(5)深さ1000m毎に下方接続した重力異常データから観測水深の長波長成分上における重力異常値を補間した。(
図2-5の手順2-3)
線型補間重力値grav_intは、
grav_int = ((depth_obs - depth_u) * (grav_l - grav_u) / depth_step) + grav_u
である。各変数の説明を以下に示す。処理は主にC言語プログラムにより行った。
depth_org:船舶観測水深データの長波長成分
depth_u:1000mごとの層に区切った場合にdepth_orgが所属する層の上面の深さ
depth_l:1000mごとの層に区切った場合にdepth_orgが所属する層の下面の深さ
depth_step:層の厚さ(1000m)
grav_u:depth_uでの下方接続値
grav_l:depth_lでの下方接続値
モデル海域(G1405)での結果を図2-28に示す。
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図2-28 衛星観測重力異常バンドパス+下方接続 長波長海底面上での補間
上記A及びBで作成した水深及び重力の1分×1分格子点データから各Nettleton格子点(0.5度×0.5度)毎に探索半径55.0km内のデータを抽出し、伝達関数S=σ_h/σ_gを計算した。ここでσはそれぞれ観測水深バンドパス波長成分、重力異常バンドパス波長成分の標準偏差である。(注:Smith and Sandwell(1994)では2,5度×1.25度、探索半径は135km。また、Smith&Sandwell(1994)ではデータ数が少なく正規分布とみなせないことを考慮してσは標準偏差の代わりに重み付き中央値の絶対値を用いた。)処理は主にC言語プログラムで行った。
次に、得られたNettleton格子点でのSの値をGMTのsurfaceコマンドにより領域全体の1分×1分格子点へ(tension=0で)補間した。
注:
Smith&Sandwell(1994)の手法に従い、
・水深と重力の相関はノンパラメトリック統計処理とみなし、ケンドールの順位相関係数τを導入した。
・ヌル仮説の棄却信頼度を計算し、95%の信頼度で相関があると判断された点でのみSを計算した。
モデル海域(G1405)での結果を図2-29に示す。
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図2-29 伝達関数S(G1405)
Smith & Sandwell(1994)の式(1)に従い、予測水深データを算出した。すなわち、
b_p(x) = d(x) + S(x) g(x)
ただし、
b_p(x):予測水深、d(x):観測水深の長波長成分、S(x):伝達関数、
g(x):バンドパスフィルター処理後、下方接続で海底面に投影した重力異常。
処理は主にC言語プログラムにより行った。モデル海域(G1405)での結果を図2-30に示す。
図2-30 予測水深(G1405)