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資料編
1 事例研究:地域総合情報サービス事業の取組(諏訪広域連合)
(1) 諏訪広域連合の概要
 長野県諏訪地域は、諏訪湖、八ヶ岳に代表される美しい自然環境に恵まれ、年間1,720万人の観光客が訪れる。高速交通網(中央自動車道・上信越自動車道)で首都圏や中京圏、北陸圏に接続する内陸工業地帯の要衝の地であり、大都市圏居住者の日常生活圏としての位置づけが高まっている。諏訪広域連合(以下「広域連合」という)は、岡谷市、諏訪市、茅野市、下諏訪町、富士見町、原村の6市町村で構成され、圏域人口は約21万人となる(図表 資-1,2)。
図表 資-1 諏訪地域の位置
図表 資-2 諏訪広域連合の概要
設立 平成12年7月1日 (平成12年6月30日諏訪広域行政組合解散)
構成市町村 岡谷市、諏訪市、茅野市、下諏訪町、富士見町、原村 (3市2町1村)
圏域人口:211,388人 (平成13年4月1日現在) 圏域面積:715.41km2
対応している事務 ○ふるさと市町村圏計画に関する事務
○特別養護老人ホーム恋月荘の設置、管理および運営に関する事務
○救護施設八ヶ岳寮の設置、管理および運営に関する事務
○休日および夜間の救急病院運営費補助事業に関する事務
○介護保険制度に係る介護認定審査会に関する事務
○消防に関する事務 (消防団および消防水利に関する事務を除く)
○ごみ処理広域計画に関する事務
○市町村職員の人事交流の調整、共同研修および人材育成に関する事務
○市町村の電算処理の調整に関する事務
○広域的な課題の調査研究に関する事務 (地方分権、地域情報化の推進、観光振興、諏訪湖浄化の推進等)
○県から広域連合に権限委譲された事務

資料 : 諏訪広域連合


(2) 広域総合情報サービスの取組
ア 運営主体とサービス提供内容
 昭和60(1985)年3月に諏訪広域市町村圏が郵政省(現総務省)のテレトピア構想モデル都市の指定を受け、その推進実施主体として、民間、国、県、構成市町村の出資による第三セクター方式により、昭和61(1986)年4月に(株)諏訪広域総合情報センタ(以下「情報センタ」という)が設立された。
昭和63(1988)年度よりサービスを開始している(図表 資-3)。
図表 資-3 (株)諏訪広域総合情報センタの株主構成
国 (基盤技術研究促進センター) 40.00%
4.00%
構成市町村 (3市2町1村) 8.00%
公共的団体 (JC.JA) 9.04%
金融機関 5.60%
その他 (民間企業20企業) 33.36%
合計 (33株主) 100.00%
資料:(株)諏訪広域総合情報センタ


 情報センタにサーバが設置されており、6市町村同じような環境で事務の遂行ができるのが特徴(システム構成図参照)。業務は、諏訪広域圏の住民行政サービスが中心(システム一覧参照)であり、住民は6市町村の各窓口や住民票の発行や、圏域内図書館所蔵の図書の予約、最寄りの図書館での受取などが可能となる(図表 資-4,5)。
○ 「広域窓口事務システムサービス」(平成2年12月サービス開始)
 6市町村どの窓口でも住民票の発行が可能。平成14年度からはG4ファックスを使用し、印鑑証明、税証明の発行も可能にする予定。
○ 「図書館情報ネットワークサービスシステム」(平成7年4月サービス開始)
 圏域内のどの図書館からも図書の検索、予約の申し込みができる。平成12年6月にはホームページを開設し、家庭、学校、職場から検索、予約が可能となり、利用者は自宅や職場の最寄りの図書館で受け取ることができる。
図表 資-4 住民行政システム一覧
業務 システム名称
住民行政 住民記録、住民登録外管理、外国人登録住民登録外管理、印鑑登録、選挙、国民健康保険、介護保険、国民年金、個人住民税、法人住民税、固定資産税、軽自動車税、国民健康保険税(料)、収納、口座、集合徴収、農業所得、福祉、福祉医療、老人保険、児童手当、教育、健康管理、交通共済、起債、給与、保育料、有線放送、住宅管理、農家基本台帳
上下水道 上下水道、下水道受益者負担金
図書館情報・学校教育 図書館ネットワーク、学校教育
情報インフラ 地域情報インフラ整備、インターネット、コンピュータ教育
その他 施設予約、景観情報

資料 : (株) 諏訪広域総合情報センタ


図表 資-5 情報センタ システム構成図
 
イ 構成市町村との連携、情報化推進体制
 6市町村の情報化による行政事務の効率化と連携強化を推進する組織として、平成10年に設置された諏訪地域行政情報化推進委員会(以下「委員会」という)がある(図表 資-6)。
 委員会は、6市町村の情報担当課長および情報担当者と、広域連合事務局長および担当者で構成されている。下部組織として、サービス分野毎の「行政部会」「住民部会」「税務部会」(6市町村担当課長で構成)と、委員会と部会、分科会および各市町村内の連絡調整を行う「システム管理責任者会」(6市町村情報担当者と広域連合担当者で構成)、さらにシステム毎に分科会を設け、分野毎に情報センタの業務について検討する。情報センタの担当者は、必要に応じて委員会にオブザーバーとして参加する。
図表 資-6 諏訪地域行政情報化推進委員会の組織体制
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