明日への提言
笹川鎮江
「第十一回昭和天皇のご聖徳を伝えつぐ集い」で吟剣詩舞を披露
四月二十九日(日曜日・みどりの日)東京九段の九段会館大ホールで開催される財団法人昭和聖徳記念財団(桜内義雄会長)主催の昭和天皇ご生誕百年記念「第十一回昭和天皇のご聖徳を伝えつぐ集い」で、当財団の企画構成による「吟剣詩舞・昭和天皇を偲ぶ」と題した舞台をご披露することになりました。東日本地区の少壮吟士並びに剣詩舞道家の皆様のご出演による三十分ほどの構成番組です。始まりと終わりに昭和天皇御製を吟詠いたしますとともに、富嶽(乃木希典作)、時事偶感(杉浦重剛作)、天皇誕生日に憶う(本宮三渓作)、花を惜しむ(福沢諭吉作)などを吟詠と剣詩舞でご披露し、昭和天皇のご聖徳を偲ぶ内容となっています。
始まりの御製は、昭和三年の宮中・歌会始のご詠出で、御年二十八歳・お題「山色新」、昭和天皇が即位されて最初のお歌です。
山やまの 色はあらたに みゆれども
我まつりごと いかにあるらむ
終わりの御製は、これも昭和六十二年の宮中・歌会始のご詠出で、御年八十七歳・お題「木」、ご崩御の二年前のお歌です。
わが国の たちなほり来し 年年に
あけぼのすぎの 木はのびにけり
昭和天皇には一万首ちかいご詠出があったと承りますが、御製には、昭和天皇の澄明な御徳が流露する、まことに有難い極みでございます。
昨年の宮中・歌会始では、今上陛下がお父君を偲ばれるご詠出がございました。現天皇のお歌も父君の歌風をそのまま継がれた、すばらしい調べのお歌と拝聴いたしました。
天皇陛下のお歌、お題は「時」
大いなる 世界の動き 始まりぬ
父君のあと 継ぎし時しも
表紙説明
名詩の周辺 九段の桜
(本宮三香作)
九段・靖国神社
今年も東京・九段の靖国神社では桜が見事に咲き誇っています。靖国神社はいうまでもなく、明治維新前後に国事に倒れた人々をはじめ、日清戦争、日露戦争から第二次世界大戦に至る英霊を祭っており、明治二年に東京招魂社として創建されたのが、その始まりです。
明治十二年に靖国神社と社名を改め、年間、多くの参拝人を集めている東京の名所です。神社造営にあたって大村益次郎が社地を選定しましたが、参道には彼の銅像と日本一といわれる大鳥居が立っています。
靖国神社周辺は桜の名所としても有名で、神社境内はもちろん、北の丸公園、千鳥ヶ淵などもこの季節には桜見物の客で夜遅くまで賑わいます。
私たちの最大の行事、全国吟剣詩舞道大会の行われる日本武道館もすぐ近くにあるのはご存知の通りです。