明日への提言
笹川鎮江
満九十歳を迎えられた日野原重明先生のご活躍に脱帽
猛暑に続く台風一過、季節の変化に私のからだが追いつけず、不調を訴えましたら、主治医の日野原重明先生のお勧めで検査入院することになりました。
日野原先生は今年九月で満九十歳におなりです。お忙しい中、時間を作られては病室を見舞ってくださいます。先日は「運動のためには、こうして手足を高く上げながら歩くのが良いですよ」と、私の目の前で歩き方のご指導までしてくださいました。
亡くなった主人、笹川良一も、日野原先生と同じ年代には、元気で第一線におりました。その主人が私にランニングのポーズを見せて、一緒に走ろうと誘ってくれたことを思い出しています。
今年は、わが国が国連総会に提案して採択された「二〇〇一ボランティア国際年」にあたります。ボランティアといえば日野原先生が「ボランティアを生きる」−いのちの泉はつきることなく−(PHP発行)という本をお書きになり、先生の視野の広さとその時代感覚に敬服いたしておりました。その上、昨年秋からこの夏にかけて、レオ・バス力ーリア著の超ベストセラー童話絵本「葉っぱのフレディー いのちの旅」を、ご自身の企画、脚色、さらに作曲までされて音楽劇に仕立て上げ、成功させました。こうした超人的なご活躍には本当に脱帽というほかございません。
財団が主催いたします秋恒例の武道館大会、今年はボランティアと生命をテーマにした特別企画番組「生命の讃歌」をご披露いたす予定です。どうぞご期待いただきたいと存じます。
水六訓
一、あらゆる生物に生命力を与えるは水なり。
一、常に自己の進路を求めてやまざるは水なり。
一、如何なる障害をも克服する勇猛心と、よく方円の器に従う和合性とを兼ね備えるは水なり。
一、自から清く他の汚れを洗い清濁併せ容るの糧あるは水なり。
一、動力となり光となり、生産と生活に無限の奉仕を行い何等報いを求めざるは水なり。
一、大洋を充し、発しては蒸気となり、雲となり、雨となり、雪と変じ、霰と化してもその性を失わざるは水なり。
水を心とすることが平和と健康と長寿の妙薬であります。
笹川良一