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「HANGAR FLYING」
レーシングフォト・クラブ  永井 幸雄
 
 春先から妙に暑くなったり寒くなったり、おまけに雪までが降ったりしてくれたお陰で、予想と異なり、桜の花もかなりの長持ちをしてくれたために、なんと花見を5回もしてしまった。本当はもう一回増えていたはずだった。というのもその日は例の雪で、中止ということになってしまった。さらにその花見は、雪が降ったにもかかわらず、”晴れて”場外離着陸場から正式な飛行場となった「調布空港」で行うはずだったのだけれども…、ま、残念でしたということになってしまった。
 かなり旧式で能力の低い我が家の給湯器でも、このところシャワーを浴びるだけでも、「寒くない」ほどに暖かくなってきて、確実に季節の移り変わりが身体を通して、感じられます。
 話はさらに先月号で触れたリノ・エアレースに戻ります。ことしで37回目となるリノ・エアレースは、9月13〜16日までの4日間に渡って開催されるのだが、それに先立って6月21〜24日の4日間の日程で、エアレースヘの出場を目指している人々を対象に「パイロン・ルーキー・スクール」が開催される。今年で3回目となる催しだ。
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ノースアメリカンP−51Dマスタングに改造を施した有名なレーサー「ミス・アメリカ」。レーサーとなって40年以上も飛び続けている。
 エアレースヘの出場資格、所謂レース・ライセンスの取得は当然ながら、ライセンスがあるからといって、レースで飛び回れるというものではない。もちろん自分だけただ1機だけならば、問題はないが、リノでのレース、クローズドコースでのパイロン・レースでは、少なくとも同時に5機以上のレース機が同じコースを周回するため、周囲を無視したような独断的なフライトをするようなことがあっては、それこそ命がいくつあっても足りないことになってしまうので、レース経験の豊富なベテランたちによるクリニックやセミナー、そして当然レース・フライトの実践まで行われる。
 本来ならば、いかにしたら”速く飛べるか”の方法を伝授するのだろうが、まだまだそこまでの域には達していないようで、エマージェンシー時の対処に、相当の時間を費やして行われる。
 レース・ライセンス取得資格は、自家用ライセンス所持が最低必要は当然で、できれば2000時間程度のキャプテン・タイムがあればなおさら良いということで、10 0時間しかなければ、それでもOKだが、さらに出場予定クラスの機体でのキャプテン・タイムが最低10時間要求される。
 どなたか挑戦してみる気はありませんか?。まあ世間を吹き荒れている不景気風のため、その気はあっても資金がないというのが、悲しい現実だろうか。
 このパイロン・ルーキー・スクールはエアレース追っかけの僕たちにとっては、本チャンの9月を正月に例えるならば、お盆休みのようなもので、この何年かは、ほとんど一年に一度の楽しみだったのが、一年に二度楽しめるようになってきた。しかもエアレースの写真を撮る僕たちには、本チャンヘの手馴らしと、レース関係者との交流がさらに親密になり、本来ならば撮れないようなシチュエーションでの撮影が可能になったりするし、もちろん「横の連絡網」も充実し、まだ秘密のベールに隠された新型のレーサーの初飛行や完熟飛行に立ち会えたりなどがあったりもするから、これはもう外せないイベントになっている。
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エアショー・パイロットのデルマー・ベンジャミンが乗るジービー・レーサー、R−2。この機体は彼が友人と協力して図面から造り出したレプリカで、しかもあらゆるアクロバットをこなしてしまう。ジービー・レーサーの長時間に渡る背面飛行やテールスライドなど、思わずギョッとさせられる。








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