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第4分科会 「がんばろう家族会」―家族会活動実践者のリレートーク―
その1
 
福島県精神障害者家族会連合会理事
いわき精神障害者家族会けやきの会会長
鈴木 義一
 
最近の報告
1 家族相談員講座と「家族会リーダーハンドブック2001」
 
2 精神保健福祉みちのくフォーラム2001のショック
 
3 「ばんだいのつどい」からのエンパワーメント
 
4 いわき市保健所の「家族講座」から
 
5 福島医大の脳バンクから
 
その2
 
宮城県塩竃市
しののめ会会長 阿部 啓子
 
1 私たちの住んでいる塩竃市について
 塩竃市は日本三景の松島、その松島湾の内陸に位置し、奥陸の国府多賀城への荷揚げ港として古くから栄えてきました。現在は年間600万トンの貨物を取り扱う商港として、また161億円の水揚げのある漁港として、松島観光の港を併せ持ち全国的にも重要港湾として位置づけられている都市です。
 人口約6万3千人、面積約18平方キロメートル、平成13年10月市制60周年を迎えました。
 
2 家族会の設立とその背景
 昭和51年10月長期入院者の家族を中心に保健所の医師・保健婦・市の保健婦などで相談と懇談の場を作り、翌年から年数回健康課の援助で家族の定期的な集まりを持つようになりました。
 61年3月家族懇談会を発展的に解散し、会の規約を整え、名称も「東雲会」(しののめ会)と決め、家族会としてスタートしました。今年15周年を迎えました。
 
3 作業所づくりへのかかわり
 家族会発足と同時に生活環境家り家族会が委託を受け、市の霊園の清掃事業(社会適応訓練事業)を健康課の指導援助のもとに開始
 平成2年保健センター内の一室で箱折り作業が始まり、交代で応援参加
 家族としてホッと出来る時間が持ちたい、また当事者にとっても出掛けられる場所としての作業所がほしいと、その切実な思いを平成4年2月、7月、平成5年2月、3月の4回にわたって市の精神福祉関係者、市議、民生委員を対象に共同作業所づくりを目指し、「精神障害者の社会復帰を考える懇談会」で懸命に訴えました。
 このような行動が実のって平成6年保健センターに隣接した民家を市が借り上げ、作業所「藻塩の里」が誕生しました。念願の作業所が有効に使えるようにと家族会がCO OPホットワーク基金から援助を受け、プレハブの別棟を増設しました。また建物内外の補修整備には交代でかかわり新しい作業所への夢を膨らませました。
 しかし、独立した作業所にはなったものの元々老朽化した建物なので、即改築の必要があり改築の請願を健康課の支援の下に繰り返し行い、6年越しにようやく13年3月現在の場所(保育所跡地)に移転することが出来ました。
 
4 当事者と家族の思いを知ってもらうために
 健康課と共催で平成7年には作業所創立1周年記念行事を行い、一般市民の参加で賑やかに祝いました。
 翌8年から毎年2回シンポジウムを開催し、当事者・家族・ボランティア・福祉関係者・作業所指導員等がシンポジストとして体験を通しての発表を行い、参加者の共感を得ています。また健康課で行うボランティア養成講座や講演会の開催には、参加協力して理解を深める努力をしています。
 
5 家族会活動について
 会員交流懇談会(年2回)、「しののめ会便り」の発行(年2回)、役員数を多くし毎年1回役員会を開き、報告・審議・情報交換を密にする。
 会員のお誘い活動(担当保健婦同行)、議員懇談、市県議会傍聴、先進地域への研修(年1回)、作業所運営委員会委員2名(年1回)、塩竃市ふくしのまちづくり特別部会委員、塩竃市社会福祉大会実行委員、担当保健婦の支援で市民の協力で集めた古布を介護用ふき取り布に切り分けて在宅臥床の方にお届けするなどの活動をしています。
 
6 これからの課題
 ◎ひとりぼっちで悩んでいる人たちを家族会にお誘いして連帯の輪を広げること
 
 ◎地域社会の中で安心して生涯が送れる制度づくり
 
 ◎社会の偏見に負けないための私たち自身の努力
 
その3
 
鶴岡・田川地域家族会親和会
会長 坂本 敬一
 
 山形県の城下町鶴岡市で、小規模作業所“やまびこ”、グループホーム“ピノキオ”を開設・運営している家族会“親和会”です。
 去る1998年9月に開所しました。
 現在通所者25名、ホームに居住者3名、お世話している指導員4名、通所者で社会復帰に最も近い位置にいる方2名を補助指導員として運営しています。
 作業内容は、紙グッズで袋類のヒモ通し作業が主で、その他新聞の帯封作業、印刷物の紙折り、製本。希望者へのワープロ指導等も行っている。二百円通所者負担で、昼食の施設内調理給食を実施、自らで通所困難な方を、専属のドライバー兼指導員により送迎実施をしている。社会復帰に役立つよう“文化施設”、議会傍聴、家族会間の交流、家族会全国・東北・県規模の“大会”へのメンバー、指導員の積極参加、復帰に役立つ多くの取り組みを行っている。メンバーの中から、“復帰”への意欲も出、県大会などで、その“想い”を発表、会場の喝采を得、県内施設から“講演”の依頼もあった(遠いので実現できなかったが)。
 悩みは、作業所が狭く(16名定員に対し25名)、また、指導員の低賃金(本人たちは何も言わないが)がある。現在の最重要課題として、狭隘の課題解決と内容の充実のため“法人化”に向けた取り組みを行っている。そのためもあり(法人化の条件として、一千万円以上の財産の取得が必要)、狭隘化打解と併せ、決断して二千万円で、136坪の敷地、総床面積45坪の2階建ての家屋を取得した。
 現在、三百万円を目標に募金活動を行っているが一ケ月余りで150万円が寄せられ、家族会挙げて意欲的取り組みを行っている。
 
その4
 
岩手県遠野市「りんどう会」会長
岩手県精神障害者家族会連合会副会長
松崎 ふみ子
 
はじめに
 娘が、20歳位からの発病で、親もヽうになっていた当時のことを、今振り返っております。精神障害者となった娘と共に生きる日々も16年となりました。あの頃生きることに勇気を持てない、辛い苦しさが永久に続くように思われましたが、家族会に入って学習する事によって得た知識で、娘のために今出来ることをやらなければと、声に出して社会に発信し続けて行こうと思います。
 
1.隠さない生き方
 
2.家族が元気に生きること
 
その5 「病院家族会の活性化を目指して」
 
秋田県精神障害者家族会連合会
副会長 藤原 慶吾
 
秋田県の精神障害者数及び家族会の状況(平成13年4月)
 
精神障害者数  11,581人  
通院者数  5,655人   
     
病院家族会数  10カ所   
     
病院家族会員  1,419人   
入院者数  4,313人  
地域家族会数  13カ所  
地域家族会員  526人  
 
病院家族会活動を実践してきて感じたこと
 しっかりした病院家族会活動が、今後の精神障害者保健福祉活動の原点になるのではないか。家族は当事者が入院中に活動の原点を学び、退院して各市町村に戻った時、他の家族と力を合わせて地域家族会活動を展開していける基礎を体験してほしい。
 
1.病院家族会の特徴
[1]会の運営には、病院側の理解と協力が必要
[2]会員の高齢化と希薄な参加意識
[3]地域社会とのつながりが少ない
[4]他の病院家族会運営に関心が薄い
 
2.これからの病院家族会活動
[1]病院(科)長宛の要望書の提出
[2]家族相談事業の実施
[3]病院家族会役員は地域家族会活動にも参加を
[4]地域生活支援センターの活動へ積極的に参加
 
3.秋県家連からの病院家族会支援
[1]行政機関に要望書を提出
[2]秋県家連に病院家族会長会議を発足
[3]通院家族会の設立及び未設置病院への働きかけ
[4]マスコミ対応の積極化
 
その6
 
青森県精神障害者家族会連合会
副会長 平山 庸子
 
 平成5年11月に成立した障害者基本法及び、平成7年7月から施行された「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」、さらには平成7年12月に策定された障害者プランなどにより、精神障害者に対する施策の方向は「入院中心の治療体制から地域におけるケア体制へ」と大きく変わり、保健医療とともに社会復帰・福祉施策の充実が求められている。
 青森県では、この間、福祉の充実に向けて努力をしてきた。その結果、平成13年1月から重度心身障害者医療費助成事業の適用、平成13年4月から県内全てのバス(民間5・公営2)の料金割引、さらには平成13年7月からJRを除く県内4者の鉄道料金の割引などが実現した。「障害者が住み慣れた地域で普通の生活ができる社会」というノーマライゼーションの理念のもとに三障害に共通した「障害者の明るいくらし促進事業」計画実現のため、私達関係団体はさらに、協力を深め市町村の精神保健の充実と発展に努めたいと念じている。
 
その7
 
砂川市立病院家族会 砂川ポプラ会
会長 竹下 信昭
 
ポプラ会の活動状況について
 
1.はじめに ― 自己紹介をかねて
 
2.実例的に行う活動
(1)組織の底辺を拡大するために
 
(2)医療にどんなことを期待するのか
 
(3)保護者と障害者の行末は
 
3.可能な地域生活とは
(1)環境作りはどうするのか
 
(2)保健所から福祉課へ
 








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