海浜への車の乗り入れ規制を定めている県立九十九里自然公園(参考事例)
<会の名称・会員数等>
■ 名称:「九十九里浜の自然を守る会(会長長島幸孝氏)」
■ 事務局:白子町企画課に置く
■ 会員数:平成11年度(発足)年度)46人、平成13年度60人(6月2日現在)
■ 運営:11人の理事会を軸に運営、運営費は会費及び千葉県・白子町の補助金等による。
<設立の経緯>
千葉県では九十九里海岸に生息する動植物の保護等自然環境の保全を目的として、平成10年4月1日から「千葉県立自然公園条例」が一部改正され、車両等の乗り入れ規制区域が拡大された。
これに対して、広大な海浜の自然環境保全には行政だけでは限界があり住民の積極的な環境保全活動が不可欠とする認識から、平成11年4月12日に白子町の文化財を守る会代表及び白子ライオンズクラブ代表が連名でボランティア組織の発会を呼びかけた。
以後、白子町が主催する「海浜植物の車両等乗り入れ防止用保護柵の付設」へのボランティア参加などを経て同年5月21日に海浜保全ボランティア活動団体として「九十九里浜の自然を守る会」が発足した。
<設立の趣旨>
会の設立の趣旨は、「優れた自然環境と貴重な動植物の生息場所である九十九里浜の環境保全のための活動を展開し、後生の子孫にかけがえのない美しい自然を伝承すること(設立趣意書より引用)」、とされる。
<活動内容及び事業>
会の活動は、千葉県自然公園条例に規定する九十九里浜地域の車両乗り入れ等を規制する地域における動植物の生育生息環境の保全活動を展開するものとし、[1]千葉県立中央博物館専門家の指導に基づく白子町剃金海岸に自生する海浜植物の保護地域の設定・生育調査及び九十九里浜の植物保護活動の実施、[2]コアジサシ、シロチドリの営巣地の監視活動の実施、[3]アカウミガメの上陸・産卵等の確認調査と保護及び所管部署への報告活動の実施、[4]その他、九十九里浜の自然環境保全ボランティア活動の実施、を骨子とする。
平成13年度の主要な活動(計画)は、植物保護柵の修理、ウミガメ上陸(産卵、孵化)観察保護、勉強会、乗り入れ規制啓蒙活動6回(7月8日〜9月9日、9月23日)、九十九里浜クリーンアップ事業参加、である。
<活動の効果等>
県の条例化を契機とする白子町民有志の海浜環境保全ボランティア活動の取り組みは、自動車の海浜乗り入れ規制の実を挙げるとともに、当初から漁業関係者や研究機関等との協力によって身近な自然や生物保護の機運を醸成し、九十九里浜の広域的な環境保全活動を促進する要因ともなっている。
九十九里浜の貴重な動植物を守るために車両乗り入れ規制にご協力下さい。
●規制施行日/平成10年4月1日
●規制目的/海浜動植物の保護
●規制区間/飯岡町〜一宮町までの海浜部(海水浴場駐車場は除く)
●規制車両/自動車、バイク、サンドバギー等(許可された車両等を除く)
●規制の根拠/千葉県立自然公園条例
違反者には罰則が科せられます。
6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
アカウミガメ「種の保存」で国際稀少野生動植物種に指定され、捕獲や譲渡が禁止されているアカウミガメ。四輪駆動車などの車両乗り入れで彼らが産み落とした卵や卵からかえったばかりの子どもが犠牲になるケースも少なくありません。
コアジサシ(ヒナ)4月の終わりごろ、オーストラリアからはるばる赤道を越えてやってくる渡り鳥。海岸線で巣作りを行います。車両や人の進入にストレスを感じて、巣を自ら放棄してしまうこともあるほど。アカウミガメ同様、国際稀少野生動植物種。
砂茶碗(ツメタガイの卵のう)砂浜で見られるツメタガイという巻貝の卵のう。寒天状の卵のうの中には孵化を待つ生きた卵が。その形から砂茶碗と呼ばれ親しまれていますが、自動車に踏みつけられればひとたまりもありません。
松林 海風や砂から生活を守るために、人々は海岸線に松を植林してきました。その松林が四輪駆動車などの乗り入れにより、荒らされることが多くなってきました。