第5章 リサイクルシステム代替案(食用廃油と剪定枝)
本章では、第3章及び第4章の結果を踏まえて、食用廃油及び剪定枝のリサイクルシステムを構築するための課題を整理し、リサイクルシステムの代替案を提示する。
1 リサイクルシステム構築の際の留意点
(1) 地域特性
[1] 人口と世帯数の増加
過去10年間の人口の伸び率は、愛媛県全体では1.1%の減少であるのに対して、松山市では6.6%増加している。また、過去10年間の世帯数の伸び率も18.8%増加しており、一世帯当たりの平均人口は過去10年間で0.28人/世帯減少している。これらについては、松山市外から松山市に人口が流入していること、単身世帯が増加していることが一因と考えられる。今後もこのような傾向が続くことになれば、地域コミュニティが希薄になっていく可能性がある。
[2] 堆肥の需要先
剪定枝から堆肥を製造する場合には、製造した堆肥の需要を確保する必要がある。堆肥の市内循環という視点から、松山市内の農地や公園緑地などの状況を把握し、公共あるいは民間における堆肥の需要先について検討しておく必要がある。