日本財団 図書館


表3.1.5 調査地区及び測線の概要《D地区(近江八幡)》:図3.1.6
 主に県の水産課による植栽が精力的に行われてきた地区であり、南津田、野田、大房、牧と連続的に植栽地が存在するほか、これらの間の湖岸には自生のヨシ群落も発達している。
 土留めフトン篭と合成樹脂網の消波柵に仕切られた上記のヨシ造成地はやや画一的であり、その外側の琵琶湖水域は急深でヨシ造成地とは1mほどのレベル差があるため、ヨシがこの造成地から連続して周辺に拡大することは想定されていないと思われる。ただ、ヨシ植栽地としては面的にかなり広くまとまりをもって造成されており、広い所では奥行きか70mほどもある。ヨシの良好な生育の見られる場所と部分的に消失・他植物の進入の見られる場所などが分布する。
測線D−1(長命寺橋南) …自生地
 当地区の最北部の辺りには、ヨシが比較的良好にまとまって生育している場所がある。この自生群落の中から植栽地との比較対照のための測線を選定した。
測線D−2(近江八幡市牧町南津田) …県水産課植栽地
 県水産課が南津田地区として造成・植栽を施した地区のうち1997(H9)年の植栽場所である。
 陸域のヨシやオギ、セイタカアワダチソウなどの陸生の植物がヨシ植栽造成地盤の始まるB.S.L.±0m付近まで生育し、それより深いヨシ植栽造成地盤面の下層を覆うチクゴスズメノヒエの上層にヨシがまばらに株立ち状で分布している。ヨシ帯はその前面を掘削した湖底土砂を用いてB.S.L.−0.3〜−0.7mのレベルに造成されており、前面掘削部(繁殖水路)を隔てて沖には石積みによる離岸堤が設置されている。下層植物の侵入により外観的に植栽がうまくいっているとは言えない状況を代表する測線として当該測線を設定した。ヨシ植栽地の奥行き(B.S.L±0m付近から消波柵まで)は30m強の幅がある。
 ◆測線部分植栽状況
  1997(H9)年8月 マット苗 水中植栽、5600m2・1400枚(1枚/4m2)
測線D−3(近江八幡市牧町) …県水産課植栽地
 県水産課が牧地区として1997(H9)年に造成・植栽を施した地区である。
 上記のD−2測線と環境的には類似するが、植栽地の奥行きは約70mと広く、かつ陸域から当植栽地にかけて、ヨシが概ね連続的分布している。下層を覆うチクゴスズメノヒエの上層にヨシがまばらに株立ち状に分布する状況はD−2測線に類似するが、ヨシの量は若干多いように見受けられる。ヨシ帯造成の手法は測線D−2とほぼ同様である。D−2測線との比較の観点を含めて当該測線を設定した。
 ◆測線部分植栽状況
  1997年(H9)年9月 マット苗 水中植栽、3600m2・900枚(1枚/4m2)
 
(拡大画面: 164 KB)
z1054_01.jpg
図3.1.6(1) 調査測線詳細位置図(D地区) 測線D−1








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION