(4)動揺データ等処理手法の違いによる影響
前項で、動揺センサーでも種類により取得データが異なり、解析に影響する可能性があることかわかった。そこで、上記で用いたデータをそのままHYPACKMAXを用いて作成した等深線図と動揺データ等を考慮したものを作成した。
主な相違点を表24に示す。
表24. HYPACKMAXによる作図と動揺データ等を考慮したものの違い
項目 |
HYPACKMAX |
動揺データ等を考慮したもの |
動揺センサー |
TSS335B |
POS/MV |
表面音速補正 |
屈折の原理に基づく |
屈折の原理にRoll値を反映 |
レイテンシー |
海域ごと |
ビームごと |
Roll |
ピングごと |
ビームごと |
Pitch |
受信時 |
送信時を基準 |
Heave |
受信時 |
送信時、受信時を基準 |
これらに基づいてHYPACKMAXで作成した水深図を図58に動揺データ等を考慮した水深図を図59に示す。
動揺データ等を考慮して作成した水深図は南北測線をもとに作成している。これを見ると、まだ、東西方向に等深線が振動している。これは、上記で考慮したもの以外で、センサーのロール方向に対して発生する音響ドップラー効果の影響等が考えられる。
なお、動揺データ等を考慮した処理は、浅田委員の作成による。
これらのデータから3次元表現したものを図60及び図61に示す。
各種の処理がされたことによって、沈船の形状がより明確に把握できるようになった。
図58. HYPACK MAXによるデータ整理結果(間隔:20cm)
図59. 動揺データ等を考慮したデータ整理結果(間隔:20cm)
図60. HYPACK MAXによるデータ整理結果の3次元表現
図61. 動揺データ等を考慮したデータ整理結果の3次元表現