岡山県総連青少年部主催による、第十二回岡山県青少年大会を開催しました。
これまでは、午前中は県総連主催の幼少年大会として中学生まで、午後からは、高等学校芸術連盟主催の高校生の部の発表があるという形式でした。
これを今年からはまず、この行事は全面的に岡山県総連の主催行事なのだということをはっきりさせ、全理事が青少年の育成に意識的に取り組むようにしました。
次に、参加する年齢層を三十四歳まで引き上げました。これは、財団主催吟詠コンクールの青年の部に合わせたということもありますが、実はそれ以上に重要な意味を持っています。現在の幼年・小中学生は、邦楽に対して何の先入観も持っていません。「邦楽は暗い感じがするから敬遠する」というよりさらにやっかいな、全く無知な状態です。そういう彼らですから、誘えば割合に簡単に、詩吟や剣詩舞に近づいてきてくれます。ところが、それを親たちがブロックするのです。公文や英語塾やスイミングならいいけど、(勉強の何のたしにもならない)詩吟や剣詩舞はダメ・・・。こういう三十四歳ラインのヤングママたちの意識が変わらない限り、若い世代に広がるチャンスはありません。
さて、当日の様子ですが、一言で言うと、かつてない大成功でした。
毎年同じ岡山市総合文化センターというホールを使うのですが、たった二百八十二席をいまだかつて満杯にしたことがありませんでした。いくら主催者が口をすっぱくして「最後の高校生の演技まで見てください」といっても、自分の出演が終わると、子供たちはぞろぞろ帰ってしまうのです。最後は潮が引いたようにしょんぼり終わるというのが毎年のパターンでした。
今年は、県総連が一体となって呼びかけ、会場が、出演者の親、親戚、友人、指導者等で埋まりました。そして最後まで、満席の熱気は冷めませんでした。舞台で演技をしている子供たちにとっては、そのことこそが、今後とも「詩吟や剣詩舞を続けてがんばるぞ」という最大の励ましになったと思うのです。
舞台に設けられたホットラインで、笹川鎮江会長はじめ世界各国の応援者と会話する出演者 |
会場と笹川会長を電話でつなぐ
ハイライトは午後の企画番組「バトンタッチ」で、笹川鎮江会長に声の出演をお願いしたことです。「世界と日本と電話でライヴトーキング」の場面で、録音メッセージではなく、舞台から先生のお宅へ電話をかけ、生の声で小学生たちと会話し、励ましの言葉をいただいたのです。
笹川先生の美しい顔写真の映像が映し込まれると同時に、「本物の!」先生のお声が会場に流れ、小学二年生と三年生の剣詩舞と詩吟の代表の子どもがきちんと話をしている!会場は度肝を抜かれました。
続いて、アイルランドから日本の歴史と古典文化に造詣が深いローリーさん、日本・アメリカ・香港・台湾でラップ歌手や俳優として仕事をしているガッホンさん、シンガポールからキャリアウーマンのヴァレリーさんとアメリカ・デトロイトのエンジニア、エリックさんがそれぞれ話しました。今は、英語塾が花盛りなので、中学一年生でもおぼつかない英語で、ヴァレリーさん、エリックさんと話しました。
英語になると、多少(大いに?)もたもたしましたが、それは大きな問題ではないと思っています。大切なことは、自分達がおけいこしている詩吟や剣詩舞が、いつもは少人数でおけいこしているかもしれないけれど、決してひとりぼっちではないんだということ、日本中が見ているよ、世界中が応援しているよ、ということが実感として体験できたことがすばらしかったのです。
皆が主役ナレーター
また、この企画番組では、決まったナレーターを作らないで、全員の吟者が自分の吟が終わったら、次の吟者・舞手の紹介文を読み上げるようにしました。脚本そのものは県総連青少年部が作ったのですが、そのさい、いちいち子供たちへ電話をかけ、その文章を読む子どもの実感とそぐっているかどうか、そぐわなければどう変えたらよいか、取材しながら書きました。
おかげで、あまり実感に迫りすぎていたためか、ところどころで会場から、我が身につまされた苦笑・失笑・爆笑が起こりました。
更に意義深いことには、岡山県三曲協会の中学生や二十代の青年六名の友情出演をいただき、交流・共演することができました。参加の青少年にとってはきっと、世界が広がったことと思います。
主役の青少年たちは詩吟一つだけ、舞一つだけやればおしまい、というのではなく、一日中、あらゆる意味で主役となって表舞台にたち、自分の力でのりきる実体験をしてもらうことで、何かをやりきった達成感につなげてもらう、その試みは大いに成功したと思います。
「県総連全体で取り組もう」の合い言葉のもとに、今年は、詩吟の流会派の参加数は四から十一に、剣詩無は三から五に激増しました。年齢も二歳から三十四歳まで様々でした。企画番組の中の「しょうじょう寺のたぬきばやし」と「後夜佛法僧鳥を聞く」は二歳三歳の幼児と小学校低学年八名が吟と歌、五名が詩舞を担当しましたが、そのいじらしくもかわいらしい演技に、会場は涙と笑いでいっぱいでした。
来年は、更に楽しい大会になるよう、何か斬新な企画をまた考えようと思っています。
(河田臈泉記)
紘仙流・瑞祥流、夏季吟詠研修交流会を開催
去る八月十九日(日)仙台パレスへいあんにおいて、紘仙流祥誠会と瑞祥流瑞裕会の、夏季吟詠研修交流が行なわれた。
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奥村紘彩、金子瑞裕両会長を囲み、参加者全員で記念撮影
仙台開府四百年を祝い、奥村紘彩、金子瑞裕両会長の琵琶弾奏で始まり、吟道大学参加者の経過報告、ひきつづき模擬吟詠又、独吟、両会派合同吟詠、吟法対比吟詠等、盛りだくさんの内容の中に、とり舟体操指導が行なわれ、会場が一つになり和気藹々に盛り上がり、続いて東日本コンクール宮城県予選入賞者の模範吟詠が行なわれた。
(財)日本吟剣詩舞振興会会長笹川鎮江先生の祝文を奥村紘彩先生より朗唱披露されると、場内は感激の拍手となり、一段と華やかさを増した。
会場には県総連理事長、岡部渓秋先生や、瑞祥流吟詠会長、千葉瑞祥先生のご来場もあり錦上花を添えていただき、熱気の中にて終了した。
研修後の交流会では、地元太鼓連の応援や、吟詠クイズ、各テーブル毎の隠し芸等、時を忘れるほどの大盛会であった。結びにご支援ご協力を賜った皆々様に心より感謝申し上げ、斯道振興に更なる精進尽力し、一同意を新たにした。 (金子瑞裕記)
十一月NHK教育テレビ
吟詠放送
「吟詠・秋にうたう」
●放送予定十一月十七日(土)
午後一時四五分〜二時OO分
一、 |
和歌・ゆく秋の |
(佐々木信綱) |
〈吟〉笹川鎮江 |
二、 |
早に深川を発す |
(平野金華) |
〈吟〉笹川鎮江 |
三、 |
鹿児島客中の作 |
(亀井南冥) |
〈吟〉工藤龍堂 |
四、 |
秋思 |
(劉禹錫) |
〈吟〉和田彩楓 |
五、 |
墨水秋夕 |
(安積艮斎) |
〈吟〉吉村應洲
〈吟〉梶田鷹巌
〈吟〉前山紫峰 |
十一月NHKラジオ
FM吟詠放送
「邦楽のひととき」
●放送日時十一月十五日(木)
午前十一時○○分〜同三〇分
●再放送十一月十六日(金)
午前五時二五分〜同五五分
●吟題と出演者
一、 |
和歌・心あてに(凡河内躬恒) |
菊花(白居易) |
〈吟〉小林北鵬 |
二、 |
和歌・み吉野の(藤原雅経) |
重ねて楓橋に宿す(張継) |
〈吟〉渡辺桜虎 |
三、 |
山行(杜牧) |
山中諸生に示すその(五)(王守仁) |
〈吟〉伊藤契麗 |
四、 |
客中の作(李白) |
出塞行(王昌齢) |
〈吟〉大野壮洲 |
五、 |
秦淮に泊す(杜牧) |
雁を聞く(韋応物) |
〈吟〉中野吟紫 |
六、 |
一乗寺に遊ぶ(伊藤仁斎) |
|
〈吟〉臼井寛洲 |
財団法人 日本吟剣詩舞振興会関連行事予定表(12月)
日 |
時間 |
大会名 |
開催場所 |
責任者 |
2日(日) |
9時00分〜18時00分 |
平成13年度全国剣詩舞群舞コンクール東日本地区大会 |
笹川記念会館 |
東日本地区連協 |
2日(日) |
10時00分〜16時00分 |
平成13年度全国剣詩舞群舞コンクール中部地区大会 |
岡崎勤労福祉会館 |
中部地区連協 |
2日(日) |
9時30分〜17時00分 |
第30回全国少壮吟詠家審査コンクール中国地区大会 |
広島市東区民文化センター |
中国地区連協 |
2日(日) |
13時00分〜16時00分 |
平成13年度全国剣詩舞群舞コンクール四国地区大会 |
香川県牟礼町公民館 |
四国地区連協 |
2日(日) |
9時30分〜17時00分 |
吟道哲水流八洲吟詠会創立45周年記念 全国吟剣詩舞道大会 |
奈良県橿原文化会館 |
北川哲水 |
2日(日) |
9時00分〜19時00分 |
宝珠山流吟詠会 創立40周年記念吟剣詩舞道大会 |
福岡 オームタガーデンホテル2F |
多田隈 桜鳳 |
2日(日) |
9時30分〜17時00分 |
日本詩吟学院岳風会 白鳥吟詠会 創立35周年・認可20周年記念吟道大会 |
石川県立音楽堂・邦楽ホール |
山下岳 |
9日(日) |
9時00分〜17時00分 |
平成13年度全国剣詩舞群舞コンクール近畿地区大会 |
守口市民会館 |
近畿地区連協 |
9日(日) |
9時30分〜16時30分 |
第30回全国少壮吟詠家審査コンクール九州地区大会 |
大分市県農業会館 |
九州地区連協 |
9日(日) |
9時00分〜17時00分 |
関心流日本興道吟詩会
平成13年度 物故者追悼並びに全国選抜連合吟競吟大会 |
泉佐野市立文化会館
泉の森大ホール |
藤井芳州 |
16日(日) |
13時00分〜16時30分 |
青少年吟剣詩舞道育成基金協賛
第16回少壮吟士吟詠チャリティーリサイタル |
尼崎市総合文化センター |
箕輪緑崇 |
16日(日) |
11時00分〜16時00分 |
第6回鳥取県吟詠剣詩舞道祭 |
鳥取県民文化会館梨花ホール |
佐藤翔徳 |
伝統文化放送
「吟剣詩舞へのいざない」11月放送予定
(スカイパ一フェクトTV!325ch)
☆タイトル
「平成十三年度全国名流吟剣詩舞詩舞道大会・虹よりも彼方に[1]」「同[2]」「両英雄」
☆放送回数
11月中にそれぞれ6回再放送。
☆新規受信のお問い合せ
CSデジタル衛星放送スカイパーフェクTV!
「伝統文化放送」電話03−3544−1371へ。