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5 既定関連計画及び施策の概要
 国の計画において当該地域は、都市間、地域間相互の交流・連携を深めることにより、21世紀に向け調和のとれた新しいライフスタイルが展開されるフロンティアを目指すべき地域として位置づけられ、北東北や南東北における広域的な交流圏の形成が求められている。
 また、秋田県の総合計画では、国際観光ゾーン、環境にやさしい県北部エコタウンの形成を目指すべき地域として位置づけられており、そのため、活力が満ちあふれた北東北の人、もの、文化、情報の交流拠点づくりが求められている。
 鹿角市の既定計画・施策においても、地域間の交流・連携、市民とのパートナーシップをキーワードとした地域活性化、まちづくりが基本日標として掲げられており、上記の関連計画も含め、計画達成のための事業の実施が重要となっている。
 なお、本研究に関連する主要な既定計画、関連計画をリストアップすると、次のとおりとなる。
(1) 第5次の全国総合開発計画「21世紀の国土のグランドデザイン」
 
項目 概要
閣議決定 平成10年3月31日
計画期間 平成22年〜27年 (2010年〜2015年) まで
基本的考え方 ○経済的豊かさとともに精神的豊かさを重視
○多軸型国土構造に転換
基本的課題 (1) 自立の促進と誇りの持てる地域の創造
(2) 国土の安全と暮らしの安全の確保
(3) 恵み豊かな自然の享受と継承
(4) 活力ある経済社会の構築
(5) 世界に開かれた国土の形成
東北地域の整備の基本方向 各中枢・中核都市の個性や拠点性を一層高めつつ、中小都市や過疎化、高齢化の進展が懸念される沿岸部や山間部地域においてゆとりと豊かさを実感できる多自然居住地域の創造に取組、これらの都市間、地域間相互の交流・連携を深めることによって、東北地域全体として「21世紀に向け調和のとれた新しいライフスタイルが展開されるフロンティア」としての発展を目指す。
施策の展開方向 奥羽山脈等を境に歴史的経緯や生活・文化環境等は異なるものの、その差異を超えて生活、産業、文化等の各般の面で広域的な連携・交流を推進し、東北地域全体としての調和のとれた発展を図る。さらに、岩手、秋田を結ぶ地域連携軸等の形成を図るとともに、十和田・八幡平を中心とする地域連携や仙台・福島・山形の各市を中心とする地域連携を進め、北東北や南東北における広域的な交流圏の形成を目指す。
 
(2) あきた21総合計画 ―時と豊かに暮らす秋田―
 
項目 概要
策定 平成12年3月
計画期間 平成12年〜平成22年 (2000年〜2010年)
基本構想:11年間、前期実施計画:平成12年〜14年の3年間
基本目標 (1) 安全・安心に楽しく暮らす秋田
(2) チャレンジ精神豊かな人材が活躍する秋田
(3) 環境と共に生きる秋田
(4) 産業が力強く前進する秋田
(5) 地域が活発に交流・連携する秋田
地域別取組方向 鹿角地域:
活力が満ちあふれた北東北の人、モノ、文化、情報の交流拠点づくり
[1] 伝統と文化が香る国際観光ゾーンを形成する。
[2] 資源リサイクル産業の育成と環境にやさしいまちづくりを進めるため、「県北部エコタウン」の形成に努める。
[3] 産地間競争を勝ち抜くグレードの高い複合経営を確立し、クリーン農業を推進する。
[4] 北東北の拠点づくりのため、交通・情報ネットワークを整備する。
 
(3) 第5次鹿角市総合計画 ―出逢い賑わい夢をかなえるまち・鹿角―
 
項目 概要
策定 平成13年3月策定
計画期間 基本構想:平成13年度〜22年度の10年間
前期基本計画:平成13年度〜17年度の5年間
後期基本計画:平成18年度〜22年度の5年間
将来都市像 出逢い賑わい夢をかなえるまち・鹿角
基本目標及び基本計画 1 快適とゆとりを育むまちづくり
2 安らぎとふれあいを育むまちづくり
3 活力と魅力を育むまちづくり
4 豊かさとうるおいを育むまちづくり
5 自立と連携を育むまちづくり
関連施策及び計画事業 1) 交流人口を拡大する
 ○ 緑のふるさとふれあい交流事業
 ○ 観光宣伝推進事業
 ○かづの観光ファン事業
2) パートナーシップを構築する
 ○住民の声を広く取り入れる事業(市民意識調査ほか)
 ○市民夢ホットライン事業
 ○政策評価制度
 ○地域振興夢ぷらん事業
 
(4) 鹿角市過疎地域自立促進計画
 
項目 概要
計画期間 平成12年度〜平成16年度
テーマ − 鹿角学が導く新世紀の道程 −
「鹿角学」とは、単に学問ばかりではなく、地域の歴史や文化の上に築かれた伸びやかで穏やかな風土を後世に継承しながら、市民が常に「鹿角らしさ」を意識しつつ、さん産業・福祉・教育文化活動を通じて地域の新たな息吹を起こそうとする試みであり、鹿角市が21世紀に向けて地域の自立を促進する上での新たな地域哲学、地域経営手法
基本方針 「鹿角らしさが息づく、風格ある自立地域を目指して」
主要プロジェクト 1 雇用機会の創出と既存産業の組み合わせによる自立促進 (雇用・産業夢プロジェクト)
[1] 基盤整備、経営近代化のための産業振興施策の整備
[2] 起業の促進
[3] 農業、観光サービスなどの融合
2 美しさと風格を感じさせる生活・文化による促進 (生活・文化夢プロジェクト)
[1] 美しき風格ある生活空間の形成
[2] 生き生き健康都市の構築
[3] 「鹿角学」に根ざした風格ある市土の形成
3 交流・連携との協調による自立促進 (交流・連携夢プロジェクト)
[1] 地域自立促進施策の実施
[2] 地域とのパートナーシップ
[3] 地域間交流の促進
 
(5) 既存関連事業
 
項目 概要
都市農村交流促進事業 1 趣旨 :
 美しく豊かな自然を背景に、都市の子供たちに農業・農村 の体験と地元の子供達と交流の場を提供し、食糧生産の場 である農業と農村に対する理解を深めつつ、子供達が「第2 のふるさと」として、鹿角市と将来にわたり交流を続ける気運 を醸成するとともに、都市と農村交流により、活力ある地域社 会の形成を図り農業・農村の振興に資することを目的とする。
2 実施主体 : 鹿角市産業振興部農政課
※東京においては、よつぎ小学校PTA
3 実施対象 : よつぎ小学校高学年児童
4 参加人数 : 16名 (平成12年度実績)
5 期間 : 4日間 (3泊4日)
6 プログラム :
○施設及び観光地見学
○伝統工芸・歴史・文化などの観覧、体験学習
○農業体験
○市内の子供達との交流
○記念品贈呈  など
鹿角市ふるさと大使 1 制定 : 平成元年12月24日(改正;平成4年2月1日)
2 目的 :
 市の観光資源や物産を広く紹介するとともに開発、振興、宣伝などに関する意見及び情報交換などの場として、鹿角市東京事務所に鹿角市ふるさと大使館を設置(東京事務所廃止に伴い、平成14年度から鹿角市総務課が事務を取り扱う)。
3 実施主体 : 鹿角市
4 対象 :
 産業振興、教育、芸術、文化を通じ鹿角市とゆかりのある者及び特に市長が必要と認めた者を市長が委嘱。
5 任期 : 2年(再委嘱可能)
6 大使数 : 22名(平成12年10月1日現在)
7 大使の役割 :
 それぞれの地域、職域において鹿角市の観光、産業等の宣伝などに努めるとともに、必要により鹿角市の活性化、観光、産業などの意見を提供する。
8 鹿角市の役割 :
○宣伝のための名刺の作成、贈呈
○大使懇談会の開催
○鹿角市特産品の贈呈(年1回)
事業名 概要
鹿角観光推進市民会議事業 1 目的:
国内観光地の魅力低下を受け、鹿角観光の振興に向けて何が必要か、また、誘客促進のための環境整備と受け皿である市内の観光地などの整備について、市民を巻き込んだ実践を含む、恒久的な取組を実施していくことが必要なことから、地域が一体となった取組体制づくりを展開する。
2 策定 : 平成12年度
3 個別事業
○鹿角観光地域整備計画策定調査の実施
○鹿角観光推進市民会議の設置
○かづの観光ロマン創出事業の実施 など
(1) 鹿角観光地域整備計画策定調査の実施
1) 背景と目的
 観光地らしさを醸し出す手段として、 これまでの個々の施設整備から、地域全体を観光地として捉えた画的な整備が必要となっている。このため、地域と一体となって計画を推進し、地域との合意形成の中での事業展開を目的に、今後の事業展開についても本計画を見据えた事業展開を図り、かつ、現状の中で動きのある誘客活動に関する事業を実施し、 その検証及び効果等を見極めながら、整備計画を10年間のスパンで策定する。
2) 主な調査項目:
 [1]鹿角観光の現状、[2]周辺地域も観光実態、[3]鹿角観光の問題点、[4]観光の将来動向と必要機能、[5]機能の受け皿となる施設等の整備のあり方、[6]事業推進に関わる体制、[7]事業の実現に向けての留意点
(2) 鹿角観光推進市民会議の設置
1) 目的:
 調査の過程からより実効性のある計画策定のため、市民及び専門家による調査の検証、事業実施体制、事業展開までの助言、検証などの機関として設置し、観光地鹿角の商品力を高め、地域全体に観光地らしさが浮き出るまちづくりに向けた展開を図る。
2) 検討内容:
 [1]調査内容、[2]調査への助言指示、[3]調査の検証、[4]他事業との比較など
3) 毛円筒項目:
 [1]鹿角観光地域整備策定調査への助言及び検証など、[2]かづの観光ロマン創出事業、[3] 八幡平・湯瀬・大湯各温泉地等魅力形成検討、[4]その他、幅広い地域全体の観光振興に関わる実践項目
4) 構成:
 委員数15名
※十和田八幡平観光物産協会、農業従事者、主婦、20代の男女、商工会、青年会議所、婦人会、青年会、アドバイザー(旅行雑誌関係者、旅行エージェント、観光学者)
5) 開催回数:
 年4回程度(増減あり)
事業名 概要
鹿角観光推進
市民会議事業
(3) かづの観光ロマン創出事業
1) 背景と目的:
 21世紀を向かえ、鹿角が新たに出発していくため、市民はもとより観光客に対しても、観光賃いい抱く思いを強く持たせ、観光行動の誘因となりうる鹿角のイメージ(観光地として、また地理的に)を、観光宣伝としてメディアなどで幅広く提供し、観光地「鹿角」のイメージアップと誘客を図る必要がある。このため、市民及び観光客などに的確な情報提供をすることにより印象付けを行うなど、宣伝活動などがより効果的に伝達できる体制を構築し、一目で鹿角がイメージできる手段として活用する。
2) 事業概要:
 観光地「鹿角」がイメージできるよう、鹿角市に北東北固有の魅力を再構築し、鹿角を起点として情報発信でできるように、市のトータルイメージを醸成するキャッチフレーズ、シンボルマークを広く応募し、宣伝効果を高め得る事業の展開を図る。
鹿 角 観 光
フ ァ ン 事 業
1 背景と目的:
 鹿角に興味を持ち、鹿角での出会いを求めた観光客及び鹿角に旅行したいと考えている潜在旅行者に対し、「かづの観光ファン」として呼びかけ、鹿角観光モニターとして登録することにより、さまざまな情報収集など、鹿角観光宣伝の担い手としての機能を持たせ、観光客の誘客に寄与できる体制づくりを行う。 このことにより、 鹿角が愛される観光地として口コミなどで観光客につなげる、 また、 市民との交流の場として活用する。
2 事業の概要
(1) かづの観光ファンづくり
これまで、市内の宿泊施設を訪れた人の中で、個々の各施設での常連顧客リストを提供していただき、「かどの観光ファン」として鹿角観光宣伝と口コミなどで新たな旅行客の発掘の担い手として活用する。
○登録数(目標値):平成12年度100人、13年度500人、最終目標2000人
○対象:市内の宿泊施設の常連客局及び鹿角に愛好、興味のある県外の人
○参加者:観光キャンペーン推進会議
○特典:鹿角地域観光施設などの2年間利用割引(観光手形の提供)
○任期:2年間(加入日から)
(2) 専門家による観光モニター活用潜在旅行者の旅行先を決定するにあたって、大きな影響を持つ「旅行記者など」鹿角に招待し、旅行雑誌への記事掲載による宣伝活動と市内の受入体制の状況を明確に指摘してもらうことで、観光関係機関・団体などの意識改革を図る。
○対象:旅行記者クラブ会員5〜6人程度








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