[4] 吐出弁(デリベリバルブ)
デリベリバルブはプランジャバレルの上部にデリベリバルブホルダで取り付けられており、プランジャからの吐出が終わったとき、高圧管からの逆流を防止すると共に、高圧管内の残圧を保持する働きをしている。しかしこの残圧が高すぎると、噴射終わりの後も燃料弁から燃料が噴射されるのである程度燃料を吸い戻す必要がある。この作用は2・138図(2)の状態から(3)のようにシートが密着するまで行われ残圧は適正に保たれる。この間にデリベリバルブの動く寸法(a)を吸い戻しストロークと呼んでいる。
2・138図 デリベリバルブの作動
(3) 分配型燃料噴射ポンプ
分配型燃料噴射ポンプは、1本又は2対以下のプランジャが回転しながら往復運動を行い、燃料を各シリンダヘ供給するようにしたものでガバナ、タイマ、燃料供給ポンプ、等が組み込まれており、列形集合ポンプと比較して小形、軽量化されているので小形高速機関に使用されている。2・139図に分配型噴射ポンプの構造の1例を示す。
2・139図 分配型噴射ポンプの構造
(4) ユニットインジェクタ
ユニットインジェクタは高圧管が無く、プランジャと燃料弁一体型の燃料噴射装置で、エンジンのシリンダヘッドに直接一個ずつ取り付けエンジンのカム軸により駆動される。
断面図と構成部品図を2・140図及び2・141図に又、機関への取り付けを2・142図に示す。
燃料噴射・調整の機構はインラインポンプと同じであるが、ガバナには一般に油圧ガバナが使用されている。
2・140図 ユニットインジェクタの断面図
2・141図 同左部品図
2・142図 ユニットインジェクタの装着