「ベデの最新モデルBD17」 和泉 久
昔からホームビルト機に興味を持っている方だったら、ご存じのジム・ベデが、新しいホームビルト機BD17ナゲットを開発、今年から本格的に販売を開始した。
昔話になるが、ベデが開発したBD―1は、後にアメリカン・ヤンキーの名前で量産された。また、BD―2は一九六九年に九千七百三十一マイルの小型機航続距離世界記録及び七十時間という単独飛行による航続時間世界記録を樹立している。また、BD―5は記録的な販売を記録したプッシャータイプのホームビルト機だ(日本でも購入したホームビルダーがいたが、組立及びフライトは難しかったようだ。また、ジェットエンジン搭載型BD―5Jは映画007にも登場)。
さて、BD17ナゲットは全金属製の低翼単発機で、脚は前輪式と尾輪式が選べる。胴体は、組立が容易なように厚さ半インチのハニカム・パネル八枚により構成されている。主翼はBD―1と同様に太いパイプ材が主桁となっていて金属製リブと外皮により構成している。この主翼は、全体的に小面積のように感じるが、ベデは高速性を重視するスポーツ機が好みのようで、どのモデルも比較的小振りな主翼に設計されている。
エンジンは四十〜七十馬力が装備できるが、キット販売されているタイプでは四サイクルの二気筒エンジンHKS−700(六十馬力)が選択されている。このエンジンは日本製で、重量は百十ポンドだ。なお、HK−700は現在、二十機種以上のウルトラライト機やホームビルト機に搭載されており、四サイクル・エンジンの高トルク、低燃費(一時間当たり約二・五〜三ガロン。BD17の燃料タンク容量は十六ガロンなので五時間程度飛行可能)、低振動性等が、従来の二サイクル・エンジンよりも優れている。
このBD17はホームビルト機ながら、簡単に組み立てられることを信条としている。そのため、難しいリベット打ちや信頼性を持たせるのが難しい接着剤の使用をほとんどなくし、部品を組み合わせていくだけで簡単に組み立てられるようになっている。例えば、胴体は前記のようにフラットなハニカム・パネル八枚を組み立てるだけなので、数時間で完成する。このため、BD17キットのパーツ数は、全部で百十個しかない。組立場所も、車が二台が入るガレージがあれば問題ない。
ベデ側では、BD17の販売業者側が組立スペースと工具等を用意した施設をホームビルダーに提供、専門の組立スタッフがステップ・バイ・ステップで組立を手伝うシステムも考えている。既にベデアメリカ・エアロスポーツ社が拠点としているニューメキシコ州ロスクルーズのアドベンチャー・アビエーション社が販売&組立支援サービスを行う。
なお、BD17のキット価格であるが、エンジンなしで一万八千四百三十五ドル(一ドル百二十円として約二百二十万円)、エンジン付きで二万七千七百五十ドル(約三百三十万円)となっている。一気に支払うのが心配な方には、五つのパッケージが用意されており、順々にパッケージを購入しながら組み立てる方法もある(エンジンも含めると千五百三十九ドルほど割高になる)。
なお、BD17は今年二月十一日に初飛行を行い、七月に開催されたEAA主催のオシコシ・エア・ベンチャー2001にも出展した。現在、試作二号機に続いて三号機、四号機の製造も開始する一方、最初に注文を出したホームビルダーへの引き渡しも始まろうとしている。また、二座席モデルについても、開発が検討され始めている。昔と比べると、日本でホームビルト機を組み立てる飛行機好きが少なくなったように思う。BD17のような簡単に組み立てられそうなホームビルト機があるのだから、あなたもトライしてみてはいかがだろうか。詳細については同社のホームページ
www.bd17.comまで、どうぞ。