III.資料
日本を訪れる外国人旅行者(訪日外客)数は増勢基調を示しつつはあるものの、世界的に見て依然低い水準にあり、日本人海外旅行者数と比較すると著しく均衡を欠いたものとなっています。
特殊法人 国際観光振興会(Japan National Tourist Organization[JNTO]:日本の政府観光局)の調査によると、日本の物価の印象について訪日外客の90%近くもが「高い」と感じており、これが海外に増幅されて伝わり、訪日旅行意欲を萎縮させている大きな要因の一つとなっています。こうした訪日外客の指摘に対処するためには、旅行者の支出の大きな割り合いを占める宿泊施設について、経済的で手頃な料金の施設の利用の容易化を図る必要があります。しかしながら、これらの宿泊施設については、旅行会社の介在が採算上難しく、通常の商業べースの流通経路には乗りにくいことから、訪日外客にとって情報の入手及び予約が難しい状況となっております。
そこで当(財)国際観光サービスセンターは、運輸省並びにJNTOの全面的な支援を受けて、訪日する外国人旅行者の利用に適した、低廉な宿泊施設を組織化することとしました。そしてそれら施設を、外国人旅行者を暖かく歓迎する意味を込めてウェルカム・インと称し、それら施設の広報及び予約代行サービスを行うために、平成3年4月1日にウェルカム・イン予約センターを開設致しました。以来、日本財団並びに(財)鉄道弘済会の助成を受け、我が国で初めての訪日外国人客専用の低廉な宿泊施設予約サービス事業を行ってきております。
当センターでは、ウェルカム・イン全加盟施設を紹介した英文利用案内を作製し、主にJNTOの海外事務所及び国内のツーリスト・インフォメーション・センターを通じて配付、広報を行い、国内6ケ所の予約センターで実際の予約代行業務を行っております。当予約サービスは、宿泊料金の廉価性を維持するため、手数料に類するものは利用客及び宿泊施設のいずれからも一切徴集せず、また外客と宿泊施設との間を仲介して言語上の問題を軽減すると共に、宿泊施設の外客接遇能力の向上を支援し、訪日外客の利便の増進と訪日外客数の増大を目指し、国が推進する「新ウェルカムプラン21」 (訪日観光交流倍増計画)の推進に協力しております。
さらに、当サービスはJNTOのウェッブサイトJapan Travel Updates(
http://www.jnto.go.jp)上でも、全世界に向けて幅広く広報宣伝されており、さらなる利便性の向上に努力しています。
ウェルカム・イン予約センター運営要領
1.予約受付場所
・ 予約センター本部
〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-4-2 神田アーバンビル9階
財団法人 国際観光サービスセンター内 TEL.03-3252-1717,FAX.03-3252-1521
・ 成田空港予約センター、第一旅客ターミナル
〒282-0004 成田市新東京国際空港第一旅客ターミナルビル北ウィング到着階
財団法人 国際観光サービスセンターツーリスト・インフォメーション・センター内 TEL.0476-30-3383
・ 成田空港予約センター、第二旅客ターミナル
〒282-0004成田市新東京国際空港第二旅客ターミナルビル到着階
財団法人 国際観光サービスセンターツーリスト・インフォメーション・センター内 TEL.0476-34-6235
・ 東京予約センター
〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館10階
国際観光振興会 ツーリスト・インフォメーション・センター(東京TIC)内
TEL&FAX.03-3286-6611
・ 京都予約センター
〒600-8216 京都市下京区烏丸東塩小路町721-1 京都タワービル
国際観光振興会 ツーリスト・インフォメーション・センター(京都TIC)内
TEL.075-343-4887
・ 関西国際空港予約センター
〒549-0011大阪府泉佐野市関西国際空港 旅客ターミナルビル1階
財団法人 国際観光サービスセンター
関西ツーリスト・インフォメーション・センター内 TEL.0724-56-6025
2. 各予約センターでの予約取扱時間
・ 東京: 9:00-11:30/13:00-16:30(月―金、祝祭日を除く)
・ 成田: 9:00-19:30(年中無休)
・ 京都: 9:00-11:30/13:00-16:30(月―金、祝祭日を除く)
・ 関空: 9:00-20:30(年中無休)
3. 予約申込方法
(1) 日本到着前の海外からの予約申込(手紙、ファックス、Eメール、インターネット)
予約センター本部のみで受け付けます。所定の予約申込フォームによる申込のみを受け付け、電話による申込は受け付けません。
(2) すでに来日している外国人旅客からの予約申込
国内の上記各予約センターに宿泊者本人が直接来た場合のみ受け付けます。電話やファックスによる申込は受け付けません。
(3) 予約処理の要領
(1)の申込(インターネットを除く)については、直接予約を受けられる施設へは予約申込書を転送しますので、各施設から申込者へ直接回答して頂きます。現時点では、言葉上の問題等やむを得ない理由があり直接予約を受けられない場合は、当予約センター本部から当該施設へ電話で予約の可否を確認の上、成立の場合は、申込者及び施設双方ヘファックスで予約確認書を送付します。また、当財団のウェッブサイト(
http://www.itcj.or.jp)経由で申込まれた場合は、大きく分けて3通りの方法で処理されます。1)*国際観光振興会(日本の政府観光局)が運営するウェッブサイトの自動予約システムを利用している施設が対象となり、同サイトの当該施設のぺージにジャンプし、同サイトから予約してもらいます。2)施設独自の英文ウェッブサイトを持っている施設が対象となり、同サイトにジャンプし、同サイトから予約してもらいます。3)上記に当てはまらない施設が対象となり、予約申込書は当予約センター本部へ送信され、その後はファックス等による申込と同じように処理されます。
(2)の申込については、申し込みを受けた予約カウンターが電話で予約の可否を確認の上、成立の場合は、予約確認書を宿泊施設へはファックス送信、申込本人へは直接手渡します。
*国際観光振興会(日本の政府観光局)が運営するシステムの利用は有料となります。別途お問い合わせ下さい。
4. 宿泊代金等の徴収方法
宿泊施設側で宿泊者から全額を直接徴収していただきます。予約時に申込者にクレジットカード情報を要求していますが、当センターから料金を引き落とすことはありません。キャンセル料、ノーショー料につきましても、当センターを通じての徴収は行いませんので、直接ご請求願います。
5. 予約手数科
予約センターは、前述の通り、予約手数料を宿泊者からも宿泊施設からも徴収しません。
6. 外国語能力
少なくとも英語での基本的なコミュニケーション能力が必要となります。
(ウェルカム・イン予約センターでは、日常業務に活用できる文例等を多数収録した「外国人客接遇マニュアル」等も発売しておりますので、ご関心のある方はお問い合わせ下さい。)
7. 無断キャンセル(ノーショー)防止策
ノーショーを可能な限り防止するため、予約センターでは以下のような対策を講じます。
(1) 海外からの予約申し込みについては、日本到着日及び搭乗予定便名の明記されたものに限り予約を受け付けます。
(2) すでに来日している外客からの予約申し込みに対しては、左記予約センターに本人が直接来た場合のみ受け付け、電話やファックスによる申し込みは受け付けません。
(3) 予約確認書に英文で「ノーショーは、予約センター及び外国人旅行者の信頼性を失墜させ、この善意の予約センターが十分に機能しなくなり、今後予約センターを利用しようとする他の旅行者の迷惑になる恐れがある」旨訴えます。
(4) 予約の再確認は、各宿泊施設の要請通りに行うよう外国人旅行者に指示します。
8. 注意事項
(1) ウェルカム・イン予約センターの仲介による予約客のキャンセル、ノーショー及び投宿後に発生した事故、紛争等について当センターは一切責任を負いかねます。宿泊施設の責任により処理していただくようお願いします。
(2) 予約完了時にお送りする「予約確認書」は、内容をよく確認の上、間違いがある場合は受領日中に当該予約カウンターへご連絡願います。ご連絡が無い場合は、内容に誤りが無いことを宿側で確認されたものとみなし、当該予約確認書の記載事項に関わるトラブルには当センターは一切関知しません。宿泊施設の責任により処理していただくようお願いします。なお、連絡の取れない予約客に関しましては、大変申し訳ありませんがチェックイン手続き時にその間違いを説明して頂きますようお願い致します。それでも宿泊者が納得しない時には、当該予約カウンターへご連絡下さいますようお願い致します。
(3) 宿の選択は利用者の意思によるもので、ウェルカム・イン予約センターは利用者からの依頼を受けて宿泊施設への予約申込を代行するのみです。従いまして当センターはいかなる宿泊施設に対しても送客数を保証することはできませんのでご留意ください。
(4) ウェルカム・インに加盟申請する際に調査票にご記入いただく室料などの宿情報は利用者が宿泊施設を決定するにあったっての重要な基礎データになります。よって変更があった際は直ちにウェルカム・イン予約センター本部にご連絡ください。ご連絡が無かったことにより引き起こされた利用客とのトラブルに対しましては、当予約センターは一切関知致しません。
ウェルカム・イン予約サービス参加施設の要件
1. ウェルカム・イン予約サービス参加施設のあり方
(1) 低廉な費用での旅行を希望する外客に対し、低廉でしかも快適な宿泊施設を提供できること。
(2) 外客接遇に誠意と熱意を持ってあたり、人種、国籍、性別、宗教等を理由に差別しないこと。
(3) 外客への宿泊施設の提供を通して、国際親善に寄与するよう努めること。
(4) 外客に日本及び日本人に対する正しい理解が得られる様、積極的に対応すること。
2. 宿泊施設と宿泊料金
(1) 宿泊施設
a. 旅館業法に基づく営業の許可を取得していること。
b. 宿泊施設名をアルファベットで、道路から見えるところに表示していること。
c. 宿泊客が安眠、休息できる良好な宿泊環境であること。
d. ファックスを所有していること。
e. 客室
1) 内外に施錠装置があること。
2) 換気、採光が十分であること。
3) 適当な冷暖房等の設備があること。
4) 施設の利用案内、緊急時の対応等を英文で明示したものを常備すること。
f. 共同浴室
1) 男女の区別があること(同一であっても時間により区別ができれば可)。
2) 温水と冷水の水栓があること。
3) シャワーの設備を持ち、原則として常時使用できる態勢にあること。
g. 洗面設備
充分な手洗い設備を有すること。
h. 共同便所
1) 水洗設備であり、洋式も付設されていること。
2) 入口から男女別になっていること。
3) 防虫、防臭、脱臭の設備が十分であること。
i. リネン類
1) 衛生的で清潔であること。
2) 浴衣、布団カバー、シーツ、タオル等身につける物についてはそのつど交換すること。
(2) 宿泊料金
a. 洋室、和室を問わず、素泊まりの税・サービス料別建て客室料金が一人宿泊時で8,000円以下、或いは二人宿泊時で13,000円以下である客室を有すること。
b. 季節料金等を設定している場合は、8ケ月以上が上記規定に合致していること。
c. 和室の場合は1人利用、2人利用、3人利用等と客室の利用形態により料金を提示出来ること。
d. 宿泊料金は客室料金と食事料金(朝食、夕食等)を分けて表示ができること。 (食事を取るかどうかは宿泊者が自由に決められること。)
e. 直接予約を受けられる施設は、ウェルカム・インの施設案内を見て直接予約してきた外国人客(実際に宿泊する人が外国人であれば、日本人の代理予約も同様)に対しては、ウェルカム・インに提示している料金を適用すること。
f. 宿泊料金、税及びサービス料金、又その他料金がある場合は宿泊客の見やすいところに表示或いは明示したものを客室内に常備すること。
3. 防災及び衛生等
a. 建築基準法、消防法令の規定に適したものであること。
b. 適マーク対象施設については、これを取得していること。
c. 館内に避難経路案内図を英文で明示すること。
d. 非常時の対応策を和、英両文で説明したものを客室に常備すること。
e. 旅館賠償責任保険等に加入し、万一の事故に対し十分補償できること。
f. 貴重品を預かる設備を設けること。
g. 飲食を供する施設に於いては、飲食店営業許可を取得していること。
h. 食品衛生法、環境衛生法等の基準に合致していること。
4. 苦情処理
宿泊施設側の責任により発生した不都合に対し苦情があった時は、誠意をもって対応すること。
5. その他
言葉上の問題で現時点では、外客からの直接予約を受けることが難しい施設も、近い将来、直接予約を受けられるように努力する意志があること。
以上
ウェルカム・イン予約サービス 参加登録手続
財団法人国際観光サービスセンター内のウェルカム・イン予約センターから
「ウェルカム・イン予約サービス参加登録申込書」及び「宿泊施設調査票」
を入手し、必要事項を記入の上、本センターに提出していただきます。 (郵送可)
その際には、次の書類の写しも併せてご提出いただきます。
1. 旅館営業許可証
2. 飲食店営業許可証
(飲食を供する施設のみ)
3. 旅館賠償責任保険証
4. 防災基準適合書
(適マーク対象施設はその証明書)
ご提出いただいた書類を審査の上、原則として施設を事前に見せていただいた後に参加登録の受け入れの可否をご連絡いたします。
* 登録後も状況に応じて、当センター職員が予告なく視察させて頂くことがあります。
* 利用者からの苦情、トラブル等が多いにもかかわらず改善されない場合は脱退していただくことがあります。
注:加盟要件は諸般の事情を考慮し、変更することがあります。
財団法人
国際観光サービスセンター
〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-4-2
神田アーバンビル 9階
TEL:03-3252-1717 FAX:03-3252-1521