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国連分類調和專門家小委員会
 第1回会合議事概要報告
1. 会期、参加国、議題等
1.1 会期及び開催場所
 会期 : 平成13年7月9日〜11日
 場所 : 国連欧州本部(Palais des Nations、ジュネーブ)
1.2 参加国等
1.2.1 国及び国際機関
(1) 委員国:アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、チェッコ、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、イラン、アイルランド、イタリー、日本、オランダ、ノールウェイ、ポーランド、南アフリカ、スウェーデン、英国及び米国(20カ国、欠席:ブラジル、ニュージーランド、カタール、スペイン及びウクライナ欠席)
(2) オブザーバー国:中国、メキシコ、ポルトガル及びスイス
(3) 国連機関及び政府間機関:UNEP、UNITAR、ILO、IMO、CEC及びOECD
(4) 非政府国際機関:CGA、CEFIC、EIGA、FEA、HMAC、AISE、ICCA、ISO、IPPIC、IPIECA、CTIF、SDA及びUIC
1.2.2 わが国からの参加者(敬称略・順不同)
 城内博(産業医学総合研究所)
 八十川欣勇(日本海事検定協会)
 小山清孝(日本化学工業協会:ICCAとして出席)
1.3 UN事務局挨拶
1.3.1 本小委員会第1回会合開催に当たり、ECE事務局Hubner女史からGHSに係ってきた国際機関の成果に祝意を示し、ECEが本小委員会の事務局となった経緯等を説明すると共に今後の協力を要請した。
1.4 議題の採択
1.4.1 第1回小委員会の予定議題(ST/SG/AC.10/C.4/1)は、修正なく採択された。
 
2. 会合の組織及び運営
2.1 ECOSOC運営規則
2.1.1 ECOSOC運営規則(01/1)により、事務局から本小委員会の議事運営に関する関連規則の説明がなされた。本小委員会の運営は第27規則第1項の規定により第6章(事務局)、第8章(公開及び非公開会合)及び第12章(非理事国の参加)が適用されることが紹介された。
2.2 その他の規則又は運営事項
2.2.1 会議運営事項(01/6)により、事務局から委員会及び小委員会の会合日程、会合への出席、W/Gの設置、使用言語、NGOsの参加等会合運営に関する事項が紹介された。
2.2.2 IFCSからの要請に基づくECOSOC決議1999/65により危険物輸送専門家委員会(CETDG)の危険物輸送並びに化学物質の分類及び表示に関する世界調和専門家委員会(CETDG&GHS)への組織変更、並びにその下部組織としての危険物輸送専門家小委員会(SCETDG)及び化学物質の分類及び表示に関する世界調和専門家小委員会(SCEGHS)の設置についての経過説明が事務局から行なわれた。
2.2.3 ECOSOC決議1999/65のAnnex(01/7)により、事務局がCETDG&GHS,SCETDG及びSCEGHSへの委任事項の説明を行なった。
2.2.3 昨年12月末で締め切られたSCEGHSメンバー国申請は、2001年5月3日、ECOSOCにおいて申請された全ての国(26ヶ国、1.2.1項参照)の参加が承認された。CETDG&GHSのメンバー国は、SCETDG及びSCEGHSのメンバー国とすることが決定されている。
 
3. 議長等の選出
 今次2年間(2001〜2002年)の議長及び副議長としてMs.K.Headrich(カナダ)及びMs.A.L.Sundquist(フィンランド)がそれぞれ選出され、この二人がそれぞれ議長及び副議長に就任した。
 
4. 非政府機関の協議機関としての参加要請
4.1 非政府機関の協議機関としての参加は無制限に認めることには問題があるが、本小委員会の討議に必要とされる非政府国際機関の参加は認める。
4.2 次の非政府機関の協議機関としての参加要請を承認した。ICCR、UIC、FEA、CGA、EIGA、IPPIC、SDA及びCTIF
 
5. 化学物質の分類及び表示に関する世界調和システム
5.1 IOMC/CG
5.1.1 IOMC/CGは本年5月の会合をもって終了したことが報告され、これまでに検討してきたGHS具体案が本小委員会第2回会合(2001年12月)に提案される予定である。
5.2 ILO/WG
5.2.1 化学物質の有害通報(ハザード・コミュケーション)について検討していたIL0/WGも、本年5月の会合をもって終了したことが報告された。
5.2.2 IL0/WGが策定した有害表示についての危険物輸送小委員会(SCETDG)での検討状況が報告された。SCETDGでは、ILOからの報告にある有害表示の菱形形象についてIATA及び米国から現在危険物輸送において使用されている形象と混乱するとの理由から反対意見が出された。これに対し多数の国はILO/WG案に賛意を示し、SCETDGは票決の結果14(賛成):3(反対:米国、スペイン、メキシコ):3(棄権:日本、カナダ、アルゼンチン)でILO/WG案を支持することとなった。
5.2.3 有害表示に関してスイス等から文字のみによる表示は、使用言語の問題があることを指摘したが(SCETDGでもスイス等から同様の問題点が指摘された。)、この問題は本小委員会で処理すべき事項では無いとされた。
5.3 0ECD
5.3.1 0ECDは、健康有害及び環境有害に関するGHS分類基準に関しては本年4月の会合の検討結果を反映した分類案(01/11)を作成したこと、並びに混合物の皮膚/眼に対する腐食性/刺激性については継続検討していることを報告した。OECDではGHSとの整合を取るため、有害性レベルとして従来使用していた“Class”を“Category”に変更したことが報告された。
5.4 UN/ILO JWG
5.4.1 物理・化学的危険性に関する分類基準を検討していたUN/IL0 JWGの検討結果は、IOMC文書(UN/GHS-SC/1/INF.10)として提出された。UN/ILO JWGの作業として唯一残されていたエアゾールの引火性基準については19SCETDGの会期に開催された会合で合意が得られ、GHSに関するUN/ILO JWGの作業を完了した。
 
6. 国連機関、専門機関及びその他の機関との協力
6.1 GHSに関してIOMC、OECD、ILO及びUNCETDGがこれまで行なってきた作業のSCEGHSへの引き継ぎについて検討され、次の事項が合意された。
6.1.1 IOMC CG/HCCSは、SCEGHS第2回会合(2001年12月)にGHSに関する正式提案文書を提出する。
6.1.2 0ECDは、吸入有害性、呼吸器刺激性及び水反応毒性に関する分類基準を策定し、SCEGHS第4回会合(2002年12月)に提案する。OECDは、麻酔製効果の分類基準についても検討する。
6.1.3 フォーカルポイントであるOECD、ILO、UNCETDG、UNITAR及びその他の機関の専門性を認め、これらの機関をGHSに関する本小委員会の作業に活用する。各フォーカルポイントにおける今後の作業は本小委員会からの提案に基づいて行われ、その作業内容とタイムスケールを明確にする。フォーカルポイントの作業に参加していなかった本小委員会参加者は、現在進行中及び今後の作業に参加する。6.1.4 各フォーカルポイントは各会合の作業の進捗状況を本小委員会に報告すると共に、タイムスケールに基づき提案文書を提出する。
6.2 事務局から持続的発展に関する世界サミット(Rio+10)(2002年9月)に向けた毒性化学物質、有害廃棄物及び放射性廃棄物の管理に関する事務総長報告が紹介された。
6.2.1 これに関連してイタリアは、バーセル条約附属書IIIのカテゴリーH1からH8までは危険物輸送国連勧告にその分類基準が示されているが、H1からH13までの全てのカテゴリーの分類基準とGHSとの調和について注目し、バーセル条約締約国会議との協力の必要があることを指摘した。
6.2.2 バーセル条約締約国会議において現在検討されているH10からH13の分類基準にはGHS基準は考慮されていないことが報告された。
6.2.2 議長はこの問題を今後の作業計画への提案事項であるとし、ECはこの問題をGHSの作業とする必要が無いことを表明した。
 
7. GHSの実施
7.1 発展途上国等におけるGHSの実施を促進するためのプロジェクトに関するUNITARの活動状況が紹介され、発展途上国での化学物質管理能カ強化(Capacity Building)のための経済的又は専門家による支援計画があり、各国のこのプロジェクトヘの参加が要請された。
7.2 AISE、CEFIC等国際業界団体はGHSの実施に向けて、それら業界のために情報やガイドラインを準備する用意のあることを表明した。これら業界には管理能力強化プロジェクトに必要であれば、より広く利用できるガイドライン文書の準備が要請された。
7.3 GHS文書の出版に関して議長は、GHS関連文書は次回会合の検討文書として準備されており、これら文書を国連出版物とするための詳細検討はこれから行われるが、国連出版物として出版する意向であることを確認した。この出版物は国連危険物輸送モデル規則第2部とすることではない。
 
8. 今次2年間の作業計画
8.1 本小委員会は、第2、3及び4回会合における下記検討項目を承認した。
(a) GHSに関する完成作業の受理及び承認(第2、3及び4回会合)
(b) フォーカルポイントからの進行中作業の進捗状況報告受理(第2、3及び4回会合)
(i) 吸入有害性、呼吸器刺激性及び水反応毒性に関するOECD作業
(ii) エアゾールの引火性基準に関するSCETDGの作業
(c) 麻酔製効果に関する分類基準作業の必要性の検討(第2回会合)
(d) 今後の管理能力強化プロジェクト開始に関する検討(第2、3及び4回会合)及び協力並びにその結果の利用
(e) 今後の各フォーカルポイントとの協力についての検討
(f) GHSの実施に関する戦略策定及びその結果の利用(第2、3及び4回会合)
(g) 次に関する未解決事項の明確化(第4回会合)
(i) 化学物質の分類
(ii) 有害通報
(h) GHS文書の出版に関する検討(第2、3及び4回会合)
(i) SCETDGとの協力に関する勧告の作成(委員会承認のため)(第4回会合)
(j) 2001-2002年次の小委員会作業に関する勧告の作成(委員会承認のため)(第4回会)
(k) 2003-2004年次における小委員会作業計画の作成(委員会での検討及びその後の理事会承認のため)(第4回会)
(l) GHSの実施及び文書出版の観点からのECOSOC決議案の作成(委員会での検討及びその後の理事会承認のため)(第4回会)








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