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5.1水質シュミレーション計算の概要
 本計算は実測データ及び既存データをもとにして対象とする海域における海水の流動と水質について予測計算を行うものである。
 計算の対象とする水域を図5-2に示す。
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図5-2 計算対象水域
 
本計算のフローを図5-3に示す。
図5-3 計算のフロー
 
流動計算及び水質計算についてそれぞれ次に示す。
 
(1)流動計算
 
●流動モデル
本モデルは海水の状態と運動を記述する方程式群を3次元の差分近似で解く力学的予測モデルと異なり、一般的に統計的予測モデルといわれている分類に属するもので、実測された海流のデータを入力とし、地形の効果等も考慮して3次元的空間全体(2層)にわたって海流の状況を模擬する解析である。
 解析手法は直角座標に対応する流速成分をu,v,wとして質量保存則を流体の連続性条件のもとに非圧縮性流体に適用し、次の連続方程式
z1091_01s.jpg
を満たすよう変分法を使って調整し解析領域内の流速場を得る。すなわち上式を満たし、かつ修正量の空間積分
z1091_02s.jpg
が最小になるような(u,v,w)を求めている。
 ここに(u,v,w)は潮流観測から得られた流速成分であり、α1,α2は重み係数で、その比α1/α2は水平流速と鉛直流速の修正の相対的な大きさに関係する。
 
●計算条件
[1]計算格子
計算領域は対象水域に示した様に、北堀運河の東西600mの水域とし、計算格子を図5-4に示す様に設定する。なお、最小格子幅は10mとする。鉛直方向には対象水域の水深が比較的浅いことから、2層の層区分を計画する。
図5-4 計算格子
 
 [2]地形条件
 水深は実態調査結果をもとに設定する。
 
●流動計算の実施
 実態調査によって得られた流速データを用いて、上記式系および設定した条件のもとで流動計算を実施する。
 計算は夏季(7〜9月)を対象として行う。
 実施する計算のケースを次に示す。
 ケース1:システムを適用しない場合(現況)の流動予測計算
 ケース2:システムを適用した場合の流動予測計算
 (処理水量1900m3/日、取水放水位置A)
 ケース3:システムを適用した場合の流動予測計算
 (処理水量1900m3/日、取水放水位置B)
 ケース4:システムを適用した場合の流動予測計算
 (処理水量3800m3/日、取水放水位置A)
 ケース5:システムを適用した場合の流動予測計算
 (処理水量3800m3/日、取水放水位置B)
 適用するシステムの規模は、前述した直径1m、長さ2mとする。原水の取水位置及び処理水の放水位置は、図5-1に示すように設定する。
 
(2)水質計算
 
●水質モデル(生態系モデル)
[1]水質モデルの概要
 本モデルは、一般に物理過程(移流、拡散等の物理的変化過程)と生物過程(生産、分解等の生物的変化過程)に分けて考えられる。
 生態系の構成要素(コンパートメント)は、植物プランクトン、動物プランクトン、デトリタス及び栄養塩(窒素、リン)の5要素である。
 生態系モデルの構造を図5-5に示す。
 
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図5-5 生態系モデルの構造








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