(4)底泥の物理特性と生育特性の関係
[1]地盤硬度
地盤硬度として、各コドラートのコーン貫入抵抗(表層10cm値)とヨシ茎個体数密度との関係を図4.2.7に、また貫入抵抗100kN/m2幅ごとのヨシ存在コドラート数の出現頻度を図4.2.8に示す。
図4.2.7 地盤硬度とヨシ茎個体数密度の関係
図4.2.8 地盤硬度別ヨシ存在コドラート数
これによれば、貫入抵抗に対応する密度のデータは幅広くばらついており、両者の間には明確な一定の関係は見られない。また、ヨシ存在コドラート数の頻度分布も、全体としては貫入抵抗200〜600kN/m2の頻度が高いように見えるが、密度の高い(高多及び低多)ヨシに限れば、貫入抵抗200〜900kN/m2の幅広い範囲が分布の主体となっており、特定の強度に偏りは見られない。
地盤強度に関しては、少なくともこのデータを見る限りでは、貫入抵抗800kN/m2以上の非常に硬い地盤や200kN/m2未満の非常に軟らかい地盤を除き、ヨシが生育上の影響を受けていると捉えられるような傾向は認められなかった。